「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」感想~人気ストーリーをネタバレ・あらすじ付で解説~


 今回は2018年に映画オリジナルストーリーとして公開され、その後小説化、漫画化もされた人気作「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」について紹介します。

 デッドアップルは映画らしい急展開のストーリーながら、文豪ストレイドッグスの核心に触れる要素有り、尊い人間関係有りと、本編に引けを取らない良作。

 本記事ではあらすじやネタバレも含めて、この作品の魅力と評価を語らせていただきます。

「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」とは

映画に始まり、小説化、漫画化もされたオリジナルストーリー

 「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」は元々、完全オリジナルストーリーの劇場版アニメとして2018年3月に映画公開された作品です。

 その直後に小説版、そして漫画コミックス第1巻も発売されていますが、あくまでこの作品のオリジナルは映画。
 ストーリーにも映画向けだなと思われる演出が多数盛り込まれています。

 漫画版はヤングエースUPで現在(2021年7月時点)も連載中で、コミックスは第3巻まで発売されています。

時系列、見る(読む)順番は?

 ではこの「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」の時系列はどのようになっているのでしょうか?

 この作品の制作発表があったのは2017年2月のアニメ第2期終了後。
 「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」はアニメ第2期と第3期の間に起きた事件、という位置付けになっています。

 要は、組合(ギルド)との抗争にケリがついたタイミングですね。

 本編のネタバレ的なものはありませんから、見る(読む)順番はあまり気にしないでいいとは思います。

 まあ、武装探偵社とポートマフィアの主要人物ぐらいは知っていないとついて行けませんから、やっぱりアニメ第2期あたりまでは先に見ていた方がいいでしょうけどね(言うまでもないかな?)。


「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」あらすじ

謎の霧と「異能力者連続自殺事件」を追う武装探偵社(ネタバレ注意)

 ことの発端は6年前、数多の組織を巻き込み多数の犠牲者を出した「龍頭抗争」

 当時ポートマフィアに所属していた太宰治と中原中也は抗争の原因となった一人の男を追っていました。
 現場に踏み込んだ二人が見たものは、宝石を数える白髪の男と、仲間の死体。

 激怒した中也が異能を解放し、回想は終了。現代へと物語は移ります。

 

 武装探偵社は内務省異能特務課の依頼で、ある事件を追っていました。

 それは世界各地で濃い霧が発生すると同時に、異能者が自らの異能によって死亡するというもの。
 その異様な有様から、事件は「異能力者連続自殺事件」と名付けられていました。

 武装探偵社は自分たちの安全のためにも事件を追っていたのですが、諜報員から情報を得ようとした国木田たちが見たものは、諜報員の死体とナイフの刺さったリンゴ。

 そしてその夜、霧の悪夢にうなされ目を覚ます中島敦。彼を心配する泉鏡花も、霧の夢を見たと言います。

 二人が窓を開けると、ヨコハマの街は濃い霧に包まれていました

 一先ず武装探偵社に向かう二人でしたが、途中で虎が襲い掛かってきます。
 そこに国木田が合流、虎の正体は敦の異能が分離、具現化したものだと言います。

 「異能力者連続自殺事件」の真相は、異能者が分離した自分の異能に殺されるというものだったのですね。

 何とか探偵社に辿り着き、内務省異能特務課の坂口安吾と通信を繋いだ三人。
 坂口はヨコハマの街が霧に覆われ一般人が消失してしまっていること、事件の首謀者は澁澤龍彦という男であり、澁澤のもとには太宰の姿があることを伝えます。


過去の因縁と真相(ネタバレ注意)

 国木田たちが異能を食い止め、その隙に澁澤のもとに向かう敦と鏡花。

 その途中で、二人は同じく澁澤を追う芥川龍之介と出会います。普段は敵対している敦と芥川でしたが、緊急時と言うことでしぶしぶ矛を収め、共闘することを決めます。

 そこに襲い掛かってくる三人の異能。敦たちは激闘の末、それぞれ異能についている宝石を破壊し、自らの異能を取り戻すことに成功します。

 

 その頃、首謀者とされていた澁澤のもとには、太宰とフョードル・ドストエフスキーの姿がありました。

 霧により異能力者を殺害していたのは澁澤でしたが、それを操っていたのは実はフョードル。

 澁澤は異能を結晶化した宝石の中で、ある特別な輝きを放つ宝石を探していました。
 そしてフョードルはそんな澁澤の力を利用して大量の異能を集め、特異点を発生させて街を混乱に陥れようとしていたのです。

 そのフョードルの目的のために必要だったのが、太宰の持つ異能無効化能力。
 先にネタバレすると、太宰は事件を解決するため敵に協力するふりをして懐に潜り込んでいたのです。

 そしてフョードルの狙い通り特異点は発生し、巨大な龍が誕生します。

 同時に、不要となった太宰は毒ナイフで刺され、龍の中へ取り込まれてしまいます。

 一方で澁澤は誕生したそれが探していた宝石ではなかったことにショックを受け、その隙にフョードルに首を切り裂かれてしまいます。

 実は澁澤は既に死亡しており、異能によって動いていただけだったのです。

 して澁澤が探していた宝石の持ち主が敦。かつて澁澤は敦を実験体としていたことがあり、その際に暴走した敦の異能によって殺されていたんです。

 

 誕生した龍を倒すため、送り込まれたのが中原中也でした。

 中也は強大な龍に「汚濁」を使用して対抗します。太宰の異能無効化能力がなければコントロールできず死に至る能力を限界まで行使した中也は龍を撃破し、囚われていた太宰を救出します。

 そして、予め解毒薬を飲んでいて無事だった太宰によって、中也も「汚辱」を解かれて無事。

 互いのことを理解し、信頼していたからこそできた行動でした。

 

 しかしフョードルの狙いはそこで終わりではなく、今度は澁澤の頭蓋に特異点としての力を与え、復活させます。

 復活した澁澤は、敦の異能、その結晶化した宝石を狙って強大な力をふるいます。

 最後は鏡花と芥川とも協力し、敦が澁澤を撃破
 霧は晴れ、ヨコハマの街に朝が訪れエンディングへ。


「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」感想

本編との矛盾なく差し込まれた、映画らしい展開の速いストーリー

 オリジナルストーリーというと、どうしても本編の設定と矛盾や違和感を生じやすいものですが、「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」は大きな矛盾がなく、比較的違和感なく受け入れられた作品でした。

 特異点とかの設定には少しやり過ぎかなと思う部分はありましたが、そこは映画。
 お祭り騒ぎみたいなものですから、多少はやむを得ないでしょうね。

 映画という限られた枠の中で表現することを前提としていますから、ストーリー展開も非常に速いです。

 キャラクターとかの深掘りは本編で済ませているという前提あってのことでしょうね。

 メインとなるキャラクターも明確に絞られていたので、脇役になってしまったキャラクターは少し不憫でしたね。

敦、太宰、中也それぞれの信頼が尊い良作

 そうした事情を踏まえてこの作品の感想を述べるなら、映画と言う限られた枠の中で「文豪ストレイドッグス」の魅力を十全に引き出した良作、といったところでしょうか。

 この場合の魅力とは、登場人物同士の信頼です。

 太宰はいつものように敵の懐に飛び込み、裏切ったかのような行動をとっていましたが、それは周囲への信頼あってこその行動。

 敦たちなら打ち勝ってくれる、中也なら自分を信じて戦ってくれる。

 そういう信頼関係あっての行動、ストーリーは、非常に文豪ストレイドッグスらしくて良いな、と。

 本編に決して劣らぬ良作であることは、保証します。



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