今回は山田ヒツジ先生が「水曜日のシリウス」で連載中の、家事万能巨大猫とズボラOLの日常を描いた「デキる猫は今日も憂鬱」について紹介します。
この作品は人間よりデカくすくすく育った二足歩行可能な家事万能猫の諭吉が、外面は完璧ながら家ではズボラでダメ人間なOL幸来の面倒を見ながら過ごす日常を描いたちょっと不思議な物語。
OLが猫を飼っているのか、猫がOLの世話をしているのか、互いのちょっとズレた関係が面白い良作です。
本記事ではあらすじ(エピソード抜粋)や登場人物のネタバレも交えながら、その魅力について語ってまいります。
「デキる猫は今日も憂鬱」あらすじ(ネタバレ注意)
1巻、2巻(エピソード抜粋)
主人公のOL幸来(さく)は昼休み、会社のパソコンで猫がいったいどこまで大きくなるものなのかを調べていました。
それを見た後輩のゆりは、猫を飼うと婚期が遅れる、飼いきれなくなったら自分の実家で引き取れるからとアドバイスをして去っていきます。
普通なら「飼いきれなくなる」ってこともあるんだよね、と思う幸来。
そんな幸来が家に帰るとエプロン姿で二足歩行する人より大きな黒猫、諭吉がお出迎え。
そう、幸来は飼い猫諭吉の異常な成長を疑問に思って調べていたんです。
諭吉はただ大きなだけでなく、家事万能で料理やお風呂、果てはお弁当やおつまみまで作ってくれる万能猫。
諭吉の存在を疑問には思いつつ、幸来は今日も諭吉にお世話され、甘やかされて過ごすのです。
とはいえ、諭吉の存在が人に知られたら不味い事ぐらいは幸来にも分かっています。
何とか隠さなければと思うのですが、諭吉はそんなことに無頓着で堂々と割烹着姿で二足歩行しながら外を闊歩(いや、堂々としてれば着ぐるみとしか思われないものですね)。
だけど幸来は会社の部長やその姪の優芽ちゃんと諭吉がニアミスしていつも冷や冷やしっぱなし、二人(?)のギャップが面白いです。
3巻、4巻、5巻(エピソード抜粋)
幸来は会社では意外にも優秀なデキるOL。
仕事だけでなく、役員のアルハラ飲み会でもみんなの盾として大活躍です。
しかもそんな飲み会の次の日でも仕事には一切支障をきたさず涼しい顔で、周囲から称賛される幸来。
しかし、それも全て諭吉の献身的なお世話あってこそでした。
シジミ汁、クレンジング、むくみ対策、消臭、フェイスパック、マッサージetc……会社での幸来の外面は諭吉の努力の賜物だったのです。
家での幸来は典型的なダメ人間です。
日曜日、サザエさんが始まる頃になると「奴が来る、月曜が来る~!」と絶叫。
働きたくないとごねて発狂する幸来に、諭吉はその都度自分の肉球を押し付けて宥めます。
そんな諭吉の努力の甲斐あって、月曜日の幸来は周囲がブルーモードの中、一人颯爽とお仕事モードなのでした。
そして年末には諭吉とともに実家に帰省。
地元の人たちはあっさりと諭吉のことを受け入れていました。
幸来の意外な過去が明らかとなり、それにニヤニヤする諭吉。
積もった雪に喜んで大はしゃぎする諭吉(猫だよね? 犬じゃないよね?)。
二人(?)の意外な一面を見ることができ、少し目頭が熱くなるようなお話でした。
「デキる猫は今日も憂鬱」主な登場人物(ネタバレ注意)
福澤 幸来(ふくざわ さく)
本作の主人公で諭吉の飼い主。
具体的な年齢は不明だがまだ若く、外見は黒髪ポニーテールのスッキリした顔立ちで、仕事中はブルーライトカットのメガネをしている。
家では非常に自堕落でズボラ、一から十まで諭吉にお世話されているダメ人間。
一方で諭吉のサポートの甲斐あってか外面は完璧で、会社では隙のないデキる女と評価されている。
基本スペックは非常に高く、意外にも武術に長けている。
反面、自己評価が異常に低く、諭吉と暮らす前はいつも周囲の顔色を窺ってオドオドしていた。
普通にかなりモテるが、所謂鈍感系主人公なため男の影は一切ない。
諭吉 (ゆきち)
本作のもう一人の主人公で幸来の飼い猫。
二足歩行する人より大きな黒猫で、非常に賢く家の家事全般を担って幸来の世話をしている。
