「ハリガネサービス」感想(ネタバレ含む)~サーブだけのエースの成長物語、アニメ化は? というか鴫澤ちゃんかわいい~

 今回は週刊少年チャンピオンで連載され、現在続編「ACE」が連載中の「ハリガネサービス」について紹介させていただきます。

 この作品は高校バレーをテーマにした青春スポーツマンガ。同時期に、ジャンプで「ハイキュー‼」という強力な対抗馬が存在したため影に隠れがちではありますが、あちらとは違った魅力のある良作ですので、これを機に是非ご一読を。

「ハリガネサービス」のあらすじ(ネタバレ含む)

 物語は主人公の下平鉋が、高校バレーの名将、山縣監督率いる豊瀬高校バレーボール部に入部したところから始まります。

 中学時代ピンチサーバー(要はベンチ要員)だったという下平に、バレー部の先輩たちの反応は冷たいもの。しかも同期の1年生には間白(スパイカー)、松方(セッター)、金田(リベロ)という中学東京都選抜(ただし、実は控え)に選ばれた3人の姿があり、下平は高校でもレギュラーになれないのかと不安を募らせていました。

 ある朝、練習前に下平たち1年生4人が揃ったタイミングで下平は間白たちの自主練に誘われ、サーブを打つことに。しかし何球か下平のサーブを受けていた金田が突然怒り出します。

「全部ボールが腕を構えた所に飛んできタ!!!」

 下平はわざとレシーブしやすいようにサーブを打っていたと言いますが、それを聞いた金田は自分からサーブでポイントをとって見ろと挑発します。

 それに応えて打った下平のサーブはネットイン。今のはまぐれ、やり直せという間白たちですが、下平はネットインを狙ってできるともう一度同じことを繰り返したのです。

 実は下平、中学2年生の冬にアキレス腱を断裂してしまい、1年間全くジャンプできなくなっていました。その間、ひたすらサーブ練習を繰り返した結果が、この驚異的なサーブの精度。
 そしてただ狙った場所に落とせるだけでなく、無回転サーブも使いこなす変幻自在の技術をも持ち合わせていました。

 ここから始まる下平たち1年生4人と豊瀬高校バレーボール部の成長と快進撃。

 そして舞台はインターハイ予選へ。立ちふさがるは東京都18年連続インターハイ出場校、駿天堂学院高校。

 これは今はまだ、サーブだけのエースでしかない下平が、本当のエースになるまでの物語、その序章なのです。


「ハリガネサービス」の主な登場人物(ネタバレ含む)

下平 鉋(しもだいら かんな)
本作の主人公で高校1年生。身長は174cm。
外見は黒髪黒目の気弱そうな少年で、性格も普段は見た目通り。
サーブに関しては突出しており、ネットインを狙って起こせるほどの超人的なサーブ精度と無回転サーブなど複数のサーブを使いこなす技術を持つ
一方でそれ以外の技術は並以下であり、アキレス腱断裂のトラウマか、突然コート内でジャンプできなくなることもある(後に克服する)。
視野や観察力は非常に高く、プレー中は異常なほど冷静かつ冷徹に相手の嫌がることを実践するえげつなさも持ち合わせている。
後に無回転の変化するスパイクとか意味不明な技まで身につける。

間白 譲治(ましら じょうじ)
バレー部の1年生で、中学東京都選抜「控え」3人組の1人目。身長は167cm。
外見は色黒で何故か耳が尖っている、この作品の賑やかし担当でもある。
ポジションはウイングスパイカーで、身長こそ低いが高い運動量とジャンプ力を持ち、技術も高い。
後に松方と組んで「ハイキュー‼」のごとくマイナステンポの速攻まで使いだす。
馬鹿っぽいが、意外と家族思いで優しいところもあり、普通のスポーツマンガであれば主人公だっただろう男。

