今回は「ハルタ」で連載中、身長9センチメートルの小人たちの日常を描いた「ハクメイとミコチ」について紹介します。
この作品は作者の樫木祐人先生が大学の課題として制作したものが編集者の目に留まり、読み切り、連載を経て2018年にはアニメ化もされた人気作。
本記事では、東方シリーズを彷彿とさせるかわいいキャラクターと小人たち独特の「面白いこと」を突き詰めたこの作品の魅力を、あらすじや若干のネタバレ、アニメ第2期の可能性なども含めて語ってまいります。
「ハクメイとミコチ」あらすじ(ネタバレ注意)
あらすじ(基本は一話完結)
ハクメイとミコチは深い森の奥で暮らす小人(こびと)の女の子。
その身長はたった9センチメートル。
彼女たちは木の洞に家を作り、虫や鳥たちと言葉をかわし、時にその背に乗って移動して、日々楽しく暮らしています。
これはそんな小人の女の子たちが過ごす日常を描いた物語です。
二人には何か壮大な目的や使命があるわけではありません。
ただ毎日を、小人ならではの発見と喜び、ちょっとした苦労を抱えながら過ごしているだけ。
ある日は見つければ願いが叶うとされる「夕焼けトンビ」を探し、時に自分たちより大きなミミズクの縄張りで冒険を繰り広げ、またある時は小人たちの街に出て仲間たちと出会ったり。
ファンタジーのような小人たちの世界が、独特の切り口、そして妙にリアリティのある描写で繰り広げられていきます。
世界観
小人(こびと)
この世界に住む「ヒト」。
作中ではこの世界に住む「ヒト」とは小人(こびと)のことを指し、通常サイズの所謂「人間」は登場せず、存在するかどうかも言及されていない。
身長以外の特徴として小人(こびと)は耳がやや尖っている。
また「種帽子」と呼ばれ特徴的な帽子を被っている者もいて、これは小人(こびと)が旅に出る際に所属する集落の長老の帽子を模したものが与えられる。
動物・昆虫
基本的には現実の姿のまま擬人化されることなく登場するが、小人(こびと)たちと会話をかわし、同じ街で暮らしたりしている。
とは言え、必ずしも互いに友好的な関係とは限らず、作中では具体的な描写はないが、ミミズクが小人を襲って食べる可能性が示唆されている。
社会・文明レベル
小人(こびと)たちの街では、蒸気機関や竈が使われていたりと多少レトロな描写はあるものの、近代の人間社会とほぼ同レベルの技術・文明が形成されている。
ちなみに貨幣は「円」。
魔法
魔法のような何かや付喪神のようなものは存在しているようだが、はっきり魔法とは明言されていない。
恐らくそのあたりは作者が意図してぼかしているものと考えられる。
「ハクメイとミコチ」主な登場人物(ネタバレ注意)
ハクメイ
本作の主人公の一人で23歳の女の子。
外見はあちこちにはねた赤毛が特徴で、言葉遣いや雰囲気は非常に大雑把でどこか男の子っぽいところがあります。
ハクメイがミコチと一緒に暮らしているのも、ハクメイが引っ越し先を間違えてしまい、そのままミコチの家に転がり込んだのが切っ掛けだとか。
行動派であり肉体派で、野外活動の知識や技術は豊富です。
修理屋を営んでいますが、あまり繁盛してはいないようですね。
ミコチ
本作の主人公の一人にしてヒロインたる24歳の女の子。
外見は黒髪ぱっつん姫カットの正統派の美少女ですね。
ハクメイとは対照的に理論派で、料理と針仕事を得意としていて、作中では彼女の手により次々と美味しそうな料理が生み出されていきます。
市場に行くと店主たちから料理のアドバイスを求められたりお土産をもらったりと非常に人気者で人望も厚いです。
非常に女の子らしい女の子なのですが、自分の得意分野に関しては非常にこだわりが強く、時に荒々しい男たちも慄くほどの迫力を発揮します。
コンジュ
山間の街「マキナタ」に住む吟遊詩人で、26歳の女の子。
外見は緩くウェーブがかかった金髪のツインテールとムチムチした肉体が特徴の可愛らしい少女ですね。
いいとこのお嬢様だったらしく、口調も性格もやや高慢でしばしばトラブルを起こしますが、いわゆるツンデレで実はとてもいい子なので、大抵すぐに和解しています。
世間を見て来いと言われ、今は歌手として活動しており、その容姿もあってファンも多くついているようです。
歌には非常にプライドを持っており、同じく歌の上手いミコチに対してはライバル心を抱いています。
ちなみに、お嬢様らしく寝るときは全裸。
セン
マキナタの東の沼に住む研究者で、19歳の女の子。
外見は色素の薄い髪をポニーテールにした猫目の少女。
「生命」の研究をしていて、研究成果である骨の亀の「ジョージ」の中に住んでいます。
性格は研究者らしくインドア派で凝り性。
特に「骨」に対するこだわりには並々ならぬものがあるようです。
クーデレであり、いざという時の照れ顔は作中屈指の破壊力があります。
ちなみに、研究だけでは食べて行けないので、川魚を卸して生計を立てているようです。
「ハクメイとミコチ」感想&評価、アニメ2期(続編)の見通し
東方同人出身の作者が描く、かわいいだけじゃない小人たちの日常
この作品の魅力は大きく二つ。
一つは言うまでもなく可愛らしい小人(こびと)たち。
もう一つは作者独特の感性、切り口で描かれたリアリティある日常風景です。
作者の樫木祐人先生は元々プライベートで東方シリーズの同人作家だったらしく、キャラクターデザインにはどこか霊夢や魔理沙に通じるものがあり、非常に馴染みやすくて安心できるものに仕上がっています。
また、小人たちの生活もファンタジーだからといい加減に描かれることなく、小道具の一つ一つまで丁寧に描かれているところも、魅力の一つです。
小人たちが「ちゃんと生きている」ことが伝わってくるからこそ、ファンタジーとしての日常ものがとても馴染みやすくリアリティある物語として感じられるのでしょうね。
アニメ第2期(続編)は制作される? いつ?
「ハクメイとミコチ」は2018年1月に原作コミックス5巻までの内容がアニメ化されています。
アニメ第1期の売り上げは非常に好調だったそうですから、第2期が制作される可能性はかなり高いと思います。
問題はその時期。
現時点(2021年8月)で「ハクメイとミコチ」はコミックス9巻まで発売されており、第1期の実績を考えるとストックがやや不足しています。
これまでの実績を見ると、コミックスは毎年1月に年1回ペースで刊行されていますから10巻の発売は2022年1月見込み。
制作期間なども含めて考えると、アニメ第2期は早くても2023年以降になりそうですね。
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