今回はTwitter発、現在はガンガンJOKERで連載中、多感な小学生の人間関係をハートフルに描いた人気作「事情を知らない転校生がグイグイくる。」を紹介します。
「事情を知らない転校生がグイグイくる。」は死神と呼ばれいじめられている少女と、空気の読めないアホの子転校生の少年が織り成すほのぼのとした交流と日常を描いた作品。いじめを題材の一つにはしていますが、非常に明るい雰囲気で物語が展開していきます。
ほんのりとした初々しいラブコメ要素も魅力の一つであり、おもわずニヤニヤしてしまう良作ですね。
「事情を知らない転校生がグイグイくる。」あらすじ
転校生の少年、高田太陽には気になる人がいました。
それはクラスメイトの少女、西村さん。
彼女はクラスメイトから「死神」と呼ばれ、避けられています。
転校生の高田は、こう思いました。
「ちくしょう、なんて……なんてかっこいいあだ名なんだ……!!」
はい。つまりこれは、周囲から「死神」と呼ばれいじめられている少女、西村さんに、その「死神」というあだ名に憧れ彼女と仲良くなりたいと思うアホの子高田がグイグイいくお話です。
西村さんが「死神」と呼ばれている理由は、要は雰囲気が暗いからという適当なもの。
そんな理由で周囲から避けられている西村さんの心は冷めきっていました。
しかし、西村さんのことを心からかっこいいと思い、仲良くなりたいと願う高田のドストレートな言動は、秒で西村さんの心を融かします。
「死神みたいでクールでかっこいい」
「好きだよその眼光。(死神みたいで)超クールだもん」
……まあ、その理由が、かなりアホではありますが。
アホの子高田にグイグイこられ、あっという間に友達になってしまった西村さん。
夏休み、遠足、運動会と、今までつまらなかった毎日が華やかに色づいていきます。
高田を通じて広がっていく友人関係。
そして、少しずつ意識していく幼い恋。
いや、実にニヤニヤが止まらない展開ですね。
「事情を知らない転校生がグイグイくる。」主な登場人物
西村 茜(にしむら あかね)
本作の主人公に一人で、小学5年生の少女。グイグイ来られる方。
外見は目を隠した長めの前髪とカチューシャが特徴の暗い雰囲気の少女。
クラスメイトから「死神」と呼ばれいじめられている。
父親と二人暮らしで、父親にはいじめられていることを隠している。
周りから避けられるタイプのいじめられっ子。
普段はクールを装い、人との間に壁を作って自分を守っている。
ただし、ストレートに好意を向けられると壁は秒で崩れる。
眼がギョロっとしていて死んだ魚みたいということだが、多分髪を上げれば普通にかわいい。
高田 太陽(たかだ たいよう)
本作の主人公の一人で、小学5年生の少年。グイグイくる転校生。
典型的なアホの子であり、「死神」と呼ばれる西村さんに憧れ、仲良くなりたいと猛アタックする。
ポジティブかつマイペースで、周囲の悪意をものともしない。
全校生徒30人程度のド田舎の小学校から転校してきた。
運動神経が良く、学内で一番の俊足。
西村さんに対し、「好き」「すっごく素敵」といったストレートな誉め言葉(?)は序の口、ほぼ初対面から手を繋いだり(呪いを授かりたい)、「大人になったらキスしよう」「僕のとなりでたくさん笑ってほしい」など、プロポーズ紛いの発言をするド天然。
多分、大人になったら刺される。
日野 大地(ひの だいち)
西村さん、高田のクラスメイトの少年。
三白眼の明るい雰囲気の少年で、早々に高田の親友になった。
常にタンクトップ姿で、オカルトとタンクトップには一家言ある。
西村さんのいじめには加わっておらず、高田繋がりで西村さんとも仲良くなる。
ラーメン屋の倅。
安達 海美(あだち うみ)
西村さん、高田のクラスメイトで、日野の幼馴染の少女。
三つ編みメガネの大人しそうな雰囲気の少女で、西村さんのいじめには加わっていなかった。
日野に恋心を抱いており、そのことを西村さんに相談し、仲良くなる。
将来は生物学者になりたいと考えており、日野と離れることに悩んでいたが私立中学受験を決意する。
北川(きたがわ)
西村さん、高田のクラスメイトの少年。
坊主頭の典型的な悪ガキで、西村さんをいじめていた。
高田を引き入れようとするが、高田の天然の前にいつも空振りに終わっている。
ピエロ。
笠原(からはら)
西村さん、高田のクラスメイトの少女。
ポニーテールとメガネが特徴のツンデレ少女。
「疾風の笠原」の異名を持つが、本人はそう呼ばれることを嫌っている。
高田に想いを寄せており、西村さんをいじめていたが、高田を介して次第に西村さんとも仲良くなる。
「事情を知らない転校生がグイグイくる。」感想と評価
小学生だからこそ許されるストレートでニヤニヤしてしまう展開
この作品の良い所は、登場人物が小学生というところですね。
もしこれが中学生や高校生なら、いじめはもっと生々しくドロドロしたものとなっていたでしょうし(小学生のいじめを軽んじるわけではありません。あくまで作品の演出としてです)、高田のアホの子具合も流石に引いてしまっていたでしょう。
まだまだ無垢で純粋な少年だからこそ、ストレートに好意を伝えられ、それが許される絶妙な世界観が、この作品にはあります。
一方で、女の子の成長は男の子より早いですから、グイグイくる側とこられる側の受け取り方のギャップもまた、尊くて良いですね。
ちょうどこれから花開いていく蕾のような世代、今後を想像するだけで楽しくなってきませんか?
こんな人におすすめ
最近流行りのドロドロした作品に疲れたな、という方におすすめです。
どうも最近はリアル系というか、過激で暗い演出の作品が人気となる傾向がありますが、そういった作品は多かれ少なかれ気が滅入るというか、エネルギーを消費するもの。
癒されたい、ほのぼのした作品を読みたいという方には、間違いなくおすすめできる作品です。
飛びぬけてどうという作品ではありません。
ですが、クスッと笑えて、ちょっとだけポジティブになれること間違いなしの物語ですよ。
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