「アンデッドアンラック」感想(ネタバレ注意)~人気作なのに掲載順低すぎ! 面白さが説明しづらい異能力バトル~


 今回は週刊少年ジャンプで連載中の王道異能力バトル漫画「アンデッドアンラック」について紹介します。

 「アンデッドアンラック」は「次にくるマンガ大賞2020」で1位を受賞した期待作であり、非常に読者からの評価が高い作品です。ただ一方で、展開や設定は王道というかテンプレであり、作画が特別優れているというわけでもなく、どこが面白いのか説明が難しい作品でもあります。

 本記事では、ジャンプでの掲載順も何故か後ろの方で、時に打ち切りまで心配される「アンデッドアンラック」の魅力についてひも解いていきましょう。

「アンデッドアンラック」のあらすじ、設定(ネタバレ注意)

「アンデッドアンラック」のあらすじ

 皮膚接触した者に不運をもたらす「不運(アンラック)」の異能を持つ少女、出雲風子は、その異能が原因で8歳の時に両親を含めた200名以上を死なせてしまった過去を持ち、10年以上引きこもっていました。

 推しの少女漫画のラストを見届けた風子は自殺を決意するのですが、そこに現れたのが決して死ぬことがない「不死(アンデッド)」の男

 男は死ぬことができない自分を疎んで最高の死を望んでおり、自分を殺せるかもしれない風子の力に興味を持ちます。

 風子もまた、自分が触れても死ぬことのない男に安堵し、男のことをアンディ(アンデッドだから)と呼んで行動を共にするようになります。

 アンディの最高の死を求めて旅立つ2人ですが、そんな彼らの前に「否定者」を狙う謎の組織「ユニオン」が襲いかかります。
 ユニオンの刺客は強力で、足手まといの風子を抱えて絶体絶命のピンチに陥いるアンディ。

 2人はユニオンに狙われることを避けるため、ユニオンが抱える特殊チームに加入することを決意します。

 そして特殊チーム「円卓」のメンバーとして、同じ否定者たち、UMA、神、世界の謎に挑んでいくこととなるのです。

「アンデッドアンラック」の設定、用語

否定者
特定の「理」を否定することのできる異能力者の総称。
「神」と呼ばれる超越存在からある日突然その力を与えられ、否定者が死ぬとその能力は別の誰かに移動する。
能力の発動には細かな条件があり、自己を対象とするもの、他者を対象とするもの、任意発動、強制発動と多種多様。

ユニオン
否定者やUMA、古代遺物を管理する秘密組織。
否定者10名で構成された特殊チーム「円卓」が存在する。


この世界では3か月に一度、世界に理(ルール)が追加される。
「死」「病気」「性別」「言語」などは、この世界に最初からあった理ではなく、後から追加された理。
物語開始時点で98の理が追加されているが、100番目の理が追加された時点で「ラグナロク」が発生し、世界が滅ぶとされている。実際、何度もラグナロクがおきており、その度に世界はループして何度も繰り返している。
ユニオンは「黙示録(アポカリプス)」と呼ばれるアーティファクトが提示する課題をクリアし、理が追加されること、世界滅亡を防ぐことを目的としている。

UMA
いわゆる怪獣だが、この世界では単なる未確認生物と言うだけでなく、理と何らかの繋がりがあることが示唆されており、ユニオンはこれらの管理を行っている。

黙示録(アポカリプス)
顔のついた本の姿をしたアーティファクト。
円卓に10人の否定者が揃うと、課題(クエスト)を提示し、それをクリアすると「理の改変」などの報酬を得ることができる。

アンダー
否定者たちで構成された犯罪組織で、ユニオンと対立している。
世界に復讐するという目的を持っているらしいが……


「アンデッドアンラック」の主な登場人物(ネタバレ注意)

アンディ/ヴィクトール
本作の主人公の1人で、額にカードのようなものを刺した筋骨隆々の男
本名は不明で、アンディというのは風子が名付けたもの。
年齢も不明だが、少なくとも200年以上は生きている。
「不死」の否定者で、タイプは自己対象・強制発動型。
どんな手段を使っても死ぬことができず、最高の死を望んでいる。
性格は粗野で乱暴者だが義理堅い。
戦闘技術に優れ、千切れた足の高速再生を利用して超跳躍をするなど、意味不明な技術を駆使する。

