今回は週刊少年ジャンプで連載中、「次にくるマンガ大賞2021」でコミックス部門9位、特別賞U-NEXT賞を受賞した「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」について紹介します。
「SAKAMOTO DAYS」は安西先生そっくりな元最強の殺し屋が、夫婦で経営する個人商店を舞台に何故か襲い来る殺し屋たちをバッタバッタと薙ぎ倒す痛快ギャグアクション。
テンポの良い話の展開と、秀逸なアクション描写で人気を博すこの作品について、本記事ではあらすじ、登場人物の若干のネタバレも交えてその魅力を語ってまいります。
「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」あらすじ(ネタバレ注意)
元最強の殺し屋は結婚し、今では安西先生そっくりのふくよかな体型に
主人公の坂本太郎は、かつて最強と謳われた伝説の殺し屋。
しかし坂本はある日、偶然出会ったコンビニの女性店員に一目惚れして殺し屋を引退。
その後、彼女と結婚し、子供も生まれ、夫婦で町の個人商店を営み……ふくよかで自堕落な安西先生そっくりな体型へと変貌を遂げていました。
そんな坂本の元に現れたのは、かつて坂本の部下だった青年、シン。
シンは勝手に組織を抜けた坂本を連れ戻すよう組織から命令を受け、坂本を説得に来たのですが坂本はそれを拒否します。
そしてシンは説得を拒否した坂本を殺そうとしますが、坂本は太ってはいても実力そのものは健在で、シンはあっさり返り討ちに。
任務に失敗し、坂本一家の優しさに絆されたシンは坂本の助命を組織に願い、処分されそうになりますが、そこに坂本が颯爽と助けに現れ、シンは命を救われます。
(坂本はシンを信用しておらず、シンに盗聴器を仕込んでいたのでタイミングよく助けに入ることができました)
そしてシンは殺し屋を辞め、坂本に誘われ坂本商店で働き始めたのでした。
何故か賞金がかけられ、命を狙われることに……
その後、何故か中国マフィアの抗争に巻き込まれ、元マフィア当主の娘、陸小糖(ルーシャオタン、以下「ルー」)を助けたことが切っ掛けで、ルーは肉まん担当として坂本商店の従業員に加わることに。
坂本商店はますます無敵度合いを増していくのですが、そんな彼らに不穏な影が迫っていました。
坂本の前に現れたかつての坂本の相棒、南雲。
南雲は殺し屋協会から坂本に10億の懸賞金がかけられたことを告げます。
南雲の言葉通り、坂本たちの前に次々と現れる凄腕の殺し屋たち。
家訓によって殺しを禁じられ、家族と言う枷をはめられた坂本は、果たして殺し屋たちの襲撃を凌ぎきることができるのか?
……と、言いつつ、坂本は基本無敵で最強なので、苦労するのはシンだけってオチなんでしょうけど。
「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」主な登場人物
坂本 太郎(さかもと たろう)
本作の主人公で、元最強の殺し屋と謳われた男。
5年前に結婚して組織を抜け、今は坂本商店という個人商店を夫婦で営んでいる。
年齢は27歳とまだ若いが、結婚してだらけ切った生活を送った結果、今では「SLAM DUNK」の安西先生そっくりのふくよかな外見へと変貌を遂げている。
とは言え殺しの腕前は今でも健在で、作中ではほぼ無敵。
結婚後は家訓により殺しを禁じられているが、中身まで腑抜けたわけではなく性格は慎重で疑り深い。
一見すると無口で穏やかな人柄に見えるが、ムカつくとすぐに殺意が湧いて脳内で殺人を犯している。
激しい運動をすると大量のカロリーを消費し、殺し屋時代のスラリとした体型になることもあるが、すぐ元の姿にリバウンドしている。
言うまでもないが、妻と娘を愛していて頭が上がらない。
シン
坂本の元部下の青年で、元殺し屋。
組織の命令で坂本の命を狙うが、逆に坂本に命を救われ、坂本商店で働くことになる。
外見は金髪センター分けの端正な顔立ちの青年。
エスパーで20m以内の人間の思考を読むことができる。
体術や殺しの技術も並外れているが、坂本クラスの化け物には到底及ばない。
作中での立ち位置は、無敵過ぎて話が盛り上がらない坂本に代わって殺し屋と戦わされる苦労人。
ある意味、本作のもう一人の主人公と言っても過言ではない。
陸 小糖(ルー シャオタン)
元マフィア当主の娘。
マフィア間の抗争で親を殺され、敵対組織に負われているところを坂本たちに救われ、そのまま「中国人なら肉まん作れるだろ」的な安易な発想で坂本商店の従業員として雇われる。
外見は一つにまとめたお団子頭から長い三つ編みを一本垂らした典型的な中華娘。
性格はお嬢様らしくズボラでいい加減で物騒。
そこそこ体術も使え、作中での立ち位置はシンの相方。
坂本 葵(さかもと あおい)
坂本太郎の妻。
外見は20代半ば、黒髪の若々しい雰囲気の美人。
坂本に殺しをやめさせた人物であり、家訓により殺しをしたら即離婚と宣言している。
坂本を変えるためビルから飛び降りたり、バスジャックに遭ってもどうせ坂本が助けにくると平然としていたり、かなり肝が据わっている。
恐らく、最終的に一番強いのはこの人(うちのカミさん的な意味で)。
坂本 花(さかもと はな)
坂本太郎の娘。
外見は母親そっくりの可愛らしい幼女。
東京シュガーパークという遊園地のマスコット「シュガーちゃん」という強くて太ったウサギ(坂本太郎そっくり)がお気に入り。
「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」感想&評価
ギャグとアクションのバランスが良く、読みやすくて面白い
基本的に「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」は、無敵主人公系のギャグアクション漫画。ギャグとアクションのバランスが良いので、するする読めて面白い作品だな、というのが第一印象です。
この手の作品は、絵の下手さをギャグの勢いで誤魔化しているようなものも多いのですが、「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」は基本的な画力も水準以上です。
特にアクション描写が上手いので、読んでいてストレスを感じないというのが良いですね(いくら話が面白くても、絵が下手だとそっちが気になって集中できませんから)。
「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」は、バトル展開が盛り上がってから人気が一層高まった作品なので、単なるギャグメインの作品とはその意味でも一線を画していると言えるでしょう。
連載当初は打ち切りも囁かれたが……
実際のところ、「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」は連載当初はやや単調でどこかで見たような展開が続き、このまま埋もれて打ち切りコースかな、と噂されていた作品でした。
それが徐々に殺し屋たちとのバトル展開が盛り上がって行くと、バトル漫画にも引けを取らない描写で一気に人気が沸騰。
「次にくるマンガ大賞2021」コミックス部門9位、U-NEXT賞受賞と躍進を遂げた「ジャンプ+」一押し作品の一つとなっています。
無料公開の話も多いですから、是非是非皆さん一度読んでみてください。
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