今回は山口つばさ先生が「アフタヌーン」で連載中の青春アートストーリー「ブルーピリオド」から、藝大油画科の教授「槻木蛇目(つきのきじゃのめ)」について解説します。
槻木教授は藝大編における八虎たちの担当教授の一人。
美術の知識も経験も足りない藝大入学直後の八虎を辛口講評で追い詰め、読者からヘイトを買うことの多い人物です。
ただ言葉足らずなため厭味に聞こえますが、発言をよくよく聞けば言っている内容自体は案外マトモ。
本記事ではそんな八虎と相性最悪・槻木教授のプロフィールや作中での活躍を中心に解説してまいります。
「ブルーピリオド」槻木教授のプロフィール
基本プロフィール
誕生日 | 不明 |
年齢 | 不明 |
身長 | 不明 |
所属 | 東京藝術大学教授(油画) |
声優 | ー |
槻木蛇目(つきのきじゃのめ)はコミックス7巻から始まる藝大編で登場したキャラクター。
八虎たちが1年生の時の三人の担当教授の一人です。
外見は色素の薄い髪をロン毛にした細身で不健康そうな中年男性。
いかにも芸術家肌のマイペースな人物で、口数が足りず高圧的な印象を与えることが多いですが、よくよく見れば案外気さくで面白いおじさんです。
1年生の時の教授トリオは盧生教授が面倒見の良いバランス型、猫屋敷教授が口出ししすぎて拗れるタイプ、槻木教授は言葉が足りな過ぎて生徒を追い詰めるタイプで、槻木教授は教授トリオの中でも特に読者からヘイトを買うことの多い存在でした。
具体的な専攻は不明だが古いタイプの教授?
槻木教授は油画の教授ということ以外情報がなく、具体的に何を専攻してどんな作品を手掛けているのかは分かっていません。
ただ周辺情報から探っていくと、22話の二次試験の際に八虎たちの代の受験を担当したのは槻木教授だろうと大葉先生が予想しており、受験では「自画像」「ヌード」と古典的なテーマを取り上げていました。
また個展の作品を見た高橋世田介曰く「自分より下手」。
二年の時は八雲が課題の二人展の相手として槻木教授を選んでいました。
これらの情報からすると、恐らくはオーソドックスな油画を取り扱う古いタイプの教授と予想されます。
「ブルーピリオド」槻木教授は辛口?
辛口というより言葉が足りない
槻木教授は藝大入学直後の八虎に度々厳しい言葉を投げかけた教授です。
その言葉の一例を挙げると、
「君はさあ コレから先どういう作品作っていきたいの?」
「これ絵画でやる意味ある?」
「油絵の具で 平面で 手仕事で このテーマをやる必要性とか考えたことある?」
この突き放すような言葉に、藝大に入学して周囲とのレベルの差にショックを受けていた八虎はどんどん追い詰められていきました。
ただ槻木教授に八虎を追い詰めるような意図は全くなく、言っていることもよくよく聞けば辛口というより単純に言葉足らずなだけ。
八虎(と読者)がその話についていけないから余計に突き放すような印象を与えていた形です。
言っていること自体は案外普通
例えば槻木教授の「これ絵画でやる意味ある?」という言葉は、課題の自画像に取り組んでいた八虎に向けたものですが、八虎は何故そんなことを言われるのか理解できません。
彼は油画科の専攻だからと何も考えず油絵を描いていましたが、槻木教授の言いたかったのは「表現の手段としてそれが本当に適切なのか?」ということでした。
何故油絵を描くのか、そこにきちんと理由があるかを問うているわけです。
これは別に絵画に限った話ではなく、仕事や研究分野でも同じ話。
周りや前の人がこのデータを使ってこのやり方でやっていたので真似しましたではなく、それが本当に最適な手法かきちんと考えた上で取り組みなさいという話ですね。
ただ槻木教授はその辺り「分かって当然」として話をしているので言葉が足らず、今時の教育機関で(というか会社でも)こんなことを言えばすぐに問題にされてしまうでしょうけど。
「ブルーピリオド」槻木教授と八虎
藝大入学直後の八虎は槻木教授にボコボコにされています。
槻木教授にそんなつもりはないのですが、八虎の知識や経験が足りないこともあり、言葉足らずな槻木教授の言動にドンドン追い詰められていました。
自画像を描いていたら「何で油画でやってんの?(意訳)」と聞かれて迷走し、展示を失敗したらシンプルに「ひどいね講評しなくていい?」とスルーされてしまいます。
教育者としては問題かもしれませんが、作品は展示して形にしてこそ。
槻木教授だけが問題があるというよりは、八虎のレベルが追いついておらず、噛み合っていないというのが正確なところでしょう。
後に八虎は猫屋敷教授の指導により槻木教授の言葉の意図を理解することになるのですが、それはそれとして槻木教授は言葉が足りないと一連の出来事をずっと根に持っている様子がうかがえます。
「ブルーピリオド」槻木教授は身体が弱い
槻木教授は見た目通りの虚弱体質です。
低血圧で朝起きられず、研究室の隅でよく膝を抱えて寝ており、接待のご飯で胃もたれ。
そのせいかどうかは分かりませんが、一年時の旅行では八雲が作った野草カレーがヘルシーでお気に入りでした。
藝大編二年目は腰痛が原因で八虎たちの担当から外れており、何となく悪いイメージのまま物語からフェードアウトしてしまっています。
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