今回は「ジャンプ+」で連載中のダークファンタジー「ケントゥリア」より、物語の鍵を握る超越存在「海の神」について解説します。
「海の神」とはクトゥルフに出てくるようなタコ足を持つ異形の超越存在。
ユリアンと契約して加護と異能を与え、ディアナを娘と呼んでいますが、その正体についてはほとんど謎のままです。
作中では至高き君との関係も示唆されている「海の神」。
本記事ではそんな超越存在の概要と謎、関係者を中心に解説してまいります。
「ケントゥリア」海の神とは?
「海の神」あるいは「海」とはクトゥルフ神話に出てくるようなタコ足を持つ異形の超越存在。
奴隷100人の命と真の愛を失うこと(=ミラの犠牲)を対価にユリアンと契約し、海の加護と異能を与えています。
その目的や行動原理については不明。
人間臭い一面をのぞかせることもありますが、基本的には人とは精神構造の異なる人外で相互理解は不可能です。
普段は魔の海域と呼ばれるアロード海に潜んでおり、無数の海魔を従えています。
「ケントゥリア」海の神の加護と異能
「海の神」は契約した者に「加護」と「異能」を与えます。
この「加護」と「異能」は別物で、まず「加護」は超越存在と契約した者にのみ与えられるもので、一言で言うなら超強力な環境バフ。
ユリアンの例で言えば「海」の中では無敵の力を得るというもののようですが、まだまだ分からないところの多い力です。
一方「異能」とは超越存在と契約した者、あるいはその血族に発現する力。
ユリアンで言えば生贄に捧げられた奴隷100人分の身体能力と命のストックを持つ「百人力」がそれにあたり、発現する「異能」は契約した超越存在の性質とはあまり関係がないようです。
「ケントゥリア」海の神と森の神
この世界には「海の神」以外にも類似する複数の超越存在が存在しています。
その一つが「森」あるいは「森の神」。
「海」と「森」は敵対関係にあるようで、「海」の加護を得たユリアンとディアナが陸地に上がった際には、「森」の眷属たちが「海」が侵略してきたと考え、襲い掛かってきていました。
ただ今のところ襲撃はその一度きりで、領域を侵せば攻撃はするものの、普段から積極的に戦争をしているような関係でもないようです。
ちなみに作中の登場人物では、ルーカスが「森の神」と何らか関りがあることが示唆されています。
「ケントゥリア」海の神とユリアン
引用元:暗森透(X)
「海の神」は契約者であるユリアンのことを「愛する息子」と呼び、気にかけています。
ただユリアンの前でミラの姿をとったりと、人の心を理解できず地雷ばかり踏んでいるため、ユリアンからは普通に嫌われています。
何を企んでいるのか分からないのでユリアンが気を許す理由もありませんしね。
そもそも何故「海の神」が第1話でユリアンたちの窮地に現れ、契約したのかも不明。
「海の神」の言葉を額面通りに受け取るならば、偶然奴隷100人が生贄として捧げられ、「真の愛」を持つ契約者としての資格をユリアン(とミラ)が持っていたから、ということになるのでしょうが、後述するディアナの存在を考えると「海の神」には何か別の狙いがあるように思われます。
「ケントゥリア」海の神とディアナ
引用元:暗森透(X)
「海の神」はユリアンが契約した際、その場にいたミラの娘であるディアナを「愛しき娘」と呼んでいます。
当時ディアナは「海の神」と契約した描写はありませんが、ただその腕には契約者であるユリアンと同じ傷痕のような模様が浮かんでいました。
ミラという母親を失ったディアナもユリアンと同様に契約する資格は持っており、本人が自覚していないだけで実は彼女も「海の神」と契約しているのかもしれません。
加えて、ディアナは後述する「至高き君」を殺し国を焼く「予言の子」とされており、山羊のような謎の存在と心臓を共有する物語のキーマン。
そもそも生まれからして特別な存在だった可能性があり、「海の神」がユリアンと契約したのも、ディアナの存在があったからなのかもしれません。
「ケントゥリア」海の神と至高き君
ユリアンたちが流れ着きアンヴァルが仕えていた国の王は「至高き君」と呼ばれ、かつて「海の神」と契約し人知を超えた力で数百年に渡って国を治めてきた賢君。
この「海の神」というのがユリアンが契約した存在と同一かは明言されていませんが、「至高き君」の部下である予言者エルストリが魔の海域などの単語に反応していたことを考えると、同一存在と考えてまず間違いないでしょう。
「至高き君」は「海の神」が愛娘と呼ぶディアナに殺されるとの予言があり、もしそうだとすれば「海の神」の契約者同士で殺し合いをするということになります。
そのことを一体「海の神」はどのように思っているのか、そもそも「海の神」と「至高き君」はどういった関係なのか……この辺りが物語の鍵をになりそうですね。
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