今回は「ジャンプ+」で連載中の「ふつうの軽音部」より、主人公が尊敬する先輩「新田 たまき(にった たまき)」について解説します。
新田たまきは軽音部の副部長(46話で引退済)。
明るく華やかで歌も上手い理想的な美少女ですが、過去には人間関係で苦悩し、軽音部を辞めようと思ったこともあるそうです。
しかし最高のイケメンフレンド喜田大志の支えもあって立ち直り、軽音部でやりたい音楽をやり切ることができました。
本記事ではそんな新田たまきのプロフィールや過去(初恋)、人間関係を中心に解説してまいります。
「ふつうの軽音部」新田たまきのプロフィール
基本プロフィール
新田たまきは主人公の鳩野ちひろが通う谷九高等学校の二歳年上の先輩で、軽音部の副部長を務めていた少女です(46話で引退済)。
誕生日は7月7日。
はなやかな雰囲気の美少女で「性的カスタマーズ」というバンドのギターボーカルを担当しています。
鳩野たち後輩から慕われる人格者ですが、見た目に反して笑い上戸で笑いのツボが変。
「ちんちん電車」という言葉を初めて聞いた時には、笑い過ぎて39度の高熱を出したそうです。
ネーミングセンスも独特で、自分たちの「性的カスターマーズ」というバンド名をつけたのもたまき先輩で、鳩野たちのバンド名に「少子化対策」を提案したこともあります。
東京出身で高校入学に合わせて大阪に引っ越してきたため標準語。
学業成績は非常によく、大学は指定校推薦で余裕なのだそうです。
軽音部の副部長
たまき先輩は軽音部の副部長。
第2話の新入生歓迎会では新入生そっちのけで銀杏BOYZの「あいどんわなだい」を熱唱し、鳩野を若干引かせていました。
ただその存在感と実力は軽音部の三年の中では図抜けており、引退ライブではトリを務めています。
副部長として悩み相談に乗ることも多く、部員たちからの信望も厚いです。
「ふつうの軽音部」新田たまきの初恋
たまき先輩は非常にモテて男子からよく告白されていますが全て断っています。
作中では元々男子が苦手であったことが明かされており、同性愛者の気があることが示唆されています。
そんなたまき先輩の初恋は中学校の頃の家庭教師の「ひかり先生」。
ひかり先生はギターが趣味で、たまき先輩がギターを始め軽音部に入ったのもひかり先生が切っ掛け。
たまき先輩は銀杏BOYZ、サンボマスター、フラワーカンパニーズなどを好んでいますが、元々はこれもひかり先生の影響です。
たまき先輩は告白などはせず、淡い憧れを抱いたまま大阪に引っ越し。
高校入学後、久しぶりに東京に行った際、ひかり先生と再会しますが、ひかり先生は大学時代から付き合っていた恋人との結婚が決まっていて、たまき先輩の初恋はあっさりと幕を下ろしてしまいました。
「ふつうの軽音部」新田たまきの過去
たまき先輩は軽音部に入部した当初はボーカルではなくギター。
仲良くなった坂口夏帆をボーカルに、女子四人でガールズバンドを組んでいました。
しかしカラオケに行った際、夏帆よりたまき先輩の方が歌が上手いという話になり、少しずつ歯車が狂い始めることに。
さらに同じ軽音部で夏帆の友人で彼女が片思いする喜田大志がたまき先輩に好意を寄せていることが判明し、精神的に追い詰められた夏帆は軽音部を辞め、最終的に通信制の高校に移ってしまいます。
バンドは解散し、残る二人のメンバーは嫉妬からか「たまきが夏帆に嫌がらせをした」と根も葉もない噂を流し部を去っていきました。
その後たまき先輩は喜田からバンドに誘われますが、音楽を続ける意味を見失っていた彼女は一度はそれを断ります。
しかし東京にいってひかり先生と再会し、失恋したことが切っ掛けで改めて自分のやりたい音楽をやろうと決意。
喜田に「何の意味もないかもしれないけど 私がやりたい音楽を一緒にやってほしい」と頼み、バンド「性的カスタマーズ」を結成したのでした。
「ふつうの軽音部」新田たまきの人間関係
彼女を慕う後輩たち
人柄の良いたまき先輩は軽音部の後輩たちからとても慕われています。
特に「陰の者」である鳩野は先輩と仲良くなって親しくしてもらうという経験自体が初めてだったため、無茶苦茶たまき先輩に懐いていますね。
また2年生でたまき先輩引退後、副部長となる鶴亜沙加は熱烈にたまき先輩を信奉する一人。
鶴亜沙加は一年生の時に色々やらかしてしまい、部活を辞めたいどころか死にたいとまで思って落ち込んでいましたが、たまき先輩の励まして持ち直しています。
そのため鶴亜沙加はたまき先輩の引退ライブでは滂沱の涙を流し、たまき先輩から引き継いだ軽音部を盛り立てるべく張り切っていますが……たまき先輩からは逆に暴走を心配され、敢えて部長ではなく副部長に任命されていました。
最高のイケメン(親友)喜田大志
たまき先輩の物語を語る上で欠かせないのが、彼女の同級生で「性的カスタマーズ」のギターを務める喜田大志です。
元々喜田はたまき先輩に好意を抱いていましたが(今も?)、たまき先輩がそういう関係を望んでいないことを察し、自身の想いを封印。
純粋に彼女の友人としてバンド結成を持ちかけました。
男子が苦手なたまき先輩が男子と普通に話せるようになったのは、こうした喜田の気遣いがあったからこそです。
44話では二人のとても尊い関係性が描かれており、たまき先輩と喜田が二人きりで帰っている際、喜田が突然「たまき…俺実は前から…」と切り出し、告白されるのかと身構えるたまき先輩。
しかし喜田は突然、自分がご当地アイドルにハマっていることを宣言し、「何の告白!?」とたまき先輩は呆気にとられます。
喜田はそのまま、
「だから今は学校で彼女とか作る気全然なくて…バンドも忙しくなりそうやしな」
「まあ本気出したらいつでも彼女作れるけどな」
「俺 イケメンやし」
と暗に告白するつもりはないと伝えてたまき先輩を気遣い、安心させたのでした。
「喜田くん……ありがとう」
「お礼言われるようなことした?」
「……してないね」
このやりとりは、個人的にこの作品で一番エモいシーンですね。
「ふつうの軽音部」新田たまきと軽音部
41~45話には新田たまきの物語がギュッと凝縮されています。
たまき先輩は失恋や一年生の時のすれ違いなどを経て、自分のやりたい音楽をやりきり、文化祭後夜祭の引退ライブのトリをかざることを目標に軽音部を続けてきました。
彼女は見事にその目標を達成し、最後の舞台で自分の感情をすべてさらけ出して熱唱します。
その姿は躓いた旧友、坂口夏帆に前を向かせるきっかけを作りました。
その姿は鳩野たちにいつか同じステージに立ちたいという夢を抱かせました。
銀杏BOYZ「エンジェルベイビー」の歌詞と合わさって、彼女たちの三年間を象徴するようなステージとなっていました。
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