今回はワールドトリガーから、シューター(射手)の花形「合成弾」について紹介します。
合成弾は作中での使用回数こそそれほど多くないものの、物語の要所要所で効果的に使用され、読者からはいわゆる「必殺技」として認知されている人気の高い技術。
この記事では具体的に合成弾とはいかなるものか、その種類、使い手、そして効果的な使い方などについて解説していきます。
ワールドトリガー「合成弾」って何?
天才シューター出水公平が編み出した「2種の弾を合成する技術」
合成弾とは、2種類の弾丸トリガーを組み合わせて、複数の効果を持たせた特殊な弾を生み出す技術です。
そもそもボーダーのノーマルトリガーには次の4種類の弾丸トリガーが存在しています(詳しくはこちらのノーマルトリガー一覧の記事をご覧ください)。
・アステロイド(通常弾)……威力重視
・ハウンド(誘導弾/追尾弾)……自動追尾機能
・メテオラ(炸裂弾)……広範囲爆弾
・バイパー(変化弾)……弾道を自由に設定可
この4種類から2種類を組み合わせて複数の効果を持つ強力な弾を生み出すわけですが、当然デメリットもあります。
まず、メイン・サブ両方のトリガーを使用するため、使用中は防御ができません。
また、大量のトリオンを消費する上に、合成にはかなりの時間がかかってしまいます(天才の出水で2秒、最弱の修で1分ぐらい)。
更に言うなら、習得、コントロール自体が非常に難しいというのもありますね。
修が習得を希望した際、出水が「アレはつえ―けど、素人が使うと隙だらけだぜ」と教えませんでしたから、単に覚えれば強くなれるという技術でもないようです。
ちなみにこの合成弾、ボーダーのエンジニアが開発したものではなく、天才シューター出水公平が生み出したもの。
何となく思いつきでやったらできたそうで、出水が「天才肌」「弾バカ」と呼ばれる所以となっています。
ガンナー(銃手)でも使えるの?
作中で合成弾を使用しているのは、直接トリオンの弾丸を撃ちだすシューター(射手)ばかりですが、同じ弾丸トリガーを扱うガンナー(銃手)は合成弾を使えないのでしょうか?
これに関しては、BBF(ファンブック)において「設定すれば撃てる」と説明があります。
ただし、その銃は「合成弾しか撃てない銃」になるらしく、今のところ作中で合成弾を使用しているガンナーは登場していません。
また、使用にはメイン・サブ両方のトリガーが必要なのか、それとも片方の銃だけで良いのか、合成には都度時間がかかるのかなど、詳しい説明は全くありません。
恐らく、使用者がいないことから見ても、ガンナーが使用する場合はかなりの制約がかかると考えるべきなのでしょうね。
ワールドトリガー「合成弾」の種類一覧(判明分)
ギムレット(「アステロイド」✖「アステロイド」)
同じ種類の弾丸を組み合わせると、その効果が増幅されます。
ギムレットは威力重視の通常弾を組み合わせた高い貫通力を持つ徹甲弾です。
作中では主に、装甲の厚い特殊なトリオン兵を倒すために、出水や二宮が使用しています。
弾丸トリガ―は「弾速」と「射程」にトリオンを割り振っているため、近接専用のブレードトリガーと比べ「威力」が低めとなっていますが、これはそれを効果的に補う合成弾と言えるでしょう。
トマホーク(「バイパー」✖「メテオラ」)
軌道を自由に操れる炸裂弾。作中での使用回数も多く、合成弾と言えばこれをイメージする方も多いのではないでしょうか。
複雑な軌道を描く上に、攻撃範囲も広いので回避も困難。対人戦での奇襲に良く使われています。
ただし、ベースとなるバイパー(変化弾)を自在に操ること難しいため、使い手は出水や那須といったバイパーの名手に限られています。
ホーネット(「ハウンド」✖「ハウンド」)
ホーネットはハウンド(追尾弾)の追尾能力を増幅した合成弾です。
通常のハウンドでは曲がり切れないような角度で、より鋭く敵を追い詰めることが可能となっています。
使いどころがかなり限定されるため、作中では二宮がランク戦ラウンド8で一度使用しているだけ。かなりレアな合成弾のようです。
サラマンダー(「メテオラ」✖「ハウンド」)
追尾能力を持った炸裂弾。トマホークのハウンドバージョンと言ったところでしょうか。
作中では二宮、蔵内が使用しており、合成さえしてしまえばコントロールも使いどころも難しくないため、恐らく一番使い勝手の良い合成弾と言えるでしょう。
コブラ(「アステロイド」✖「バイパー」)
今のことろ存在のみが明かされている合成弾です。
恐らく、バイパーの威力が強化されたものだと思われますが……
ワールドトリガー「合成弾」の使い手、その使い方
出水、二宮、那須、蔵内……上位シューター(加古は除く)は大体使える?
基本的にシューター(射手)はガンナー(銃手)と比べて立ち回りが難しいため、その人数はかなり少なめです。
シューター自体に相応の能力とセンスが求められるわけですね。
そのため、合成弾は高等技術とは言われていますが、上位のシューターは練度の差はあれ、ほとんど合成弾を使用することが可能です。
例外はA級6位の加古とB級生駒隊の水上ぐらいでしょうか。
加古は合成弾を使おうと思えば使えるのかもしれませんが、サブにしか弾丸トリガーを入れていない珍しいシューター(オールラウンダー志望)なので、トリガー構成的に合成弾が使えません。
水上は、もし使えたらアステロイドと称してメテオラを撃つような小技を使わないでしょうから、多分使えないでしょうね。
……三雲修? はっw
「合成弾」は基本的には奇襲技、通常の弾丸トリガーの方が優れている部分も多い
さて、このように強力かつシューター界隈では必須技能と化している合成弾ですが、出水が修へ教えることをやんわり断ったように、ただ使えれば強くなれる技術ではありません。
そもそも合成弾は、決して通常の弾丸トリガーの上位互換ではないのです。
B級ランク戦第3ラウンドで、那須のトマホークを別役がバイパーと比べて「弾が遅い」と見抜いたことから分かるように、トマホークはバイパーと比較して速度が劣っています。
恐らく、合成弾は複数の効果を持たせた分だけ、それぞれの特性・効果は通常の弾丸トリガーよりも劣っているのではないでしょうか。
ギムレットのように同じ種類の弾丸を組み合わせたものはその限りではないかもしれませんが、単純に威力を求めるだけなら「アステロイド✖2」によるフルアタックで十分。
手数や使い勝手はギムレットより上ですしね。
ギムレットはあくまで、高い装甲、シールドを一気に貫通するための技といった印象を受けます。
ここから考えるに、合成弾の本領は恐らく「奇襲」にあるのではないでしょうか。
通常の弾丸トリガーと見せかけて、特殊な変化を持たせて不意を撃つ。この奇襲には通常弾ならシールドで防御できると思っている相手をギムレットで撃ち抜くことなども含まれます。
つまり合成弾はあくまで手札の一つ。単体ではなく、他の手札や戦術と組み合わせてこそ、真に効果を発揮する技術なのです。
合成弾が高等技術と呼ばれる理由は、単なる合成やコントロールの難しさではなく、こうした使いこなし方にこそあるのかもしれませんね。
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