今回は「ジャンプ+」の話題の柴犬地縛霊漫画「シバつき物件」について解説します。
この作品は柴犬の地縛霊が棲みついた事故物件に越してきた女子高生と、柴犬地縛霊むうちゃんの交流を描いたハートフルコメディ。
可愛らしくもリアリティのある柴犬描写が話題の作品です。
本記事ではあらすじや登場人物の解説を踏まえ、その魅力を語ってみたいと思います。
「シバつき物件」あらすじ
高校を転校する為、新築ながら家賃4800円と格安のアパート・メゾンシーバに引っ越してきた女子高生の百瀬氷。
メゾンシーバが格安の理由は霊が出る事故物件だから、というものでしたが、百瀬氷は「こわい」とか「きもい」という気持ちが分からないホラー音痴。
幽霊なんて平気と内見に訪れた彼女でしたが、そこにいたのは霊は霊でも柴犬の地縛霊。
通称「ジバ犬」と呼ばれるものたちでした。
百瀬氷が住む予定の101号室に棲みついていたのは「むうちゃん」というマイペースで我儘なジバ犬が一匹。
他の部屋にはもっとたくさんのジバ犬が棲みついています。
実はこのメゾンシーバは悪徳柴犬ブリーダーの飼育所で、そこで死んだ柴犬たちが地縛霊となってアパートに棲みついていたのです。
幽霊は平気でも犬に苦手意識があった百瀬氷は入居を取りやめようとしますが、ジバ犬たちは可愛がり過ぎると未練を亡くして成仏するという話を聞き、「むうちゃん」を可愛がってすぐに成仏させてやろうとします。
しかしその目論見は上手くいかず、逆に彼女は「むうちゃん」の可愛さに絆されてしまうことに……
「シバつき物件」主な登場人物
百瀬氷(ももせこおり)
本作の主人公でホラー音痴の17歳女子高生。
一見無表情なクール系女子で「こわい」とか「きもい」とかの感情が理解できず人間関係が苦手。
前の高校ではそれが原因でトラブルを起こして逆恨みし、高校を転校することに。
新しい高校は選択授業制で横の繋がりが希薄な学校を選んだ模様。
自己肯定感が低め。
裁縫と数学が得意。
むうちゃん
本作のもう一人の主人公で百瀬氷が入居した101号室に棲みついているジバ犬。
変顔が得意で我儘で気ままな、ある意味典型的な柴犬。
入居当初は百瀬氷に懐かなかったが、それは彼女が蛇の悪霊に憑りつかれていたためだった。
他のジバ犬たちと同様言葉をしゃべれる。
やけに行動力があり、本来ジバ犬たちは部屋から出られない筈なのに想いが高まると突発的に部屋の外に飛び出たりする。
大家和子(おおやかずこ)
メゾンシーバの大家さん。
人の良さそうな老婆で、柴犬好き。
本人の部屋にもジバ犬が棲みついている。
柴井温(しばいめぐみ)
メゾンシーバに棲む20歳の青年。
とにかく犬好きで愛情が深く、部屋には7匹のジバ犬が棲みついている。
真田一徹(さなだいってつ)
メゾンシーバに棲む28歳の青年。
ヤンキー風で頭に「柴」の文字を刈り込みを入れており、部屋には29匹もの子犬のジバ犬が棲みついている。
パン屋で働いているが、パン作りは下手糞。
酒森宵子(さかもりよいこ)
メゾンシーバに棲む35歳OL。
普段はバリキャリ風OLだが、OFFモードは酒好きでだらしないお姉さん。
部屋には癖の強い2匹のジバ犬(だらしない、哲学的)が棲みついている。
花園夢(はなぞのゆめ)
メゾンシーバに棲むお面を被った女性。
お面の下は可愛らしい女性で、お面は人間恐怖症のジバ犬を怯えさせないために被っている。
むうちゃんがハマっている「よいこズ」の作者で絵本作家兼アニメーター。
部屋にはしっかり者の現(うつつ)と人間恐怖症の光(ひかり)の2匹のジバ犬が棲みついており、現を姉、光を妹と呼んでいる。
引山レイジ(ひきやまれいじ)
霊を引き寄せる体質の19歳青年で孤高の8弦ギタリスト。
ハスキー背後霊のキリに7年も憑りつかれており、そのせいで普通の物件に入居できずメゾンシーバに転居してきた。
ムーンハイ・真夜(むーんはい・まよ)
第一話で百瀬氷に憑りついていた悪霊「五頭蛇」を祓った霊媒師の女性。
定期的に便利系お助けキャラとして登場する。
「シバつき物件」感想&評価
柴犬の表情がリアルで魅力的
「柴犬の地縛霊=ジバ犬」との同居生活という設定に関しては、正直「ふ~ん、なるほどな」と特段の驚きや感動はなし。
ただ、柴犬(特にむうちゃん)の表情や生態に関しては非常にリアルで「おお!」と唸ってしまうものがあります。
漫画らしくデフォルメされているのですが、作者の大森えす先生が実際に柴犬を飼っていたというだけあり、本当にうまい感じに柴犬の特徴を掴んでいる印象です。
顔の崩れ方とか、マイペースで我儘なところとか、これぞ柴犬という感じ。
単なるかわいい忠犬ではない「らしさ」が丁寧に描かれた作品です。
こんな人におススメ
言うまでもないことですが柴犬を飼っていたことがある人は読みましょう。
間違いないです。
後、絵柄や人間模様含め、リアリティとデフォルメのバランスが絶妙。
読み応えを残しつつ、ストレスなくするする読めるお話なので、空き時間にちょっとというより、休日とかまとまった時間にゆっくり読める方におススメです。
コメント