元々は普通の子猫だったが、3年前に幸来に拾われ一緒に過ごすようになってからすくすくと成長し、家事どころかダメOLのケアやDIYまで華麗にこなす万能猫となった。
どう考えても一般に存在が知られたらまずいUMAだが、諭吉本人はそれに頓着せず割烹着姿で街を闊歩し買い物などをし、周囲に受け入れられている。
堂々としていれば着ぐるみとしか思われないらしい。
幸来に対しては普段はオカンのごとく厳しく接しているが、根はただのツンデレなので少し褒められたり喜ばれるとあっさり掌を返して甘やかす。
イライラすると通帳の残高を見て心を落ち着かせるらしい。
柴咲 ゆり(しばさき ゆり)
幸来の会社の後輩。
ゆるくまいたロングヘアのマイペースな女性。
幸来のことを非常に慕っていて、自分に無頓着な幸来に何かとちょっかいをかけてくる。
実は以前、痴漢に遭っていたところを幸来に助けられ、幸来に憧れて今の会社に就職したという経歴の持ち主。
尾代 (おしろ)
幸来の会社の先輩。
外に跳ねたショートカットが特徴の女性で、幸来やゆりと仲が良く、しばしば3人で行動している。
会社に入った頃のオドオドした幸来を知っているため、(諭吉のおかげで)デキる女になった今の幸来を見て安心している。
部長/織塚 馨(おりづか かおる)
幸来の会社の部長。
まだ32歳と若く、クールなイケメン風のいかにもなデキる男。
以前、まだ会社に入ったばかりの幸来が泥酔ている場面に出くわし、彼女を家まで送り届けてゴミ屋敷の様だった幸来の家と子猫だった諭吉を目撃している。
今の幸来のことは高く評価しており、飼い始めた猫が良い影響を及ぼしたのだろうと、ある意味で正しい推測をしている。
優芽 (ゆめ)
部長の姪っ子。
まだ3歳の可愛らしい少女で、シッター役として呼び出された幸来と知り合い、懐いている。
まさしく天使のような少女であり、幸来の側も見事に心を奪われている。
店長
諭吉が良く通っているスーパーの店長。
外見はごく普通の中年男性。
諭吉の存在に一切動揺を見せない大の猫好き。
諭吉が来る日は売り上げが上がるらしく、むしろ諭吉を店員として雇いたいらしい。
「デキる猫は今日も憂鬱」感想
これは猫っていうか……オカン? 嫁さん?(♂だけど)
読んだ感想は……猫っていうか、猫の姿をしたオカン? それとも嫁さんか……♂なので女性から見た理想の彼氏みたいなイメージなのか。
猫っていう印象は正直薄いですね。
いや、もちろん諭吉はかわいいんですけど、一般的な猫に抱くイメージとか魅力とは違って、「諭吉」っていう生き物そのものの魅力といいますか。
とにかく欲しい。一家に一匹(?)、こんな猫がいたら人生楽しいでしょうね。
いや、諭吉のためにもう一匹(?)ぐらいお嫁さんがいてもいいですよ。
自分が飼っているのは犬で、ゴリゴリの犬派なんですが、諭吉みたいな猫ならありかな、と。
幸来も最初は印象の薄い普通のOLだったんですが、過去とかが明らかになってくるにつれてどんどん可愛く思えてきて非常に良いです。
諭吉が幸来に拾われて彼女のために大きくなっていくところとか、少しうるっとします。
多分、諭吉がいる限り幸来は普通の男じゃ満足できないでしょうから(言い方)、結婚は諦めて諭吉と出来る限り永く暮らしていって欲しいですね。
アニメ化はされる? いつ?
今のところ「デキる猫は今日も憂鬱」に関して公式からアニメ化の話は聞こえてきません。
人気の面はクリアしていますし、内容的にも全く問題はありません。
まだ話のストックが少し少ないかな、という印象はありますが、先日コミックス5巻が発売され、そろそろかな、と。
ストーリー的に山場に持ってこれそうなエピソードもいくつかありますので、そろそろアニメ化の話が持ち上がっておかしくはないじゃないかと思っています。
時期的には、早くて2022年の終盤から2023年ぐらいでしょうか。
また何か情報が入り次第、本記事も随時更新してまいります。
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