リィンカーネーションの花弁「ヒトラー」~その誇り、ポルポトとの最期~

 さて今回はマグコミで連載中の「リィンカーネーションの花弁」における屈指の人気キャラ「ヒトラー」について紹介したいと思います。

 以前に作中最強キャラ「項羽」について紹介しましたが、ヒトラーはその仲間であり配下。主人公に敵対する勢力のキャラクターです。
 また悪役かよ、と思われるかもしれませんが、このリィンカーネーションの花弁は、敵対するキャラクターが本当に魅力的なんです。
 そのポリシーと矜持、そして散り際まで、ただの悪役では終わらない彼らがいるからこそ、リィンカーネーションの花弁という作品は皆さんに愛されているのだと思います。

リィンカーネーションの花弁、「ヒトラー」のプロフィールと性別

 リィンカーネーションの花弁は、自らの首を切ることで前世の才能を得ることができる「輪廻の枝」によって、過去の偉人・罪人の才能(=異能力)を得た「廻り者」と呼ばれる者たちが繰り広げるバトル漫画です。

 その中でヒトラーは「項羽」率いる罪人格の廻り者たちの集団「罪人軍」の幹部、五虎将の一人という立場です。普段は理性的ですが、項羽が攻撃された時などは酷く感情的な一面を見せることもありました。

 同じく五虎将の一人である「ポルポト」と常にコンビを組んで行動しており、罪人軍における頭脳、諜報などを主に担当しています。

 なお史実のヒトラーは男性ですが、この作品におけるヒトラーの外見は一見すると可憐な少女。作者の小西幹久先生は読者からの性別についての質問に対し「ヒトラーは性別不詳です。好きに考察してください」と回答しています。ですので私はここで、希望を込めてヒトラーは女性であると断言しておきましょう。


リィンカーネーションの花弁、ヒトラーの才能とその能力

 リィンカーネーションの花弁では廻り者たちは、前世にちなんだ特殊な才能(=異能力)を有しており、ヒトラーも例外ではありません。

才能
視線を合致させたものの心底がわかる。
「掌握者(エニグマ)」
自身の印である鍵十字に接触している生物の視覚や聴覚をシェアできる。

 少しわかりづらいですね。具体的にヒトラーがこの才能をどのように活用していたかというと、様々な生き物に鍵十字を刻み、その生物の介しての情報収集を主に行っていました。その上、視線を合わせれば心の内まで分かるのですから、情報戦ではほとんど無敵ですよね。

 この才能を当初ヒトラーは「全知」と称して、主人公たちを混乱させていました。ある意味もっとも集団戦に特化した才能であり、実にヒトラーらしい能力だと言えるかもしれません、

 一方で、ヒトラーには戦闘能力がほとんどなく、それどころか足が不自由で普段の移動さえ相棒のポルポトに依存している状態。とは言え、その相棒のポルポトの戦闘能力は凄まじく、ヒトラーという頭脳とあいまって、まさに鬼に金棒でした。

 史実を見ても、ヒトラーの個人戦闘能力が高いなんてのは違和感がありますし、この設定は素直に納得ですね。


リィンカーネーションの花弁、ヒトラー、ポルポトとともに死亡(ネタバレ注意)

 ヒトラーはポルポトとともに主人公の仲間たちを何人も倒し、そしてアインシュタイン、ニュートンの二人の偉人と対峙します。
 ヒトラーたちがただ敵を殺すつもりであれば、アインシュタインたちはヒトラーたちに敗れ去っていたでしょう。けれど戦いの中でヒトラーはアインシュタインたちの人間性を認め、引き分けだと宣言して戦いから手を引きます。

「人間は殺さない」「僕らが殺めるのはあくまで『偉人を騙る者』『花弁に呑まれた者』」

 そう言って、ヒトラーたちはポルポトの才能「腐食果実」によって自死を選びます。最期まで颯爽とした態度で「健闘を祈る」そう言い残して。

 自らの死に場所を求め、颯爽と人生を駆け抜けたその姿は、敵でありながら強く読者の心に残るものでした。
 敵にしておくには惜しい、けれど敵が彼らのような人間で良かった。矛盾しているけれどそんな風に思ってしまう、ヒトラーとはそんなキャラクターです。


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