松方 一颯(まつかた いぶき)
バレー部の1年生で、中学東京都選抜「控え」3人組の2人目。身長は178cm。
落ち着いた雰囲気の品の良いイケメン。
ポジションはセッターで非常に柔らかいトスを武器とする。
データ収集能力が高く、それをコートにいながら行い、即座に実戦で活かすことのできる頭脳はセッター。
なお、「あっち」のセッターと違って、王様系ではない。

金田 進(かねだ すすむ)
バレー部の1年生で、中学東京都選抜「控え」3人組の3人目。身長は177cm。
目が小さくおかっぱ頭の独特の雰囲気(要は変人)を持った少年。
ポジションはリベロで、レシーブ意外に興味がなく、それ以外したくないというワガママ。
徐々にチームワークを覚えてはいくが……
語尾がカタカナで、弁当には自分で特大サイズのおにぎりを作って持ってきている。
下平のサーブにリベロとして並々ならぬ対抗心を持っている。

羽柴 恵(はしば けい)
1年生女子でバレー部のマネージャーに強引にされた少女。
ゆるふわ系で非常にかわいい。どんくさくて不器用、自分に自信がないと、萌えポイントをこれでもかと押さえている。
下平に好意を抱いている少女その①。

鴫澤 雪江(しぎさわ ゆきえ)
1年生女子。熊本で有名なバレー選手だったが、周囲との軋轢から高校ではバレーを辞めていた。
カッコいい系の美少女。
羽柴と学校行事で仲良くなり、下平の変態的なサーブに魅入られてバレー部のマネージャーとなる。
そして直後に監督から要請を受けてコーチも兼任する。
下平に好意を抱いている少女その②。

※先に登場したのは羽柴だが、展開的には鴫澤ヒロインの流れが続いており、どちらもかわいいだけに非常に悩ましい(何が?)。

山縣 三郎(やまがた さぶろう)
豊瀬高校バレーボール部の監督で、数々の無名校を全国へ導いてきた名将。
左目を失明したヤクザのような外見のオッサン。
元はスパルタ指導者だったが、それが原因で教え子がバレーを辞めたり、家族に負担がかかって離婚して息子(通称:悪い米津)に恨まれたりと散々だったため、今は方針転換。選手たちに自ら考えさせるタイプの指導者となった。


「ハリガネサービス」の魅力、何故アニメ化されていない?

マンガらしい演出とバレーが融合した成長物語

 主人公のサーブを始め、現実のバレーではあり得ないような超人的なプレーはマンガ的演出としてあるものの、基本はスタンダードな青春スポーツマンガです。

 黒子のバスケとかと比べれば、まあ常識的な範囲のプレーですから、リアル系でなければ納得できないという方でなければ、特に気になることはないでしょう。

 主要キャラクターも非常に魅力的に描かれていて、ストーリーも王道。主人公の成長あり、熱い戦いあり、ちょっぴりラブコメありの、押さえるべきところをきちんと押さえた良作と言えるでしょう。

 画力も非常に高いですし、もっと話題になっていい作品なんですよね。

アニメ化がされていない理由、対抗馬「ハイキュー‼」の存在

 「ハリガネサービス」自体は24巻まで出て完結しており、続編である「ハリガネサービスACE」も引き続き連載されていて話のボリュームは十分

 にもかかわらず、アニメ化がされていない理由

 それは同時期に連載されていた「ハイキュー‼」の存在に他ならないでしょう。

 同じバレーマンガであり、連載誌としてはあちらの方が強力。しかも若干ではありますが、あちらの方が本格派というかリアル系

 これだけ条件が重なれば、同時期に「ハリガネサービス」がアニメ化されるのは難しかったでしょうね。

 とは言え、「ハイキュー‼」は既に漫画版の連載が終了しており、アニメも佳境(いつ完成するかはわかりませんが)。
 となれば、今後「ハリガネサービス」がアニメ化される可能性は十分にあるはずです。

 そのためにも、色んな意味で早くアニメ「ハイキュー‼」の続きが出ないかな~。


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