「今日のさんぽんた」感想~Twitterで公開され話題沸騰! 柴犬との日常を描いたショートコメディ~


 今回は「ゲッサン」で田岡りき先生が連載中の、バカな飼い主と柴犬ポン太の日常を描いたほのぼの漫画「今日のさんぽんた」を紹介します。

 この作品は元々ゲッサンに掲載された読み切りをTwitterで公開したところ話題となり、その後連載が開始されたショートコメディ。

 犬を飼ったことのある方なら誰しも感じたことのあるだろう、飼い主と犬とのコミュニケーションのズレが絶妙な間で描かれており、そのかわいさに思わず和んでしまいました。

「今日のさんぽんた」ってどんな話?

あらすじ(概要)

 この物語は、柴犬のポン太と飼い主(散歩係)りえ子のお散歩ライフを描いた作品。

 作中ではちょっぴりおバカな飼い主のりえ子が、ポン太との散歩・日常の中で天然ボケをかまし、それにポン太が心の中で鋭くツッコむ、漫才のようなやり取りが繰り広げられていきます。

 飼い始めた時はまだ小学二年生だったりえ子も、作中で中学、高校、大学生へと成長していきますが、中身はあまり成長していません。

 そしてポン太も、年を取って少しだけ落ち着いてきたようですが、その鋭いツッコミはいつになっても健在。

 いつになっても変わらないりえ子とポン太の、ちょっと噛み合わないやりとりが愛おしい作品です。

ラストさんぽ(最後の散歩)

 この物語は時系列に沿って描かれているわけではなく、りえ子とポン太の日常が断片的に切り取られて描かれています。

 その為、第一話のTwitter版タイトルは「ラスト・さんぽ」(コミックスでは「お別れ」)。

 大学に進学するため、家を出て一人暮らしをすることになったりえ子とポン太との最後の散歩です。

 最後の時間を惜しむように、過去の思い出を振り返りながら歩くりえ子。

 そんなりえ子に寄り添いながら、憎まれ口をたたくように心の中で淡々とツッコむポン太。

 ポン太ももう11歳。大学を卒業するころには寿命で亡くなっているかもしれません。

 泣きながら別れを惜しむりえ子に、思わずグッと共感してしまいます。

 そして時は流れ……大学一年生の夏に帰省したりえ子。

 久しぶりにポン太と散歩しながら、よく考えたら長期の休みには帰省するし、全然最後でも何でもなかったな、ということに気づきます。

「まぁあと百回ぐらいは散歩できるやろ」
「どんだけ帰ってくる気だ」

 今日も、二人は平常運転です。


「今日のさんぽんた」の登場人物

りえ子(飼い主)

 本作の主人公で、ポン太の散歩係(教育係)。

 小学生から大学生まで、幅広い年齢で登場するため外見はコロコロ変わるが、基本形態は黒髪を首のあたりで切り揃えたどこにでもいそうな少女

 性格はズボラでいい加減で天然。
 そのくせ、結構人見知りする方なのか、グイグイくるタイプの人間が苦手で人目を結構気にする

 成績はかなり残念であり、高校時代は受験生にもかかわらず物理のテストで3点をとり、ポン太をも驚愕させた(ポン太は20点ぐらいだと思っていた)。

 その後、猛勉強のかいあってか第一志望こそ落ちたものの無事に大学に進学。

 しかし1年で早速必修科目を落として留年したと思い込み、大学からの案内を読みもせず埋めて隠すなど、あまり成長は見られない(ちなみに、必修科目は2年で取り直せば良いだけ)。

 中学時代からテニス部に所属しているが、部活に関しては基本愚痴しか言っていないので、恐らくあまり上手くはない。

ポン太(柴犬)

 ポン太。柴犬。性別の描写はないが、多分オス。

 典型的な茶色と白の混じった柴犬で、性格はふてぶてしく沈着冷静。

 幼い頃は落ち着きがなく、散歩の際にりえ子をグイグイ引っ張って走り出すような描写も見られたが、りえ子が中学生になって以降は、リードが離れても逃げ出さないくらい落ち着いている。

 色んなところの臭いをかいだり鼻をツッコんだり、何かと咥えたり、散歩から帰ろうとすると抵抗したりと、行動そのものはごくごく普通の柴犬

 りえ子と気持ちが通じ合っているわけではなく、りえ子の勘違いや思い込みに心の中でいつも鋭くツッコんでいる


「今日のさんぽんた」の感想

「今日のさんぽんた」の魅力~バカな飼い主と柴犬の無言のツッコミが癒される~

 「今日のさんぽんた」の魅力は、りえ子とポン太の一方通行のボケとツッコミです。

 人間同士なら、りえ子の天然ボケに誰かがキチンとツッコんでやり取りが成立するのでしょうが、ポン太のツッコミはりえ子には届かず、互いに一方通行。

 しかし投げっぱなしで噛み合っていないからこそ、二人の優しい空気感に思わずクスッと笑ってしまいます

 りえ子とポン太は互いに言葉も思いも通じませんが、それでもちゃんと互いを思い合っていて、一番大切なところでは分かりあっている。

 その安心感が、読んだ後に心がスッと軽くなるような不思議な心地よさを与えてくれるのだと思います。

こんな人におすすめ

 犬を飼ったことがある人には絶対おすすめです。

 筆者もそうですが、犬を飼ったことのある人間からすると、ポン太のちょっとした仕草とかが凄くリアルに感じられて、ツボにはまること間違いなし(犬種にもよるのかな?)。

 特に話の繋がりとかを意識する必要はなく、隙間時間で気軽に読めるので、忙しい方にもちょうど良いのではないでしょうか。

 逆にストーリー性を求める方には向いていないかもしれません。

 第一話はWEB上で試し読みも出来ますから、まずは雰囲気だけでもつかんでみてはいかがでしょう。



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