「ブルーピリオド」感想(ネタバレ含む)~あらすじ、名言、その魅力とは? アニメの概要と評価、声優など~


 今回は、月間アフタヌーンで連載中の大人気漫画「ブルーピリオド」について、その数々の刺さる名言を中心に紹介していきたいと思います。

 ブルーピリオドは2017年の連載開始以降、「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」などの数々の賞を受賞した評価の高い漫画であり、2021年に満を持してアニメ化されしました。

 この作品の、何がそれほど人を惹きつけるのか、その魅力に迫っていきたいと思います。

ブルーピリオドのあらすじ(ネタバレ注意)

 主人公の矢口八虎は高校生ながら酒やタバコも嗜む遊び人。そのくせ要領がよくて成績はトップクラスという実にそつのない少年です。

 しかし八虎は何でもできるからこそ物事に無気力で、何事にも本気で向き合えずにいました。そんな八虎が偶然目にした一枚の絵を切っ掛けに芸術の世界に飛び込んでいき、やがて日本最難関の東京藝大油画科を目指して勉強を始めていきます。

 高校の美術部だけでなく、美大受験予備校や受験を舞台に、芸術に関わる個性豊かな人々の苦悩と葛藤を描いた青春群像劇となっています。

 物語は八虎が高校2年生の時から始まり、2021年現在は八虎の美大入学後の姿が描かれています。

(芸術という漫画では表現しにくいテーマが、登場人物とその言葉を通じて的確に表現されています。逆に言うと、多分これは芸術を通じて人の生き方を表現している作品でもあるんでしょうね)


ブルーピリオドの主な登場人物

矢口 八虎(やぐち やとら)
主人公。酒もタバコも嗜むチャラ男ながら要領がよく成績はトップクラス(早稲田、慶応なら余裕だとか)。カフェインで酔っ払う可愛い一面も。
サボるためにとった選択授業の美術で目にした一枚の絵を切っ掛けに、絵にのめり込み、美大の受験に挑んでいく。

鮎川 龍二(あゆかわ りゅうじ)
男だが心も見た目も女。八虎とは腐れ縁で同じ高校の美術部。八虎が美術部に入る切っ掛けを作る。皆からは「ユカ」ちゃんと呼ばれている
日本画を専攻しているが、家族からは画家になることを反対されて悩んでいる。

森 まる(もり まる)/森先輩
八虎の一つ年上の女性で、美術部の部長。八虎が芸術に興味を持つ切っ掛けになった絵を描いた人。八虎の憧れの人であり、小柄だが巨乳。

佐伯 昌子(さえき まさこ)
美術部の顧問の女性。飄々とした捉えどころのない性格で、八虎たちを導き応援する。
大学生編でも八虎のバイト先で登場する。

高橋 世田介(たかはし よたすけ)
八虎が予備校で出会った天才少年。八虎のライバル的存在。
高校は普通科でデッサンは高校2年生から始めた。予備校を辞めて、独学で東京藝大に合格する。
コミュ障で友達が少なく、陽キャラの八虎とは相性が良くない。

橋田 悠(はしだ はるか)
世田介と同じ高校に通う長身のおさげの青年。絵においては、知識や理屈が先行するタイプ。腰まで届くおさげの理由は不明。

桑名 マキ(くわな まき)
八虎が予備校で出会った天才美少女。芸術のサラブレッド一家に生まれ、家族を意識しすぎているところがある。
家族の影響で油絵を専攻していたが、八虎の言葉で心機一転、今は彫刻科で学んでいる。
アイドル好きで痩せの大食い、困っている時には手を差し伸べてくれる漢気有りと、非常にハイスペック。

大葉先生(おおばせんせい)
八虎が通う予備校の講師。身体も声も大きく豪快な性格で、厳しくも的確な指導で八虎の成長を促す。
ある意味、受験編最大の功労者でありキーマン。

(その他にも、いかにも芸術家っぽいキャラクターから、ごく普通の芸術家っぽくないキャラクターまで、次々魅力的なキャラクターが出てきますが、書ききれないので割愛させていただきます)


ブルーピリオドの刺さる名言

 この作品の最大の魅力は、物語の至る所で発せられる名言です。学生だけじゃなくて、大人になっても、こういう言葉は刺さるんですよねぇ……

「好きなことをやるって、いつでも楽しいって意味じゃないよ」
 芸術に本気で向き合い、行き詰った八虎の言葉です。
 そうなんですよね……好きなことをやって生きていくって、そうなんですよね……

「自分に無理のない選択すんのって案外むずいじゃん」
 好きなことをやっていても、それが辛いなら逃げたっていい。逃げて、自分を大切にすることを選べた仲間に対して送られた言葉です。こういうのって、社会人になっても同じですよね。

「正しい場所からしか話せないならアタシがお前に話すことは何もないね」
 溺れている人がいたら、正しい行動は救命胴衣を投げ込むこと。
 だけど、溺れている人と分かり合うには海に飛び込むしかない……どっちもできるのが八虎なんでしょうね。

・「俺はたぶん、絵じゃなくても良かったんだと思う」
 どれほど芸術にのめり込んでいても、そうなったことに理由はない。
 多分、この作品もそうです。テーマが絵でなくても、きっと僕らは八虎たちの物語に引き込まれてたと思います。

・「一位の絵じゃなくて矢口の「最高の絵」を目指さなきゃね」
 シンプルですけど、苦しい時こそ自分と向き合うことが必要ですよね。

「作品は、諦めたらそこで完成よ」
 どこかで聞いたセリフだけど深い。妥協無く、自分と作品に向き合うことがどれだけ難しいか。

ブルーピリオド、アニメの感想と評価(ひどい?)、キャスト(声優)は?

 冒頭でも申し上げましたが、ブルーピリオドは2021年10月から放送されました。

 メインキャストは以下の通り。

 矢口八虎:峯田大夢
 鮎川龍二:花守ゆみり
 高橋世田介:山下大輝
 橋田 悠:河西健吾
 桑名マキ:宮本侑芽

 アニメを見た忌憚のない感想を言うと「悪くはないけど原作の方が好き」です。

 1クールで受験編を全て放送しなければならないスケジュールの都合か、予備校の冬季講習とか親の説得とか、個々のエピソードがだいぶ省略・簡略化されている印象があります。

 話として違和感があるわけではないですが、原作と比較するとそういう積み重ねが薄い分、やや盛り上がりに欠けるのかな、と。

 アニメから入って興味を持った方は、是非原作を読んでいただきたいですね。



コメント

タイトルとURLをコピーしました