「とんがり帽子のアトリエ」感想&評価(ネタバレ注意)~高い画力で描かれた王道ファンタジー、アニメ化はされる?~


 今回は白浜鴎先生が月刊モーニングtwoで連載中の人気ファンタジー作品「とんがり帽子のアトリエ」について紹介したいと思います。

 この物語は、魔法にまつわる秘密を知ってしまった少女が魔法使いの弟子となり奮闘する王道ファンタジー作品。

 スピンオフ作品も描かれ、アニメ化の期待も高いこの作品の魅力について、本記事では若干のネタバレも交えて語ってまいります。

「とんがり帽子のアトリエ」あらすじ(ネタバレ注意)

あらすじ

 魔法が当たり前に存在する世界。
 主人公の少女、ココは幼い頃から魔法使いになることを夢見ていました。

 けれど魔法を使えるのは魔法使いとして生まれたほんの一握りの人たちだけ。
 普通の人間として生まれたココは魔法使いになることを諦め、母の仕立て屋を手伝っていました。

 そんなある日、仕立て屋に来た客の魔法の馬車が壊れてしまい、偶然居合わせた魔法使いのキーフリーがそれを直すことになります。

 魔法を使うところを普通の人間に見られてはならないという決まりがあったため、キーフリーはココに見張りを頼むのですが、好奇心に負けたココはキーフリーが魔法を使うところをのぞき見してしまいます

 魔法陣を描くキーフリーを見たココは、昔お祭りで買った「魔法の絵本」が魔法陣を描くお手本で、おまけに貰ったペンとインクがその道具だと気づきます。

 ココは夜中こっそり絵本の魔法陣を描いてみるのですが、その絵本に描かれていたのはなんと禁術

 それに気づいたキーフリーが止めに入りますが、発動した禁術は家ごとココの母親を石化させてしまいました。

 実は魔法は決められたルールに従えば誰にでも使えるのですが、とても危険なのでその事実を秘匿し、魔法使いにしか使えないと伝えられていたのです。

 秘密を知ったココほ本来記憶を消去されるはずだったのですが、キーフリーはココに「魔法の絵本」を売った者を追うため、ココを弟子とします。

 そうしてココは母を救うため、キーフリーのアトリエで魔法使いとして修業を始めることとなったのです。

用語解説(魔法使い、知らざる者、とんがり帽子、つばあり帽子)

魔法使い
「魔の墨」と呼ばれるインクにより「魔法陣」を描くことで魔法を使う者。
一般には魔法使いの血統に生まれた特殊な才能の持ち主にしかなれないとされているが、実際には道具と知識さえあれば誰でも魔法は使える。
旧時代の魔法使いが災いをもたらしたことから、現代では魔法の使用に関して様々な制約や禁忌が定められている。
魔法の秘密は「知らざる者」に秘匿するというのもその一つ。

知らざる者
魔法の秘密を知らない一般人に対する呼称。

とんがり帽子
魔法に関するルールを順守する一般的な魔法使い。
目印としてとんがり帽子を被っていることからそう呼ばれる。

つばあり帽
魔法に関するルールに従わない旧時代の魔法使い。
目印としてつばあり帽を被っていることからそう呼ばれる。


「とんがり帽子のアトリエ」主な登場人物(ネタバレ注意)

ココ

本作の主人公で魔法使いの弟子として修業に励む少女。

元は一般人「知らざる者」だったが、禁術によって誤って石化させてしまった母親を救うため、魔法使いの弟子となる。

外見はくすんだ金髪を肩のあたりまで伸ばした快活そうな少女。

性格は明るく前向きで、どんな時も挫けない典型的な主人公タイプ。

魔法の腕前は未熟だが、実家が仕立て屋で採寸が得意だったことから、魔法陣を真っ直ぐ描くことだけは得意。

魔法書が全て複製され所蔵されている図書の塔に挑むことを目指している。

つまあり帽からは希望の子と呼ばれているが……

キーフリー

魔法使いの青年でココの師匠。

三賢者の一人、ベルダルートの弟子でもある優秀な魔法使いだが、「大講堂」と呼ばれる魔法使いの中央組織を嫌い、地方にアトリエを構えている。

外見は灰色の髪と隠れた右目が特徴の美青年。

普段は非常に温厚だが、激情家でもあり、時々怒りを露にすることも。

幼い頃につばあり帽に記憶と右目を奪われ、それを取り戻すために活動していた。

ココを弟子に取ったのも、単なる親切心ではなく、つばあり帽の手がかりを期待してという面が大きい。

リチェリット(リチェ)

キーフリーの弟子の一人。

色素の薄いストレートの髪が特徴の少女で、普段は愛称でリチェと呼ばれる。

以前は他の場所で魔法を学んでいましたが、自分の学びたい魔法を学べず大人に対して不信感を持ち、自分の殻に閉じこもりがちになる。

非常にマイペースな性格で、自分らしい魔法に強いこだわりを持っている。

小さな魔法陣を描くのが非常に得意。

アガット

キーフリーの弟子の一人。

外見はくせのある黒髪が特徴の中性的な雰囲気の少女。

名家アークロム家の出身で、アトリエでは一番の優等生。

その分プライドが高く、初めのうちは知らざる者出身のココのことを快く思っていなかった。

物語が進むにつれて徐々にココや仲間たちにデレていく。

一族からは、他人の魔法を盗んだとされ落ちこぼれ扱いされている様子。

テティア

キーフリーの弟子の一人。

ウェーブのかかった長い髪を二つに結わえた天真爛漫な雰囲気の少女。

誰にでも親切で明るく、アトリエに来たココとも一番最初に仲良くなった。

とにかく純粋で人の喜ぶことが大好き。

一人前になったら、2つツノのとんがり帽子をデザインするのが夢なのだとか。

オルーギオ

キーフリーの親友で、アトリエの見張りの眼。

見張りの眼とは、アトリエで問題が起きないように、師の他に常駐することになっている監視役。

面倒見の良い性格で、キーフリーの事情を知ってその助けとなるべく見張りの眼となった。

外見は髭が特徴の若い精悍な青年。


「とんがり帽子のアトリエ」感想&評価

しっかりとした世界観と高い画力で描かれた王道ファンタジー

 まず印象的なのは白浜鴎先生の高い画力です。

 イラストならともかく、漫画でこのクオリティを維持できる作家さんはそうはいないんじゃないでしょうか。

 キャラクターも非常にかわいらしく特徴的で、作風が中世ファンタジーの世界観と非常にマッチしているところも良いですね。

 またストーリーも単なる少女たちの修行もの、成長物語というだけでなく、登場人物一人一人の過去や魔法そのものの秘密が複雑に絡み合う壮大なものとなっています。

 世界に対する魔法の在り方を定義する設定が、詳細かつ丁寧に散りばめられていて、世界観そのものもファンタジーとして非常に重厚。

 画力、ストーリー、世界観、全てにおいて非常にクオリティの高い王道ファンタジー作品と言えるでしょう。

アニメ化はされる? いつ?

 今のところ「とんがり帽子のアトリエ」について、公式からアニメ化に関する発表はありません

 とは言え、非常に人気の高い作品で、物語のストックも十分ですから、いつアニメ化されてもおかしくはないことは確か。

 情報が入り次第、本記事でも随時情報を更新し、紹介してまいります。



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