【推しの子】伏線&考察(まとめ・随時更新)~アクアたちの父親(犯人)やタイトルの【】、インタビューの意味など~

 今回は原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの豪華タッグがヤングジャンプで連載中の人気作【推しの子】において、作中で散りばめられた伏線や謎について考察していきます。

 【推しの子】は芸能界を舞台にした「お仕事もの」であると同時に、アクアとルビーが自分たちの父親(=母を殺した犯人)を捜すサスペンス作品。

 そのため作中では物語序盤から大掛かりな伏線がいくつも仕掛けられています。

 本記事では物語をより一層楽しむ為、これまでの主要な伏線・謎を整理し、その意図などを考察してまいります。

【推しの子】タイトルの【】の意味は?

【】は意図的に二重にしている

 【推しの子】はタイトルからして伏線が隠されています。

 この作品は【】(すみつき括弧)まで含めて正式タイトル。

 しかもその【】が実は二重になっています。

 赤坂先生のインタビュー記事では、タイトルについて次のように触れられていました。

「意図的に二重にしていて、作中の演出で使用するプランはあります」

 つまり原作者お墨付きの伏線なわけです。

 今のところ【】の意味は不明ですが、【推しの子】というタイトルには二つの意味が込められています。

 一つは「好きなアイドルを推す」で、二つ目は「推しているアイドルの子ども」に転生したアクアルビーのことを指しています。

 ちなみに、元々【推しの子】というタイトルは赤坂先生が打ち合わせのために付けた企画タイトルで、あくまで仮のものだったそうですが、横槍先生も気に入ってそのまま採用されたそうです。

作中でも一度同様の表現が使用されている

 実は作中でもこのタイトルと同様の表現が一度使用されています。

 それはコミックス5巻42話のラスト。

 有馬かなの演技に触発されたアクアをバックに、演出家の金田一「【役者】なら」と表現しているところです。

 これは赤坂先生のインタビューでも言及されていたので、タイトルと同様の意図が込められていることは間違いありません。

 また、後述するインタビュー伏線でも【アイドル】編【マネージャー】編【役者】編など役割、役柄に対して【】が使用されていましたが、これもタイトルの【】と何か関係があるのでしょうか……?


【推しの子】1巻のインタビュー伏線(一部回収済)

インタビューの一覧

 コミックス1巻の2~10話の冒頭では、登場人物たちがインタビューを受ける様子が描かれています。

 インタビュー概要の一覧は次の通り。

【〇〇】編取材相手概要
アイドル星野ルビー・女優初挑戦の意気込み
・アクアらしき人物も登場
マネージャー斉藤ミヤコ・飲み屋で双子について語る
ドルオタ古参のファンアイについて語る古参
・アイと双子の関係は知らない
映画監督五反田泰志・映画「15年の嘘」公開
・「この映画をアイに捧ぐ」
女優有馬かな・アイを示唆する不謹慎発言
・アクアを「あーくん」呼び
幼稚園職員老女・双子の幼稚園時代の先生が登場
元経営者斉藤壱護・斉藤元社長に突撃インタビュー
・立ち直ってない?
役者星野アクア・「演じることは復讐」発言
・中二っぽい
星野アイ・アイが双子に向けたビデオメッセージ

映画タイトル、元社長、アイのビデオメッセージ

 インタビューの内容はアクア・ルビー・有馬かなが出演する「15年の嘘」という映画公開に伴うもので、彼らが未来においてこうしたインタビューを受けることが示唆されています。

 特に気になるのは「15年の嘘」というタイトルと、五反田監督の「この映画をアイに捧ぐ」という発言。

 15年というのは、アイが死んでから15年という意味でしょうか?

 有馬かなもインタビュー内でアイの死を想起させる発言をしており、どこか意味深です。

→【追記】105話でアクアが自分たちがアイの隠し子であることを雑誌社にリーク。インタビュー時点ではアイとアクア・ルビーの関係、アイの死の理由については公になっていたんですね。

 

 斉藤元社長はアイの死から立ち直っていないように振舞っていますが、これは彼がアイの死の真相に近い場所にいるという暗喩なのかも。

→【追記】126話では苺プロにバイトとして復帰していたので立ち直っていないというのは違和感があり、何者かに向けた「演技」という可能性も……

 

 アクアのインタビュー「演じる事は、僕にとっての復讐だから」発言もあらためて考えると意味深ですね。

 アクアはアイを殺した黒幕、自分の父親を殺そうとしています。

 しかし殺すだけが目的なら、何故わざわざ「演じる」必要があるというのか……

 また、ラストの【母】編はビデオメッセージで、他のインタビューとは別モノに見えます。

 しかしこれが正しく一連のインタビューだとすれば、彼らはこの「15年の嘘」でアイの真実を公開しようとしているのではないかと思えてきますね。

(追記)映画「15年の嘘」とは?

