「ふたりソロキャンプ」の感想~一部でうざい、気持ち悪いと言われる理由は?~


 今回はイブニングで連載中の「ふたりソロキャンプ」について紹介します。
 タイトルを読んで「ふたりだとソロじゃないじゃん」とツッコんだあなた。そのご意見は正しいです。何せ物語の中で主人公も同じことをツッコんでいますから。

 タイトルだけでなく内容も至る所で非常にツッコミどころ満載の漫画ですが、それを補って余りあるほどキャンプや食についての描写が細やかで魅力的
 作者の出端祐大先生自身が、漫画家には珍しいゴリゴリのアウトドア系でキャンパー(ついでにサバイバルゲーマー)ですから、その実体験に基づいたものなのでしょう。

 キャンプ好きの方もそうでない方も、読んでいてキャンプっていいなぁ、そう思える作品です。

ふたりソロキャンプのあらすじ(ネタバレ注意)

 主人公の厳は孤独を楽しむベテランソロキャンパー。彼がいつものように焚火を前に一人でキャンプを楽しんでいると、何故か自分の焚火の前にお尻を丸出しにした少女の姿が。

 少女の名前は雫。雫は初心者キャンパーで川に落ちて水に濡れていたところに厳の焚火を見つけ、服を乾かしていたと言います。
 孤独を愛する厳は、雫を追い出して一人きりの空間を取り戻そうとしますが、テントも道具もない雫は厳を「襲おうとしたって人に言いますよ」と脅して助けを求めます

 嫌々ながら雫の面倒を見る厳。雫はそこで厳の語るソロキャンプの魅力に触れることになります。そして自分が一人でソロキャンプをできるようになるまで面倒を見てくれと弟子入りを志願、奇妙な「ふたりソロキャンプ」が始まるのです

 ソロキャンプを通じで互いの距離を縮めていく巌と雫。特に雫は男性として巌を意識するようになっていき……

(夜の景色や食の描写、それらが本当にキャンプの魅力を余すことなく伝えてくれる物語です)


ふたりソロキャンプの主な登場人物

樹乃倉 巌(きのくら げん)
主人公で34歳の男。ベテランソロキャンパーで当初は雫のことを嫌っていたが、徐々に彼女のことを認めていく。幼いころにキャンプ場で父親を亡くしている
ソロキャンパーだからではないが、社交性はあまり高くなく、キャンプ初心者で初対面の雫に対して自身のキャンプに対するこだわりを語ってマウントを取るような一幕も。

草野 雫(くさの しずく)
20歳でこの作品のヒロイン。外見は巨乳で太い眉が特徴的。
純粋で人懐っこい少女である一方、鬱陶しさを感じさせるほど図々しい一面も
初登場の際、屋外で服を脱ぐのは無警戒極まりなく、その後の「襲おうとしたって人に言いますよ」発言も含め、読者から数々のツッコミがあった。様々な手段で厳を脅し、厳の弟子のポジションに居座ることとなる。

(二人とも結構アク強めですが、キャンプという少し地味目のテーマを扱う以上、キャラクターのインパクトは必要不可欠……でもないか。ゆるキャンの例もあるし。まあ、この作品のテーマには二人のキャラクター性が必要だったということで)

滝川 彰人(たきがわ あきひと)
巌の高校時代からの親友でソロキャンプ仲間。
長髪のチャラそうな雰囲気の男で、実際に初対面の雫に「おっぱい大きいね」と発言するなど、中身も見た目相応。
ただし、人の心の機微には敏感で、作中では気遣いの人でもある。

大空 さや(おおぞら さや)
雫の友人で、黒髪の落ち着いた雰囲気の少女。
無鉄砲な雫のことを心配しており、過保護な姉のように振舞う。

火野 瑞希(ひの みずき)
雫の友人で、短髪でボーイッシュな雰囲気の少女。
しばしば厳と雫の関係をからっている。

芹澤 花夏(せりざわ かな)
厳と彰人の高校時代の同級生で厳の元カノ
付き合っていたのは高校卒業後だが、すれ違いにより別れ、彼女は海外に渡っていた。
久々に日本に戻ってくるが、本人に巌とヨリを戻す意思はなく、純粋に巌のことを心配していた。



ふたりソロキャンプは読む人を選ぶ? うざい、気持ち悪いという感想も。

 この作品はキャンプやキャンプ飯の描写が非常に魅力的で先が楽しみな作品である一方、厳と雫のキャラクターに「気持ち悪い」という感想を抱く人も多いようです。感想の多くは「それでも話は面白いから読むけどね」と続くので、本当の意味で嫌っている人は少ないのでしょうが。

 気持ち悪いという理由ですが、厳の場合はそのキャラクターのアクの強さ。キャンプに対するこだわりが強すぎて鬱陶しいと感じる人が多いようです。

 まあ、キャラ立てのためにそうなるのは仕方ありませんし、何より本来なら厳は一人誰にも迷惑をかけずソロキャンプを楽しんでいたはずですから、文句を言われるのはかわいそうですよね(笑)。

 雫の場合、登場時の無警戒なエピソードやその後の脅し、厳が眠っている間に免許証を盗み見て身元を探ったりしたことが、読者の反感を買っているようです。

 確かにやっていることは犯罪スレスレですが……う~ん、しかし雫がこういう図々しいキャラクターでなければ厳に弟子入りすることはできなかったでしょうし、物語のためにはやむを得なかったのかな?

 まあ最終的には厳もふたりソロキャンプを楽しんでいますし、雫を責めても……ねぇ?

 こんな風に色々と読者から突っ込まれてはいますが、それでもこうして連載が続き、根強いファンがいること自体、この漫画が魅力的な作品だという証拠なのかもしれませんね。


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