今回は「ゲッサン」で連載中のニュータイプ理系女子コメディー「あそこではたらくムスブさん」について解説します。
この作品はゴム製品製造会社のコンドーム部門で働く美女・ムスブさんと、彼女に振り回される砂上くんの恋模様を描いた作品。
決してエッチな内容ではなく、相模ゴム工業株式会社協力の下、「医療機器」であるコンドーム製造に携わる人々の姿を描いた真面目なお仕事ものでもあります。
本記事では「あそこではたらくムスブさん」のあらすじや登場人物の解説をまじえつつ、その魅力を深掘りしてみたいと思います。
「あそこではたらくムスブさん」あらすじ
物語の舞台はゴム製品全般を製造している湘南ゴム工業株式会社。
その営業企画室に所属する青年・砂上吾郎は配置替えで総合開発部と関わることになり、密かに胸を高鳴らせていました。
その理由は総合開発部に一目惚れし密かに片思いしていた女性がいたから。
女性の名前は結(むすぶ)さん。
担当初日、挨拶の後でムスブさんからコンドームの試作品を渡され、良かったら使って感想を聞かせてくださいと言われた砂上くん。
ムスブさんの仕事はなんとコンドームの研究開発だったのです。
ムスブさんは至極真面目に、医療機器であるコンドームの研究開発を行っていたのですが、好きな女性からコンドームについての話をされて砂上くんが冷静でいられるわけがなく、いつも彼女の言動に振り回されることになります。
そして実はムスブさんはコンドームに携わっていながら男性と付き合った経験がない生粋の箱入り娘であったことが判明。
砂上くんは余計にムスブさんにどう接していいものか戸惑うことになります。
ジレジレとした関係を続けながらもあくまで誠実に少しずつ距離を詰めて行く二人。
そして砂上くんからムスブさんへの告白、返事の保留期間を経て、二人は正式に付き合うことに。
しかし実際に自社製品を使うような関係になるにはまだまだ時間がかかりそうで……
「あそこではたらくムスブさん」主な登場人物
近藤結(こんどう むすぶ)
本作のヒロイン。
総合開発部に所属する研究者で年齢は26歳。
砂上くん曰く「儚げで透明感のある、それでいて芯の強さも感じられる」美女。
性格は真面目でクールに見えて結構天然。
生粋の箱入り娘であり、男性と付き合ったことがない。
父親が彼女を溺愛しており、未だ実家暮らしで片道3時間かけて通勤している。
学生時代は演劇部、休日はよく父親とゴルフに行っている。
砂上吾郎(さがみ ごろう)
本作の主人公の一人。
営業企画室に所属する24歳の真面目な青年。
入社した時から社内でたまに見かけるムスブさんに一目惚れし、密かに片思いしていた。
いわゆる典型的な「いい人」でありヘタレ。
かなり「早い」方らしく、女性関係にあまり自信が持てていない。
刑部尽(おさかべ じん)
ムスブさんと同じ総合開発部に所属するもう一人の研究者。
目つきは悪いものの、ノリが良く話しやすい男性。
距離感が非常に近く、砂上くんを気に入っている。
富山千春(とみやま ちはる)
ムスブさんの上司で総合開発部の課長。
眼鏡で額の後退した人の好さそうな雰囲気の中年男性。
坂下宏行(さかした ひろゆき)
砂上くんの上司で営業企画室の課長。
落ち着いた雰囲気の中にエネルギッシュさを感じさせる中年男性。
市橋清美(いちはし きよみ)
営業企画室のデザイナー。
タラコ唇で人の好さそうなおばちゃん。
「あそこではたらくムスブさん」感想&評価
相模ゴム工業株式会社協力の真面目な(?)ラブコメ
取り扱うテーマの一つが「コンドーム」というセンシティブな内容だけに、エッチな内容のラブコメなのかな、と思っていましたが蓋を開けてみればかなり真面目な内容。
もちろん美女が「コンドーム」の商品開発をしている時点で傍から見れば猥談でしかないのですが、当の本人たちはいたって真剣です。
むしろ女性がそういう商品に関わっている分、周囲の男性たちもいかがわしい雰囲気を出さないよう徹底している印象がありますね。
リアルの大手コンドームメーカー「相模ゴム工業株式会社」が取材協力しているだけあって、コンドームの医療機器としての側面がしっかり描かれています。
まあ、使用者のニーズに沿った商品開発をする上でどうしたってエッチな部分に触れざるを得ませんし、慣れない砂上くんたちは戸惑いっぱなしですが、そうした開発と一般の感性のギャップみたいな部分が良い味を出していました。
こんな人におススメ
内容的に少年漫画と青年漫画の丁度中間。
コンドーム関連を除けばエッチな内容はほとんどないピュアなラブコメなので、女性が読んでも楽しめる内容なのではないかな、と思います。
逆にエッチな内容を期待していた男性には少し物足りないかもしれません。
まあ、個人的にはちょいちょい突っ込まれるコンドームの豆知識だけで意外と満たされていますが。
絵もきれいで可愛いし、話も簡潔で分かりやすいので、シンプルにラブコメとして良作と言えるでしょう。
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