今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、凶悪なツガイの代表格「手長足長」について解説します。
手長足長は1200年前に左右様と当時の「封」の使い手、旅の高僧が封印した強力なツガイ。
作中では強いツガイを求めた田寺ケンが契約したものの制御できず、ユルたちに襲い掛かってきます。
それまであまり怖い印象の無かったツガイの負の側面を煮詰めたような存在。
本記事ではそんな手長足長のプロフィールや元ネタ(伝承)、その強さや登場話を中心に解説してまいります。
「黄泉のツガイ」手長足長のプロフィール

引用元:少年ガンガン
基本プロフィール
手長足長はかつて左右様と封の者、旅の高僧(多分、空海)によって封印された食人の凶悪なツガイ。
作中では強いツガイを求めていた田寺ケンによって封印を解かれてしまい、田寺のマヨイガにやってきたユルやデラたちに襲い掛かってきました。
外見は手と足が異常に長い巨人。
ハゲ頭で白目しかなく、とにかく凶悪そうな容貌をしています。
性格は残虐で下劣。
人を食うタイプのツガイで、特に子供の肉が大好きという典型的な怪物です。
元ネタは東北中心に伝承のある巨人(妖)
手長足長の元ネタは東北地方を中心に様々な伝説や昔話に登場する巨人です。
ただの妖怪ではなく、神や神仙としての側面も持つ強大な存在として描かれています。
「黄泉のツガイ」に登場する手長足長は、その中でも福島県に伝わる伝承が元になっていて、病悩山(やもうさん、磐梯山の古名)の頂上に棲みつき、会津の空を雲で覆って農作物が育たない状態にしてしまった悪い巨人。
その地を偶然訪れた旅の僧侶が手長足長を山頂に封印し、磐梯明神として祀ったことで、病悩山は磐梯山と呼ばれるようになったのだとか。
そしてこの旅の僧侶こそが、修行中の空海だったとされています。
「黄泉のツガイ」手長足長の過去
手長足長は元ネタと同様、1200年前に悪さんばかりを繰り返し、磐梯山に封印されていました。
封印したのは当時の「封」の者と左右様、そして旅の高僧(多分、空海)。
この錚々たるメンツが封印にあたっているのですから、相当な大物であることが伝わってきますね。
手長足長は自分を封印した左右様や旅の高僧に強い恨みを持っており、同時に「封」の者の力を恐れ今でも警戒しています。
「黄泉のツガイ」手長足長の強さ(能力)
手長足長は作中でもトップクラスの実力を持つツガイです。
その能力はそれぞれ手足が自在に伸びるというシンプルなものですが、基本的なパワーと頑丈さが桁外れ。
その攻撃は人体程度容易く貫通し、身体も拳銃程度は跳ね返してしまいます(ライフル弾は流石に効く)。
左右様でさえ二対二の戦い(ツガイなので)では長い手足に拘束され、翻弄されて劣勢を強いられていました(左右様も頑丈なのでダメージはほとんどありませんでしたが)。
「黄泉のツガイ」手長足長と田寺ケン(主)
引用元:『黄泉のツガイ』公式
手長足長がどれほど強力であっても、ツガイである以上、主がいなくては行動できません。
手長足長の主は田寺ケン。
田寺ケンはデラの異母弟で、母が亡くなり、父は行方不明となっていた彼は、強いツガイを求めて手長足長の封印を解き契約します。
しかし手長足長は主の言うことなど全く聞かず悪さを繰り返すばかり。
これ以上手長足長に悪さをさせてはいけないと、仕方なく田寺ケンは田寺のマヨイガに引きこもっていました。
手長足長も主がいなくては行動できないため、田寺ケンを攻撃することだけはなく、彼と一緒にマヨイガの中に閉じこもっていましたが……
「黄泉のツガイ」手長足長の登場話
手長足長の登場話は12~14話。
武器を補充し、影森の追手を始末するために田寺のマヨイガに立ち寄ったデラとユルたち。
彼らはそこで運悪く、ケンに連れられマヨイガに閉じこもっていた手長足長と遭遇し、襲撃を受けてしまいます。
強力な手長足長に終始圧倒されるユルたち。
しかし自分が「封」の者であることを明かしたユルが囮となって手長足長を引き付け、その隙に左右様とデラが手長足長を急襲。
最終的に手長足長は倒され、その場には本尊である手足のミイラだけが残されていました。
コメント