今回は漫画アプリ「マンガワン」で連載中の女子裏格闘技運営物語「一勝千金」について解説します。
「一勝千金」は「ダンベル何キロ持てる？」の原作・作画コンビが贈る女子専門の裏格闘技団体を描いた物語です。
単に格闘技で勝った負けたではない運営目線の作品で、しかも団体のメインを張る選手はテロリスト疑惑のかかったヤベー少女。
通常の格闘技ものとは一味も二味も違った作品となっています。
本記事では「一勝千金」のあらすじや登場人物の解説を交えつつ、この作品の魅力について語ってまいります。
「一勝千金」あらすじ
地味なファイトで裏格闘団体をクビになった無職の格闘家・天馬希望。
問題行動で暴力団対策課から少年課に異動させられた汚職警察官・伊織いちか。
親の死で無理やり弱小貧乏暴力団を継がされた神宮寺組組長・美谷はな。
学生時代からの腐れ縁で、今やそれぞれの業界で負け犬としてくすぶっていた三人は、それぞれが抱える問題を解決するため、ある日「女子専門裏格闘技団体」を立ち上げることを思いつきます。
初回興行はそれなりの成功を収めたものの、華が無く、このままではスグに飽きられてしまうだろうと考えた天馬希望。
そこで彼女たちは、ヤクザ組長・美谷はなの伝手で興行としてのハコを整え、その上でカリスマとなる強烈な選手をスカウトすることを思いつきます。
そこで伊織いちかの口から出た候補者の名前こそが本郷姫奈。
三年前、化学兵器を使ったテロを計画していた過激カルト宗教「神の軍勢」教祖の養女だった女子高生です。
テロそのものは実行直前、教祖の突然死により白紙に。
しかし実は彼女こそがテロを企てた主犯ではないかとも疑われており、警察からも危険視されている「日本一危険な女子高生」です。
三人は本郷姫奈を団体の花形選手としてスカウトすべく、強引な手段で接触。
本郷姫奈は元「表」の格闘家だった天馬希望の実力に興味を持ち、その紹介なら面白い相手と戦えるのではとスカウトに応諾します。
そうして正式に旗揚げされた裏格闘団体「戦乙女（ヴァルキュリア）」。
団体の運営は順調かと思われましたが、この本郷姫奈、想像以上にヤバいヤバい。
テロ組織が残した化学兵器の存在を匂わせたり、密かに同志を探しているフシがあったりと、もう完璧にクロです。
この少女を引き込んだのは果たして成功だったのか失敗だったのか……
「一勝千金」主な登場人物
本郷姫奈（ほんごうひな）
裏格闘団体「戦乙女」の花形選手としてスカウトされた17歳の少女。
旧姓「高橋姫奈」。
三年前、化学兵器を使ったテロを計画していたカルト宗教組織「神の軍勢」の教祖・高橋超源の養女。
彼女は国家転覆の尖兵となるべく教祖にあらゆる戦闘スキルを叩きこまれて育ったものの、教祖の突然死によりテロは白紙に。
今は裕福な養父母に引き取られお嬢様学校に通っている。
一見、ヤバい父親の被害者に思えるが、教祖が武力蜂起を主張しだしたのは彼女を養女にしてからであり、一部には彼女こそがテロ計画の主犯だったのではと目されている。
「神の軍勢」の化学兵器の一部が行方不明となっており、それを彼女が持ち出したとされているなど、国家レベルの危険人物。
技術と経験で自分の予想を超えてきた天馬希望を気に入っており、彼女なら遊びに付き合ってもいいかなと「戦乙女」に参加する。
「戦乙女」内では「革命姫」の異名で呼ばれており、興行では「革命の時間だよー」「革命大成功」などのセリフを多用している。
天馬希望（てんまのぞみ）
裏格闘団体「戦乙女」の興行を仕切る格闘家の女性。
年齢は27歳。
元々「表」の格闘団体で活躍するプロだったが、網膜剥離により「表」を引退。
その後「裏」団体で格闘家を続けていたものの、地味なファイトで人気が出ずクビに。
無職となり、一発逆転の手段として不良少女たちを使った裏格闘団体の設立を思いつく。
本人は謙遜しているが格闘家としての実力は本物であり、化け物である本郷姫奈が強い興味を抱くほど。
伊織いちか（いおりいちか）
天馬希望の小学校時代からの腐れ縁で「戦乙女」の運営に携わる女性。
元は暴力団対策課の剛腕警察官だったが、問題行動により少年課に異動となり、飼い殺し状態に。
元の部署に戻るため「戦乙女」を利用して不良少女たちをコントロールしようとする。
押収品の横流しなども平気で行う汚職警察官。
「戦乙女」では警察官の伝手を使ったヤバい対戦相手のマッチングや警察に取り締まられないための手引きなどを行っている。
美谷はな（みたにはな）
天馬希望の中学時代からの友人で「戦乙女」の運営に携わる女性。
独立系暴力団・神宮寺組前組長が愛人に産ませた娘で、社会人1年目（ホステス）に父親が急死。
半ば無理やり弱小組を継がされた気の毒な京風女性。
組員は減る一方でお金に困っており、「戦乙女」を新たな収益源とする。
「戦乙女」ではヤクザの伝手を使って会場やコンパニオンの手配などを担当している。
「一勝千金」感想＆評価
裏格闘家？ テロリスト？
読んでみての第一印象は、格闘技ものというよりは裏格闘団体の運営目線での物語。
そこに本郷姫奈という正体不明の怪物が混ざり合い、もはや格闘技なのかテロリストが力を蓄えるための物語なのか分からなくなってるな～、というもの。
面白いのは間違いなく面白いのですが、序盤ということもあって何が話の軸なのかまだまだ見えてきませんね。
今のところは団体の運営がメインですが、本郷姫奈の目的や正体が不明なので、どこまでテロリストネタがぶっこまれるのか、これからの展開が楽しみな作品です。
こんな人におススメ
「ダンベル何キロ持てる」のコンビの新作ということもあり、ストーリー・作画共に読みやすくてクオリティも良好。
男女問わず気軽に読める作品です。
一方でリアリティのある本格的な団体運営や格闘モノを期待している方にはあまり向いていません。
要は良くも悪くも「ダンベル」の作者が描いている作品ということですね。
あちらと比べるとギャク要素は少なめですが、「ダンベル」に拒否感の無い方であれば、まず読んで間違いのない作品と言えるでしょう。
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