「茨城ごじゃっぺカルテット」感想~茨城県をガッツリPR、ゆるふわ日常系作品、早くもアニメ化に期待?~


 今回は「裏サンデー」で連載中の「茨城ごじゃっぺカルテット」について紹介させていただきます。

 タイトルを見て「お、また某グンマみたいな地方ディス漫画か?」と思ったそこのあなた。この作品はその予想を真っ向から裏切ります。
 これは都会人が茨城に抱く過剰なイメージをごくごく普通に否定し、当たり前の日常を描くほのぼのした物語
 ふわっとした茨城PRに「あれ、これ結構好きだ」そんな感想を抱いてしまう作品なのです(ちなみに「ごじゃっぺ」は「馬鹿」「アホ」って意味だそうです)。

「茨城ごじゃっぺカルテット」のあらすじ(ネタバレ注意)

 茨城県、全国魅力度ランキングワースト1位。
 茨城県、ヤンキーが多そうな県全国1位

 そんなテレビで流れる茨城県のイメージに踊らされた東京育ちの女子高生、猿島ノブエ
 ノブエは家族で茨城県へ引っ越すにあたって「ヤンキーどもに舐められたら不味い!」と髪を染めていかにも田舎のヤンキーっぽい見た目となって茨城デビュー

 しかしいざ登校してみると、周りは案外普通の人ばかりで思ってたのと違う?
 挙句の果てにテンパって最初の挨拶では「気合い入れていくんで、夜露死苦!」とやらかしてしまいます。

 茨城県での高校デビューに見事に失敗したノブエでしたが、そんなノブエの天然っぷりを察して優しく手を差し伸べてくれたのがカホ、ミノリ、スズランの3人の少女
 茨城県の坂東市を舞台に、少女たち4人による普通の田舎の日常が、淡々と、ちょっとコミカルに描かれていきます。

「今時そんな田舎のヤンキーみたいな恰好こっちでも……いや、いるな!」
「ディスカウントストアとかでよく見る」
「キャラものの健康サンダル履いてんのよく見んな」

 そんな地味~に、確かにヤンキーは実際に多めだとか、ほぼみんな原付に乗れるとかの地方ネタをぶっこみながら、茨城の観光地や名産を紹介し、のんびり、のんびりと。

(ちなみに、筆者は茨城ではないものの田舎育ちなので、その手のヤンキーはごくありふれたものだよね、って感じです)


「茨城ごじゃっぺカルテット」の主な登場人物(ネタバレ注意)

猿島 ノブエ(さるしま のぶえ)
本作の主人公で、非常に純粋で天然なドジっ娘
東京生まれの東京育ちでテレビや茨木生まれの母親の発言から、茨城県は凶悪なヤンキーが跋扈する危険地帯だと思い込み、見た目に迫力をつけるべく髪を染め、ヤンキーっぽくイメチェンした。
外見は茶髪のツインテールで、作中では教師も含めて皆から「気合いが入っている」「とっぽい(=不良っぽい)」と称される。
ただ実際問題、画風がかわいいので、あまりヤンキーっぽくは見えない。
担任に騙され、以下の3人を巻き込んで郷土史研究部を作る。

水海道 カホ(みつかいどう かほ)
ノブエの同級生の少女で、やらかしたノブエに声をかけた3人の内の一人。
外見はクールな王子様風の美少女。
運動部に助っ人を頼まれていたことから運動神経も良い様子。
意外と寂しがり屋でかわいらしい態度を取り、しばしばノブエをキュン死させる。

三和 ミノリ(さんわ みのり)
やらかしたノブエに(以下略)な少女。
長身でショートカットのお姉さん系少女。
世話焼きで面倒見の良いツッコミ役。一番普通の娘で特徴がないことが特徴。
実家が駄菓子屋。

岩井 スズラン(イワイ スズラン)
やらかしたノブエに(以下略)な最後の一人。
ロリっ娘、マイペース、態度がデカい、方言がキツくて一人称が「オラ」。
4人の中では一番アクの強いキャラクターをしていて、ミノリとコンビを組むことが多い。
実家は農家。

先生
ノブエたちの担任の先生。
あからさまに「昔は悪かった」感を発する豪快な女性。
バスケ部の顧問にされるのがイヤで(強豪だと土日も出勤するはめになる)、ノブエをそそのかして郷土史研究部を作らせた。


「茨城ごじゃっぺカルテット」の魅力と感想

地方ディスネタかと思いきや、中身は日常モノ(坂東市ともコラボ、アニメ化は?)

 タイトルに反して内容はごくごく普通の茨城県の日常と魅力を描いたほのぼの系ストーリー。
 登場人物たちも特別キャラが強い訳ではなく、結構普通。
 早々に舞台となる坂東市を作者が表敬訪問できるぐらい、健全な内容です。

 つまり、特別何がどうという作品ではないのですが、何となくスルスル読んでしまう。読んでみて「結構好きかも」と感じてしまう、不思議な魅力を持った作品ですね。

 ちなみに作者の「豚もう」さんは漫画家としてだけでなく、アニメーターとしても活躍されているそうで、画風は非常にアニメ向き。
 少しストックが溜まれば、十分アニメ化の可能性がでてくるだろう作品です。

こんな人におすすめ

 作品に強いインパクトや刺激を求める方を除けば、ほとんど万人におすすめできる作品です。

 系統的には「ゆるキャン」や「ヤマノススメ」と同路線ですが、若干コミカルな描写が多め。
 とは言え、かわいらしい少女たちのほのぼのした日常を描いた作品を読みたいな、という方の期待を裏切ることはないでしょう。

 あとは当たり前ですが、茨城県の方には地元ネタや観光地が多数出てきますので、より面白いんじゃないでしょうか。

 その内、アニメだけじゃなくで聖地巡礼とかも行われそうな期待作です。


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