今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、物語の重要ワード「神の恩恵(ファルナ)」について解説します。
神の恩恵(ファルナ)とは作中で神々が人間に授けた恩寵。
作中で当然のように使われているものの、意外に設定が複雑で首を傾げることも多い言葉です。
本記事ではそんな今更聞けないワード「神の恩恵(ファルナ)」とは何かについて解説してまいります。
「ダンまち」神の恩恵(ファルナ)とは?
経験値を元に人の可能性を引き出す
神の恩恵(ファルナ)とは神々が人に与えた恩寵。
神の恩恵(ファルナ)を与えられた人間は恩恵を授かった時点で常人を超えた力を手にすることが出来ますが、神の恩恵(ファルナ)の本質はむしろその後の成長。
神の恩恵(ファルナ)は人間が様々なことから得られる経験値(エクセリア)を糧とし、その能力を引き上げ、魔法や特殊な力を発現させていきます。
言い換えればゲーム的なステイタスを身体に組み込むようなものですね。
下界の人間にとっては成長促進剤のようなもので、これさえあれば何でもできるといった都合の良いものではなく、成長するためには相応の経験を積み、試練を乗り越える必要があります。
基本アビリティ、発展アビリティ、スキル、魔法
神の恩恵(ファルナ)が人に与える効果は主に四つ。
①基本アビリティ
「力」「耐久」「器用」「敏捷」「魔力」の5つがあり、関連する行動をとることでその能力を向上させていく。
②発展アビリティ
LV2以降へのランクアップ時に各一度ずつ発現する可能性のある派生能力で、「耐異常」「鍛冶」など専門的な能力を強化する。
③スキル
その者の在り方を反映して発現するもっとも自由な能力。
万人が授かるものではなく、その効果も千差万別。
④魔法
一人につき最大三つまで(習得可能スロット数は1~3で人それぞれ)習得可能な魔法。ただしスキルと同様に万人が発現するものではなく、第一級冒険者でも魔法を使えない者は珍しくない。
またこの他にも神の恩恵(ファルナ)によりランクアップした者はその器が神へと近づくとされており、老化が緩やかになるといった効果もあるようです(寿命が延びるかどうかは明言されていない)。
「ダンまち」神の恩恵(ファルナ)と神々
神の恩恵とファミリア
神々は本来全知全能の存在ですが、下界に下りてきた際に一部を除いてその力を封印され、肉体的にはほとんど人と変わらない全知零能の存在となっています。
神々が力を振るえない理由は詳しく語られていませんが(恐らく神の力によって地上に悪影響がでるものと推察される。例:漆黒のモンスター)、神々が全知全能のままなら神々が全部解決すればいいので、物語的には当然と設定と言えます。
神々に許された数少ない力の行使方法が神の恩恵(ファルナ)を人に刻むというもので、基本的に神々は人々に神の恩恵(ファルナ)を与え、その見返りとして自分に協力させたり養ってもらっているイメージ。
一度神の恩恵(ファルナ)を刻んだ後も神に更新してもらわないと成長できないので、神の恩恵(ファルナ)だけもらって好き勝手するというのはできません。
そうして出来上がった神を中心とした集団をファミリアと呼びます。
神の恩恵(ファルナ)はどんな神が与えても変わりはありませんが、人々は自分のやりたいことや考え方が近いファミリアに所属するのが基本。
鍛冶師は鍛冶神に仕えてその業を学ぶのが一般的ですし、純粋に恩義から神に仕える者も珍しくありません。
神の死(送還)と改宗
神の恩恵(ファルナ)はそれを授けた神が死亡(正確には神は極めて特殊なケースでないと死なず、致命傷を受けても天界に送還される)した場合、その効力を失います。
例えばレベル5の冒険者がいたとすれば、神の恩恵(ファルナ)を授かる前の状態に戻ってしまうイメージです。
ただ神が死亡(送還)してもそれまでに詰んだ経験値が無になるわけではなく、新しい神から恩恵を授かればまたレベル5の力を取り戻せます。
先ほど失うと書きましたが、封印されると言った方がより正確ですね。
ちなみに別の神に恩恵を授かることを「改宗(コンバージョン)」と言い、一度これを行うと最低一年は再改宗できないというルールが存在します。
「ダンまち」神の恩恵(ファルナ)なしでは戦えない?
作中でオラリオの冒険者たちは皆、神の恩恵(ファルナ)を授かっていますが、人は神の恩恵無しではモンスターと戦えないのでしょうか?
これに関しては「戦える」が答え。
元々人類は、神々が地上に降臨する以前(約千年前の出来事で、それ以前を古代、以降を神時代と呼ぶ)は神の恩恵無しでモンスターと戦い続けていました。
冒険者でいうところの第一級冒険者(LV5以上)に相当する実力者も少ないながら存在していたようです。
また現代でもガレスなどは神の恩恵(ファルナ)を授かる前から普通に魔物と戦っており、神の恩恵(ファルナ)が無ければ戦えないということはありません。
「ダンまち」神の恩恵(ファルナ)と精霊の加護
古代において、一部の英雄たちは精霊の加護を得て戦っていました。
精霊とは神が地上に遣わした分身。
人型だったり馬型だったりその姿や力は様々です。
神の恩恵(ファルナ)と精霊の加護の違いは、神の恩恵(ファルナ)が経験を少しずつ力に変えるものだとすれば、精霊の加護は精霊の力をそのまま上乗せするイメージ。
精霊の加護を授かった者は、その精霊の格次第でいきなり強力な力を手に入れることができますが、強すぎる加護は当人の命を削るリスクさえ孕んでいます。
どちらが上ということはありませんが、精霊の加護と比べ神の恩恵(ファルナ)の方がよりマイルドで、可能性を秘めた力と言えそうです。
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