額のカードは膨大な記憶を抑えるためのもので、外すとヴィクトールという別人格が現れ、外見も黒髪長髪に変貌し、能力も劇的にパワーアップする。
この世界の秘密について深く知っているようで、自身をオリジナルと言ってアンディとの交代を拒む様子を見せる。

出雲 風子(いずも ふうこ)
本作のもう1人の主人公にしてヒロイン。
「不運」の否定者で、タイプは他対象・強制発動型。
触れた者に不運をもたらしてしまうため、10年前に飛行機事故で両親を死なせてしまい、誰とも触れられない人生に嫌気がさして自殺しようとしたところ、アンディと出会う。
長時間、より広い面積が触れるほど、また相手に好意を抱くほど強烈な不運が訪れるため、作中ではしばしばアンディからセッ〇スを持ち掛けられている

ジュイス
円卓のNo.1、リーダーをつとめる金髪ロングヘアの女性。
普段は顔の上半分を仮面で隠している。
「不正義」の否定者で、タイプは他対象・任意発動。
相手の正義を否定して強制的に逆の行動をとらせることができる。
過去に何度もラグナロクとループを経験しており、世界をループと神の支配から救うことを目的としている
ヴィクトールとは旧知の仲。

シェン
円卓のNo.2、中華風の服を着た青年。
爽やかな外見と裏腹に筋骨隆々でバトルジャンキー。
「不真実」の否定者で、タイプは他対象・強制発動型。視界に入ったものに、発動時点でとろうとした行動の逆の行動をとらせることができる。
視界に相手を収める必要があるため、常に片目ごとにウインクをしている。
また、能力発動のためには相手に好意を抱いている必要があるので、案外使いにくい

タチアナ
円卓のNo.5、ロシア出身の幼女。
「不可触」の否定者で、タイプは自己対象・強制発動型。
自分の周りにUTエリアという空間が存在しており、自分以外のものを消滅させてしまう。
服を着ることも出来ず、普段は球(スフィア)とよばれる巨大なメガに入って行動している。

ビリー
円卓のNo.3で、盲目のハードボイルド風の男。
タチアナの世話係のようなことをしていて、彼女から慕われていた。
しかしその正体はアンダーのボス
「不可信」の否定者と名乗っていたが、「不公平(?)」」の否定者で、異能のコピー能力を持つ。
円卓を裏切ってアポカリプスを強奪しようとするが、失敗し姿をくらます。


「アンデッドアンラック」の感想&評価

「次にくるマンガ大賞2020」受賞、猛プッシュも本誌での掲載順は低い

 「アンデッドアンラック」は2020年8月から本誌連載が始まり、「次にくるマンガ大賞2020」を受賞した期待作で、ジャンプからも猛プッシュされています。

 読者からの評価も悪くなく、今後伸びていくだろう期待作のはずなのですが、何故かジャンプ本誌での掲載順はかなり後ろの方

 ジャンプは(どこまで本当かわかりませんが)、本誌の掲載順が読者アンケートの人気順で決まると言われていますから、あまり掲載順が悪いと打ち切りが心配されてきます。

 つまらない、面白くないという評価はほとんど聞きませんので、余計にこの掲載順の低さが不可解。一時的なものと信じたいのですが……

面白い……んだけど、どこがと聞かれると説明しづらい

 不安視される原因を敢えて挙げるなら、その面白さが言語化しづらいことでしょう。

 素直な感想として「アンデッドアンラック」は面白いです。

 しかし、どこが面白いかと聞かれると非常に困る。

 設定は王道で異能力なども特に目新しいものではなく、悪く言えばテンプレ
 登場するキャラクターも、特別際立った個性の持ち主ではありません。

 作画も少年誌の水準はクリアしていますが、特別人を惹きつけるほどでもない

 面白いし、読んで損はないと思う良作なのだけれど……その魅力が説明しづらい作品なんですよね。

 自分なりに「アンデッドアンラック」の魅力を考えてみたんですが、多分、物語の濃淡、展開のバランスが抜群に良いんですよね。

 マンガとしての構成がしっかりしているので、読者を飽きさせず、ストレスを与えない作品なんじゃないのかな、と。

 こればかりは、実際に読んでみないと分かりづらい部分だと思います。

 ジャンプ+で無料試し読みもできますし、まずは試してみていただければ。恐らく、私の言ったことが、なんとな~く、伝わるのではないでしょうか。



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