漫画版「おいしい給食」感想&評価~ドラマシーズン2(続編)も放送中、TVドラマ原作のバカバカしすぎる給食バトル!~


 今回は2019年に連続TVドラマとして放送され、映画化を経て現在漫画版がビッグガンガンで連載中の「おいしい給食」について紹介します。

 「おいしい給食」は市原隼人さん主演でTV神奈川などを中心に放送されたTVドラマで、1980年代の中学校を舞台に給食大好き教師と中学生の「どっちが美味しく給食を食べるかバトル」を描いた物語。

 大好評につき映画化を経て漫画化され、2021年10月からドラマシーズン2(続編)もされている「おいしい給食」について、そのあらすじ、登場人物を中心に魅力を語ってまいります。

「おいしい給食」あらすじ(ネタバレ注意)

あらすじ~バカバカしさ全開、昭和末期の教師と生徒の給食バトル~

 物語の舞台は1984年夏、常節中学校。

 主人公である数学教師、甘利田幸男にはある一つの秘密がありました。

 それは甘利田が誰より給食を愛し、それ故に給食を愛せない者を許せない「給食絶対主義者」であること。

 給食のためだけに学校に来て、給食のためだけに教師になったと言っても過言ではない甘利田ですが、教師が生徒より給食を楽しみにしているなどと知られたら威厳が失墜してしまいます。

 だから甘利田は「給食絶対主義者」であることを隠し、心の中で楽しむだけ。

 ……少なくとも、本人は隠せているつもりなんです。

 しかし、そんな甘利田に一人の生徒が挑戦状を叩きつけます(……と、甘利田は勝手に思い込んでいます)。

 生徒の名は神野ゴウ。
 ゴウもまた給食をこよなく愛する者であり、それ故に給食に変革を求め、より美味しく給食を食べようと様々な工夫を凝らしていました。

「給食を最も美味しく食べる人間は私だ!」

 甘利田は一方的にゴウをライバル視し、ゴウの給食の食べ方に注目し、自分が思いつかない美味しい食べ方をしているゴウを見て、たびたび敗北感に打ちひしがれます。

 そんなバカバカしく一方的な戦いを繰り広げていく中で、甘利田はゴウに共感し、ゴウを敵ではなく給食を愛する同士として認めていくこととなるのです。

 ……あ、それぞれヒロインっぽいキャラクターは出てきますが、恋愛要素はほぼ皆無です。

物語の舞台・時代設定・ロケ地

 元々給食は戦後GHQの指導により始まったもので、従来はパンとおかずと牛乳が基本。
 米飯が導入され始めたのは1976年以降になります。

 地域ごとに米飯が導入され始めた時期には差異があり、本作の舞台である常節中学校では1984年、ドラマで言えばseason1の最終話で初めて米飯が導入される(しかもカレー)という設定です。

 ”鯨の竜田揚げ”など、現代の給食ではもう出てこないちょっとレトロなメニューが多数登場し、若者よりも40代以上の方にとっては懐かしい世界観となっています。

 ロケ地は埼玉県川島町という田園風景広がる農業地帯で、メインとなった旧出丸小学校の建物は曜日を絞って一般公開もされているようです。


「おいしい給食」主な登場人物/ドラマキャスト

甘利田幸男/市原隼人

 本作の主人公で常節中学校1年1組の担任を務める数学教師。

 外見はスーツとメガネ姿の神経質そうな男性で、生徒に対する指導は厳しく、あまり情が感じられない。

 おそらく、今の時代であれば炎上間違いなしの嫌われ者。

 その本質は誰より給食を愛し、給食を愛せない者が許せない「給食絶対主義者」であり、給食を食べることを主目的に学校に来ている。

 そのことを人には隠しているが、少なくとも同類のゴウには見抜かれており、給食に夢中になってしばしばトリップしていることから、他の者に対してもいつバレてもおかしくない。