 110話で映画の内容がアイの死の真相までを描いた実録映画であることが判明。

 ラストの【母】編はかつて五反田監督が旧B小町のドキュメント映画を撮っていた際のものでした。

 当初の想定キャストは、

星野アイ役……黒川あかね
旧B小町メンバー役……星野ルビー、有馬かな、MEMちょ
事務所社長役……鳴嶋メルト
マネージャー役……不知火フリル
劇団ララライ看板役者役……姫川大輝
犯人役(リョースケ)……星野アクア

 主演のアイ役に関してはあかね、フリル、ルビー3人の誰にするかで意見が分かれていましたが、結局3人の個人間オーディションを経て「ルビー」主演で落ち着きました。

 その他にも大幅な変更があり、最終的な配役がこちら。

星野アイ役……星野ルビー
カミキヒカル役……星野アクア
旧B小町・ニノ役……有馬かな
旧B小町・高峯役……黒川あかね
旧B小町・めいめい役……MEMちょ
上原清十郎……姫川大輝
姫川愛梨……不知火フリル
雨宮吾郎……鳴嶋メルト
斉藤壱護……みたのりお
斉藤ミヤコ……とまと・ジャン
貝原亮介(リョースケ)……綾部トモ

 

 一つ気になるのは、アクアがアイの墓前で、

「君の本当の願いを」
「僕が叶えて見せる」

 と語っていること。

 復讐がアイの願いとは思えませんが、復讐以外にこの映画には目的が隠されている?

 そう言えばかつて、アイは雨宮吾郎の前で母としての幸せとアイドルとしての幸せ、どっちも欲しいと言っていたことが……

 つまり第一話にあった「男と子供がいるアイドルを推せる?」という疑問に対する回答を映画で示そうとしているのかもしれませんね。

(追記)アイが送ったビデオメッセージ(2枚のDVD)

 112話でアイがアクアとルビーそれぞれに向けた2枚のDVD(ビデオメッセージ)を五反田監督に託していたことが判明。

 恐らくインタビュー伏線の【母】編がこれだったのでしょうね。

 15歳になった時に観るよう言われており、それぞれ別の内容が撮影されていたようです。

 五反田監督とアクアはそれを観て「15年の嘘」の企画を思いついたようですが、ルビーはそのことを把握していない模様。

 アクア向けのDVDにだけ父親に関連して特別なメッセージが遺されていた、ということのようです。

「私からオトナになった君たちへのお願い」

 ルビーは監督からDVDのことを聞かれてキョトンとしていましたから、アクアはルビーに内容を伝えていません。

 DVDにはルビーに見せるにはショックが大きい内容が遺されていたと思われますが……



【推しの子】謎のカラス少女の正体は?

 作中で特に謎めいた、オカルティックな存在として描かれているのが、宮崎でのMV撮影の際に登場した謎の少女です。

 初登場はコミックス8巻の75話。

 大量のカラスを従えており、見た目は小学生ぐらい。

 アイの子供へと転生したアクアとルビーの事情や、アクアの前世である雨宮吾郎とアイが殺された経緯について何故か知っているようです。

「神様はきっと優しいよね」
「真の意味で母を」
「得られなかった2人と」
「魂の無い子を産んだ」
「母親を導いてあげた」

「もしかしたら」
「それ以上の意味が」
「あるのかもだけど」

 77話ではカラスがルビーを雨宮吾郎の遺体の元へ導いていますが、それはまるであの少女がカラスを操ってルビーに遺体を発見させたかのようでした。

 そしてその後、少女本人がルビーの前に現れ、アイや雨宮吾郎を殺した黒幕に繋がる情報を伝え、ルビーを復讐へと目覚めさせることに。

 二人が死んだのは恐らく彼女が生まれる前の出来事ですが、何故少女はそんな情報を知っていたのでしょうか?

