「ダンジョン飯」感想&考察(ネタバレ注意)~アニメ化は? つまらなくなったと言われるのは何故?~


 今回は漫画誌「ハルタ」で連載中、異色のファンタジー漫画「ダンジョン飯」について紹介したいと思います。
 この作品、タイトルを聞いただけだと「何の話なの? ファンタジー? グルメ?」と、どんな漫画なのかよく分かりませんよね?
 正直に言って、読んだ私もよく分かりませんでした(笑)。

 ファンタジー要素は強いけど、それがメインという感じじゃないし、かといってグルメとは口が裂けても言いたくない。ギャグ要素もあるけど、う~ん。

 良く言えば新たな分野を開拓した作品、悪く言えば闇鍋。そんな意味不明だけど、読むと思わずくすっと和んでしまう、そんな独特のお話です。

ダンジョン飯のあらすじ(ネタバレ注意)

レッドドラゴン戦での敗北、妹ファリンの蘇生を目指して

 物語は中世ファンタジー風の異世界、とある離島のダンジョンが舞台となります。
 ダンジョン攻略を目指す冒険者、主人公のライオス一行は、ダンジョンの深層でレッドドラゴンに挑みますが、空腹が原因で敗北。ライオスの妹のファリンが魔法で脱出させてくれたおかげで全滅は免れたものの、そのファリンはレッドドラゴンに食べられてしまいます。

 一刻も早くファリンを救出して魔法で蘇生させたいと願うライオスですが、戦いで荷物のほとんどを失い、パーティーから離脱者も出る始末。辛うじて残った二人の仲間は協力を申し出てくれますが、ダンジョン探索のためのお金がありません
 そんな窮地に陥ったライオスが選んだ解決策が、ダンジョンに巣くうモンスターを調理して食費を浮かすこと、だったのです。

どうしてそんな発想にいたるのか、意味が分からない

ダンジョン飯、モンスターを食べる(レシピ付き)

 まともな感覚を持った仲間たちは、その提案を激しく拒絶しますが、ライオスは手近なモンスターを倒して調理を強行。さらにそこに、モンスターを調理することを生きがいとするドワーフまで加わって、料理が成立してしまいます。そしてその意外な美味しさに驚く一行。

 かくしてライオスたちは、ファリンを救出するため(若干一名、レッドドラゴンを調理するため)、モンスターを食しながらダンジョンを攻略していくことになるのです。

 冒険……というかモンスター食の果てにライオスたちは再びレッドドラゴンの元に辿り着き、激闘の末にレッドドラゴンを撃破。
 レッドドラゴンの死肉から無事にファリンの蘇生に成功します。

 しかし喜んだのもつかの間、レッドドラゴンを支配下に置いてきた「狂乱の魔術師」によってファリンは操られ、ライオスたちの前から姿を消してしまいます

 そしてライオスたちは、狂乱の魔術師を討伐し、ファリンを救い出すため、再びダンジョン討伐を続けることとなるのです。



ダンジョン飯の主な登場人物(ネタバレ注意)

ライオス・トーデン
主人公。種族はトールマン(外見は背の高い普通の人間)で男。パーティーのリーダーで戦士。性格は沈着冷静で戦士としての実力も確かだが、あまり世間慣れしていない。
実は幼いころからモンスターの味に強い興味を抱いていており、ファリンの救出のためという大義名分を得て、モンスター食を実行に移す。
動く鎧のボスの剣を「ケン助」と名付けて使っている。

マルシル
ハーフエルフの女性で魔法使い。ライオスの仲間でファリン救出の協力を申し出る。
魔法使いとしての才能は豊かだが、実戦経験はそれほど多くない。ハーフエルフとしては珍しく、感情表現豊かでコミカルな描写が目立つ。
モンスターを食べることには最後まで抵抗しており、食べた後の彼女の死んだ目は思わず笑ってしまう。
学生時代からのファリンの友人で、ファリンに対してはやや過保護気味。

チルチャック
ハーフフット(要はホビッ〇だが、版権の関係でこうした独自の種族名を使っていると考えられる)の男性で斥候役。妻と子がいる。ライオスの仲間でファリン救出の協力を申し出る。
一見するとドライな性格だが、仲間を死なせたくないという思いが強い人情家。
また、恋愛や人間関係のトラブルを嫌悪しており、本心や私生活をあまり明かそうとしない。
外見は子供だが、落ち着いた性格でパーティーで一番常識人。

センシ
ドワーフの男性で戦士。モンスターを食べようとしたライオスたちの調理の素人ぶりを見かねて手を貸す。健康面や栄養価とか色々考えて、彼なりに合理的な思考の上でモンスターを食している(そういう問題ではないのは明らかだが)。
ドワーフのくせに鉱物の見分けや鍛冶の技術は一切持ち合わせていない。
レッドドラゴンを調理するために仲間となるが、ファリンを食べたレッドドラゴンを食べるのは、共食い的にどうなのだろうと、流石のライオスも悩む。

ファリン・トーデン
ライオスの妹で魔法使い。ライオスの妹らしく、モンスター食に興味を持っていた。
幼い頃は、その高い魔法の素質故に村で迫害されており、ライオスと世界を巡ることを夢見ていた。
ライオスたちを救うために犠牲となってレッドドラゴンに食べられる。後に救出され、蘇生は成功するのだが、狂乱の魔術師に操られ、現在は異形のキメラの姿に変えられている。


ダンジョン飯はつまらなくなった? その魅力とアニメ化の展望

 この作品は連載当初、モンスターを倒し、それを調理して食べてほのぼの(?)する一話完結型のギャグ漫画としてのテイストが強い作品でした(各話のタイトルが料理名だったり)。

 しかし連載が進むにつれて、食べることよりも戦い、冒険ファンタジーとしてのテイストが強くなってきており、当初のほのぼの(?)した作風に惹かれて読んでいたファンからは、一部つまらなくなったとの声も聞かれるようです。

 とは言え、長く連載を続けていくとなると、ただモンスターを倒して食事をするワンパターンではやっていけないでしょうし、作風の変化はやむを得ないことでしょうね。食事以外の物語もそれはそれで魅力的ですし、決して「つまらなくなったのではない」ことは断言しておきます。

 食事にまつわる話が無くなったわけではありませんから、今後読んでみようという方は、長い目でこの作品を見守っていただければ。

 ちなみにこの作品、現時点ではアニメ化はされていません。
 が、実は単行本発売記念でアニメCMは作成されていますので、興味のある方は是非ご覧になってみてはいかがでしょう。


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