「只野工業高校の日常」感想~工業高校あるあるを詰め込んだ日常ショートコメディ、アニメ化はされるか?~


 今回はウルトラジャンプで連載中の日常系ショートコメディ「只野工業高校の日常」について紹介したいと思います。

 日常系の漫画というと、かわいい女子4人ぐらいがワキャワキャするのが今のトレンドですが、本作の主人公たちは男。しかもタイトル通り工業高校生でヤンキー風。

 本記事では意外とかわいい工業高校生たちの生態、そして彼らの日常に潜む笑いを描きだした「只野工業高校の日常」の魅力について深掘りしていくことにしましょう。

「只野工業高校の日常」あらすじ(というか概要?)

本編(赤崎たち男子サイド)

 只野工業高校。それはとある雪国の片田舎にある、全校生徒378名中、男子333人、女子45名、機械科・自動車科・電気科・設備科の4つの学科を持つ、ありふれた工業高校です。

 多少ヤンキー風の見た目をした生徒が目立ちますが、ごくごく普通の工業高校。

 自動車科は車好きのヤンキーばかりで、毎年退学者の多数出るようですが……まあ、工業高校だと普通、らしいです(そうなの?)。

 この物語の主人公は、電気科に所属する2年生、赤崎、千堂、八坂の男子3人組。

 赤崎たちは見た目こそヤンキー風ですが、根はいい奴らで酒もタバコもやりません。

 また、バカではありますが、何故か第二種電気工事士や乙種4類といった国家資格をガッツリ取得していて、専門科目の授業は結構真面目に受けている意外性の持ち主。

 この物語はあまり知られていない工業高校の意外な一面と、よくよく知られた男子高校生のバカでかわいい生態を描いたショートコメディ作品です。

只野工業高校の女子たち(永廻たち女子サイド)

 そして赤崎たち男子サイドを本編とするなら、機械科に転向してきた女子、永廻咲を中心に描かれるガールズサイドを描いたのが「只野工業高校の女子たち」です。

 要は女子回ですね。

 永廻が転校してきた機械科はそれまで女子0人の男ばかりの学科(ヤンキーしかいない自動車科も0人)。

 まるで逆ハーレム設定ですが、別にチヤホヤされるわけではありません。
 工業高校男子は女の子慣れしていないので距離感が掴めないんですね(大事にはしてくれますよ)。

 そんな特殊な環境にある工業高校女子たちの日常を、天真爛漫というか少し天然な永廻の目線で描いたのが「只野工業高校の女子たち」。

 ちなみに、本編主人公の赤崎は永廻のことを「かわいい」と思いつつ、意外なピュアさ(チキンさ)を発揮してまともに話しかけることもできず、遠くから様子をうかがっています。


「只野工業高校の日常」主な登場人物

赤崎 眞央
本作の主人公で電気科の2年生。
外見は金髪ピアスの典型的なヤンキーだが、別に不良ではなくオシャレがしたいだけ
バカではあるがやればできる子で、既に多数の国家資格を取得している。
ただし、その理由が「国家資格って響きがかっけえ」であり、やはりバカ。
モテたいという願望は強いが、女子に対してはかなりピュアでチキン
黒髪に戻して普通のかっこうをしていれば、多分普通にイケメン。

仙堂 勝利
電気科の2年生で赤崎の友人。
外見はやや色黒で薄く顎髭を生やした強面で、実際に喧嘩がめちゃ強い。
粗暴というわけではないが、1年の時に喧嘩で停学になったこともある。
授業は大体寝ているが、金のため、バイトで役に立つなら国家資格の勉強もする。
趣味はバイクで、ゲーセンとガソリンスタンドでバイトをしている。
なお、姉には逆らえない模様

八坂 斗真
電気科の2年生で赤崎の友人。
外見は猫目で愛嬌のある優しそうな少年で、器用そうに見えてかなり不器用。
3人の中では一番の常識人だが、同時に一番のヘッポコ。
一般科目の成績は優秀だが、専門科目がサッパリで資格は落ちてばかり。
本人も言っていたが、工業高校に向いていない。
バスケ部で、最近彼女にフラれた(フラれる彼女がいるだけ勝ち組とも言える)

藤原 丞
電気科の教師で赤崎たちの担任。
もさっとした雰囲気の男性で、比較的若い。
かなり柔軟な考え方の持ち主で、校則違反にもかなりおおらか。
生徒たちの思惑を見抜いて巧みにコントロールしている。
元々電力会社に勤めていたらしい。

安藤 スバル
自動車科2年で仙堂とは同じ中学出身で仲が良い。
いわゆるイケメン枠担当で、第一回人気投票では1位に輝いた。
自動車と金への愛はとても強い。

永廻 咲
ガールズサイドの主人公であり、機械科2年に転向してきた少女。
外見はボリュームのある黒髪をポニーテールにした明るい雰囲気の美少女。
天真爛漫というより、少し天然で思考が暴走気味。
思わず世話を焼きたくなるタイプの女子で、皆から愛されている。
機械科で女子成分に飢えているせいか、他科の女子と接している時は少し変。
兄がいて昔からその遊びに付き合っていたせいか、けっこうやんちゃ。

金原 美也子
電気科の女子で、転校してきた永廻を気遣って話しかける。
外見は金髪ロングヘアのクールビューティー。
美少女にして王子様系というハイブリッドで、永廻を転校初日から虜にした。


「只野工業高校の日常」感想と評価

工業高校ってそうなの!? 本当に気軽に楽しく読めるショートコメディ

 筆者は工業高校出身ではないので、この作品を読むまで工業高校と聞くと、

「ヤンキー多そうで怖い」

 という、ありきたりなイメージしか持っていませんでした。

 しかし、危険物を扱う授業では作業服を整えて真面目に授業に取り組む赤崎たちの姿を見ると、ただそれだけでホッコリしてかわいいなぁ、と和んでしまいます。

 登場人物も良い意味でクセがなく、それでいてキチンとキャラが立っていて非常に魅力的。

 雰囲気のカッコよさとか目先のお金で動く、いかにも男子高校生らしい底の浅さとか非常に共感できますし、同じ工業高校でも科が違えば別物、他の科のことは全然知らないというところとかもリアルな感じがして良いですね。

 基本的にショートエピソードで構成された一話完結型の作品で、隙間時間に気軽に読めるところもおすすめする理由の一つ。

 読み手の年齢性別を選ばない良作と言えるでしょうね。

アニメ化はされる?

 アニメ向きの作風や人気、昨今のトレンドを考えればアニメ化されるだけのポテンシャルは十分にある作品だと思います。

 強いて課題を挙げるなら、連載速度が遅いため2021年6月時点でようやくコミックス4巻が発売されたばかり、アニメ化するには少しボリュームが少なめなところでしょうか。

 とは言え、これぐらいのボリュームでも1クールぐらいなら十分作れますし、それほど大きな問題ではないでしょう。

 日常系はストーリーをどこで区切ってもいいですしね。

 つまりいつアニメ化されてもおかしくない状況にはあるわけです。

 後はタイミング、ゴーサインが出るかどうか……アニメ化待ちの人気作は他にも多数ありますし、期待はしながら、気長に待つことにしましょう。



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