「とげとげ」感想&評価(ネタバレ注意)~今後の飛躍が期待される「ジャンプ+」の期待作~


 今回は「ジャンプ+」で連載中の「とげとげ」について、その魅力と今後の物語の予想などについて語っていきたいと思います。

 本作はまだ物語として始まったばかり。しかし画力やキャラクターの魅力、世界観など非常に高いポテンシャルを感じさせる作品であり、今後いかようにも伸びていく可能性を秘めています。
 言うなれば、『念』が出てくる前の『HUNTER✖HUNTER』を読んでいるような感じでしょうか。人気が沸騰する前に早めに読んでおくのがおすすめですよ。

「とげとげ」のあらすじ(ネタバレ注意)

 主人公の少年、藍馬 純緒(あいば すみお)は、幼いころから原因不明の難病に苦しみ、余命いくばくもない状態でした。彼には昔から、他の人には見えない、自分の頭に折れてボロボロになった『角』が見えていました

 そんな純緒の前に、ある日鬼の少女、エネミーが現れ、この世界の真実を告げます。
 角は人の生命力の証。悪人は人を傷つけ、人の角を折って自分の生命力に変えている。優しく人を傷つけることのできない純緒は、角を折られるばかりでこのままでは死んでしまう、と。

 エネミーは純緒を怒らせ、自分の角の一部を折らせて純緒の身体を治します。そして、世に蔓延る悪人の角を折って、この世の歪みを正すよう告げました。

 最初は乗り気でなかった純緒ですが、エネミーとの出会いで他人の角が見えるようになっており、彼が入院する病院の院長もまた他人の角が見える人間であること、院長が幼い子供の角を折って、それを金持ちに売って稼いでいることを知ります。

 純緒は院長から奪われた角を取り戻し、それを元の持ち主の元へと返します。そして彼は強い者の角を折り、弱い者の角を守る存在になることをエネミーに誓うのです。

 その後、純緒はあの世に行ってエンマー様(名前のツッコミは後で)から正式に「剪定者」として認められ、「尖人」と呼ばれる角の力に魅入られた存在と対決していくことになるのですが……

(今後、新たな力とか技術とか、バトルものの要素もふんだんに盛り込めそうな、実にジャンプ系らしい先の楽しみな展開ですよね!)


「とげとげ」の主な登場人物(ネタバレ注意)

藍馬 純緒(あいば すみお)
主人公。色素の薄い髪をした気弱で優しい少年。
その優しい性格ゆえに他人から傷つけられてばかりで、生命力の象徴である角がボロボロになってしまい、余命いくばくもない状態となっていた
死に近づいた結果、角やあの世の住人である鬼が見えるようになる。
鬼の少女、エネミーとの出会いを切っ掛けに生命力を取り戻し、優しく弱い者の角を強者から守る剪定者となる

エネミー
黒髪黒目の鬼の少女。
非常に勝ち気で気が強い。強い者が弱い者の角を折ってのさばる「角差社会」に不満を持っており、それを変えてくれる可能性を持つ存在として純緒を見出す
……というのは建前で、実は生前の純緒の友人で、純緒の命を救うために彼を剪定者とした。

エンマー
いわゆる閻魔様。鬼の一種で、長髪で右目に眼帯をしている。
落ち着いてはいるが、名前と一緒でとてもいい加減な性格

※鬼について
エネミー、エンマーのような鬼は、元々は人間の角だったものが自我を持った存在。それが人の形をとってあの世で角のバランスをとる仕事をしている。
かつて人の一部だったという記憶はおぼろげながらあるが、非常にあいまい。そのため、エンマー様自身も、記憶も名前もいい加減な自分に人間の善悪を図る繊細さはないと、現世に干渉する資格がないことを明言している。

(あの世の住人の微妙なへっぽこさ……幽遊白書を思い出しますね。
 流石にチームを組んでの武術会とかはないだろうけど……いやいや、角の見える金持ちもいるって設定だし、ワンチャン有るかな?)


「とげとげ」の感想と評価、こんな人におすすめ

 基本的にジャンプらしい王道ストーリーで、今後どんな方向にも伸ばしていける非常に魅力的な設定の作品です。

 まだまだ序盤ですが、おそらく今後新しい能力や設定がどんどん追加されることが予想されますので、そうした用語が出てくるたびに、読者の中二心をくすぐることは間違いないでしょうね。

 いや、私などは今の段階から設定を夢想して興奮するタイプなので、既にかなりはまっているのですが。

 少年漫画に抵抗がない方であれば、誰にでも自信を持っておすすめできる作品です。

 多少、主人公がうじうじ系なので、そういうのがちょっと、という方はおられるやもしれませんが、決して主人公もそれだけではありません。
 長い目で見れば、きっと気にならなくなるんじゃないでしょうか。

 何より、本作はまだまだこれからの作品。
 人気が沸騰する前に読み込んで、アニメ化とか人気が沸騰する直前ぐらいに周りの人に紹介したら自慢できるかもしれませんよ。

「自分は最初から面白いと思っていたんだ」

 初期から知っていた作品が人気になるって、ファンとしてはこんな嬉しいことはないですからね。


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