 給食が好きな理由は家の食事がクソ不味かったから。

 なお、本人も自覚は無かったようだが、御園ひとみに対しては好意を抱いていた。

神野ゴウ/佐藤大志

 本作のもう一人の主人公で常節中学校1年1組の生徒。

 外見は少し斜に構えた雰囲気の線の細い少年。

 性格はマイペースで落ち着いているが、給食が絡むと途端に行動が極端になる(給食のために生徒会長に立候補するなど)。

 甘利田と同じく熱烈な給食マニアだが、給食をそのまま食べる甘利田に対し、ゴウは様々なアレンジを加えてより美味しく食べること(鯨の竜田揚げのためにタルタルソースを準備するなど)を追及している。

 詳しい家庭環境は明かされていないが、貧しいのかあまり家ではしっかりと食べることができておらず、カップラーメンさえ甘利田に貰うまで食べたことがなかった。

御園ひとみ/武田玲奈

 産休補助として常節中学校に赴任してきた新人女性教師。

 甘利田が担任を務める1年1組の副担任で、担当は国語。

 外見はボブカットの可愛らしい雰囲気の女性で、性格も明るく頑張り屋。

 生徒から煙たがられることもあるが、正統派の教師として奮闘しており、恐らく彼女がいなければこの作品は学園ものとして成立しなかった。

 甘利田が受け持っている吹奏楽部の朝練を押し付けられるなど色々振り回されており、甘利田に対してだけは冷ややかな態度をとることが多い

藤井マコ/豊嶋花

 1年1組の女子生徒。

 ゴウに想いを寄せており、こっそり給食のパンをゴウにあげていた。

 ゴウにパンをあげたり、ゴウのためにパンをためている自分が好きと発言するなど、その思考は若干サイコ。

 なお、作中ではチーズを火であぶってまで給食を美味しく食べようとするゴウについていけないと、想いを断ち切った模様。

 女心は難しい。


「おいしい給食」感想&評価

ノリノリの甘利田が面白い! もっかい給食を食べて見たくなったかも……

 とにかくノリノリの主人公、甘利田が面白過ぎる。この一言に尽きます。

 普段は物凄くクールで理性的で感情がないキャラクターな分、給食が絡んだ時の熱量が凄まじすぎて笑わずにはいられません。

 普通のグルメものなら、美味しさを表現する人間は誰に恥ずかしがることなく思う存分それを表に出すものですが、主人公は教師であり、”給食”に入れ込んでいるなどと知られたら威厳も何もあったものじゃありません。

 そのため、どれほど給食を愛していて、どれほど感動してもそれを人に悟られるわけにはいかず、感動表現は全て甘利田の脳内妄想だけ

 その甘利田の”人目を憚る情熱”こそ本作最大の魅力でしょう。

 生徒であるゴウに向ける態度の大人げなさもまた良しです。

 ゴウは客観的に見れば、家が貧しくて給食をとても楽しみにしている少年。
 ちょっと変わった食べ方で給食を楽しんでいますが、そんな目くじらを立てるほどのことじゃないはず。

 それを「給食を一番美味しく食べるのは俺だ!」とか、子供っぽさ全開で密かに張り合い、心の中で「敵」と呼ぶ甘利田の何と大人げなくバカバカしく……笑うしかないことか。

 給食を美味しいとは思っていませんでした、なんかもう一度食べて見たくなる作品ですね。

ドラマ→映画化→漫画化→ドラマseason2!


 本作は元々2019年にBS12などでTVドラマseason1が全10話に渡って放送され、その後映画化を経て漫画化、2021年10月からはドラマseason2が放送されている人気作です。

 ドラマseason1では日々の給食に関わるエピソードが毎話放送され、映画版はその続きで、何と甘利田たちの常節中学校で給食が廃止されるという内容。

 甘利田とゴウは色々あって結局別の中学校に移ることになるのですが、ドラマseason2ではその2年後、彼らが移った中学でのエピソードが放送されています

 漫画版についてはまだどこまでのエピソードが描かれるかは分かっていませんが、できればドラマとともにご長寿シリーズに成長していってほしいものです。



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