 それは彼女がいわゆる「神様」的な存在であったから。

 アクアたちを転生させた存在そのものではないようですが、その者と何らか関りがあるのは確かなようです。

 ちなみにこの少女は魂・精神はともかく、肉体的には普通の人間らしく、戸籍も存在しています。

関連記事「カラスを連れた不思議子供の解説記事」へ

【推しの子】ゴローは何故殺された?

 【推しの子】は芸能界を舞台としたお仕事ものであると同時に、星野アイを殺した黒幕、双子の本当の父親を探すサスペンス作品でもあります。

 今のところ、双子の父親はアイのストーカーを唆してアイを殺させたと考えられています。

 そこで気になるのが、アクアの前世であるゴロー(雨宮吾郎)が殺された理由。

 ゴローは元々アイの担当医(産科医)でした。

 アイの出産日当日、ストーカーはアイの担当医であるゴローに近づき、彼を殺害しています。

 何故ストーカーはその時点で一担当医に過ぎないゴローを殺害したのでしょうか?

 確かにその時、多少ゴローに怪しまれてはいましたが、わざわざ殺すほどでもありませんし、そもそもゴローに近づいたのはストーカーからです。

 まるで最初からゴローも殺害対象だったかのようですよね。

 思い出されるのはゴローもまた父親が不明であるという点。

 ゴローはアクアたちの異母兄である姫川大輝とその容貌が似ていると話題になったこともありましたし、その出生には何らかの秘密が隠されているのかもしれません。

【推しの子】アクアが隠し子であることを公表した真の目的は?

 105話では有馬かなをスキャンダルから守るため、アクアは自分とルビーがアイの隠し子であることを公表します。

 これにより有馬は守られますが、アクアにはそれ以外にも真の目的があった模様。

 気になるのは次の二つの発言。

黒川あかね→
「アクアくんはもう」
「止まらないんだね」

アクア→
「俺が居なくなった後も」
「お前がこの世界で」
「やっていく為には」

 アクアの発言の「お前」はルビーのことですね。

 この二つの発言から推測するに、アクアは自分が復讐を完遂した後のことを考えてこの情報をリークしたのでしょう。

 もしアクアが父親を殺害すれば、世間はただルビーを「殺人犯の妹」とだけ見るようになります。

 アクアはそれを避けるため、亡き母の遺志を継いでアイドルとなったルビーに世間の同情を集めやすい状況を作ったのではないでしょうか。

 そしてあかねはアクアの意図を察して「もう止まらない」と呟いたのでは。

 

 更に、アクアはこの状況を利用して、自分たちの父親(犯人)に対し、ただ殺すよりも苛烈な復讐を企んでいるようですが……ありそうなのは映画で真相を公表して父親を社会的に抹殺する、とか?

【推しの子】アクアとルビーの父親(犯人)の正体は?

 アクアとルビーの父親、アイとゴローを殺した黒幕(犯人)は芸能界にいます。

 67話では姫川大輝がアクアたちの異母兄であることが判明しましたが、姫川大輝の父親とされる上原清十郎は既に死亡していました。

 復讐の対象を見失ったアクアでしたが、72話ではアイの墓参りに訪れる父親の姿が描かれており、実は父親は生きていることが分かっています。

 姫川大輝の実の父親は上原清十郎ではなく、彼は母親の不倫の末に生まれた子供だったということなのでしょう。

 父親に関して判明している情報は次の通り。

・アイとは劇団ララライのワークショップで出会った。
・アイが16歳の時、中学生位の見た目だった。
・アイとは別れていて、互いに寄りを戻す気はない。

 ここから推察すると、現在は30歳前後で役者かそれに近い仕事をしている人物。

 アイに恨みが有ったわけではなく、才能ある人間を殺すことで自分の価値を見出すという歪んだ価値観の持ち主だった様です。

【2022年10月6日追記】

 父親の候補者として「カミキヒカル」という人物の名が挙がってきました。

・劇団ララライのOBで今でも何かあると花を贈ってくる。
・アイが妊娠した当時15歳の中学生。
・アイの演技に通じるものがある。
・黒川あかねがアクアに見間違えたほどよく似ている。
→109話で出てきましたが、マジでアクアそのもの。

 ……もう、確定です。

 カミキヒカルはアクアたちが映画「15年の嘘」で何をしようとしているかも感づいており、その上で映画のスポンサーに就任して彼らを泳がせているようですが……

【推しの子】キャラクター一覧

 



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