今回は裏サンデー、マンガワンなどで連載中の拠点防衛型ファンタジー戦記「異剣戦記ヴェルンディオ」について紹介します。
特殊な力を持つ「異剣」が飛び交うファンタジー世界を舞台に、主人公のクレオが生き延びるために選んだ選択肢は「酒場の経営」。
本作は拠点を整備し、仲間を集め、資金を稼ぎ、まるでタワーディフェンス型のシミュレーションゲームをコミカライズしたかのような作品となっています。
本記事では「異剣戦記ヴェルンディオ」の魅力を、あらすじや登場人物の紹介も交え語ってまいります。
「異剣戦記ヴェルンディオ」あらすじ(ネタバレ注意)
「異剣」が支配する世界で繰り広げられる拠点防衛型ファンタジー
主人公のクレオはキャリア10年のベテラン傭兵。
マイホームを購入し、穏やかなスローライフを送るための資金を稼ぐため、ある日、他の傭兵と共同で山賊退治の依頼を引き受けました。
しかし山賊たち、特に頭領は恐ろしく強く、傭兵たちは壊滅状態。
クレオは這う這うの体で逃げ出します。
そこで出会ったのが獣の耳を持つ白髪の亜人の少女・コハク。
強大な力を持ち、何故かクレオを気にかけるコハクの助けによって山賊団は壊滅。
窮地を切り抜けたクレオでしたが、その直後にやってきた王国軍の流れ矢に当たり、クレオは命を落としてしまいます。
しかしクレオはコハクの命を分け与えられて100年後の世界で復活。
目覚めた100年後の時代は「異剣」と呼ばれる強大な力を持つ剣が飛び交う戦乱の世となっていました。
そんな過酷な世界でクレオが生き延びるために下した決断は酒場の経営。
偶然見つけた古城とそこにあった大量の酒を利用し、自分が扱える「異剣」を探しながら資金稼ぎをしようというものでした。
クレオとコハク、当初は2人で始めた酒場経営。
拠点を整備し、仲間も増えて順調に拡大していきますが、それ故に他の勢力に目をつけられ、彼らは「異剣戦争」と呼ばれる争いの渦に巻き込まれていくことになるのです。
用語解説
異剣
遥か昔に作られた強大な力を持つ剣の総称。
聖剣や魔剣と呼ばれることもある。
適性のある者が持てば千の兵も凌駕する力を得られる。
魔術
魔力を操る技法で、向き不向きはあるが訓練すれば誰でも使える。
先天的な属性により、覚えられる術の種類は決まっている。
基本属性は「火・風・水・土・雷」の五つ。
フィン王国物語
異剣を生み出した鍛冶師・ヴェルンディオを描いた書籍。
幾つかバリエーションがあり、聖剣を持ったヴェルンディオ王が魔物を退治するという内容が一般的な模様。
「異剣戦記ヴェルンディオ」主な登場人物
クレオ
本作の主人公。
孤児出身の傭兵で、マイホームを購入して資金を貯め、自給自足の平穏な暮らしを夢みていた。
傭兵歴10年のベテランだが実力的には全く大したことがない。
山賊討伐の折に流れ矢で命を落とすが、コハクのおかげで100年後の世界で蘇生。
戦乱の世を生き延びるため、見つけた古城を拠点に酒場の経営に乗り出す。
粗野そうに見えるが、根はお人好しで常識人。
今のところ異剣への適性はないが、無差別に異剣の力を引き出してしまう能力がある。
本人に自覚はないが、ヴェルンディオの血を引いている模様。
コハク
クレオを救い、彼に生き続けて欲しいと願うケモ耳・白髪の亜人の少女。
見た目は若いがとてつもなく長寿な種族。
未来予知を始めとした多数の特殊な力を持ち、念動力のような特殊な魔術の力は異剣使いすら圧倒する。
クレオを復活させるため命を分け与えて以降はしばし幼女の姿になり、戦闘力も全盛期の5分の1程度にまで弱体化していた。
ただムンディマ新教団の襲撃時にかつての姿を取り戻し、ある程度力も復活する。
異剣戦争によって起こる悲劇的な未来を予知し、それを変える可能性を持つクレオに希望を託している模様。
サフィーア
元ガルド王国女騎士の異剣使い。
腐敗した王家に反逆した大将軍の兄と騎士としての立場の板挟みになり、国を離れてクレオたちの酒場に流れ着く。
異剣使いとしての実力は並だが、守りが堅いタイプで風属性。
酒場で給仕として働く。
コハクの可愛さにメロメロ。
シュラク
鬼雷の剣士と呼ばれる凄腕の亜人の戦士。
鬼のような角があるが、アクセサリーで実際に角の生えた種族ではない。
ロマレシカ王国に滅ぼされたヒノワの国の民で、国が滅ぼされて以降は奴隷として酷使されていたが、力をつけ、復讐のために逃亡した。
高度な雷の魔術を使った高速戦闘が得意。
クレオが持つ異剣「焔」に適性があり、それを借り受けるために酒場で働くようになる。
しかしその最中、復讐対象のロマレシカ王国は他国に滅ぼされ、目標を見失うってしまう。
シュベル
新国家ファルカのリーダーをやっている異剣使いの男。
当初はクレオたちを狙っていたが、クレオと気が合い、協力体制を組む。
モルカナ
ムンディマ新教団の教祖だった女性。
部下に裏切られ命を狙われクレオたちの酒場に流れつくが、再び信者をまとめ上げて旅立って行く。
ヴェルンディオ
大陸の北部に現れたどんな異剣にも適性を持つ剣士。
たった一人で多くの国を滅ぼし、徐々に南下してきている。
「異剣戦記ヴェルンディオ」感想&評価
タワーディフェンス型ゲームをコミカライズしたみたいで面白い
異剣戦記ヴェルンディオを読んだ第一印象は、タワーディフェンス型ゲームをコミカライズしたみたいな作品だな、というもの。
特殊な力を持ってはいても当人は弱い主人公が、仲間を集めて拠点を防衛する。
まさしくタワーディフェンスそのものですよね。
私自身、もともとそういったタイプのゲームが好きだったこともあってか、話の展開は非常に馴染みのあるものでした。
主人公のクレオはいい意味でクセやウザさがなく、ゲームの主人公的。
ヒロインのコハクは強いですが、制約があって全力は出せず、バランスが取れています。
逆にこの作品をゲーム化してくれないかな、というのが正直な感想。
ちなみに「なろう」っぽいですが「なろう」原作ではありません。
こんな人におススメ
ゲーム好きの方におススメです。
タワーディフェンスをやり込んだ経験を持つ方は是非読みましょう。
加えてコハクが非常にかわいいので、ケモ耳系ヒロインが大好きな方にもおススメですね。
そうでなくでもファンタジー好きの方は一度試し読みして欲しい作品です。
良い意味でクセが無く読みやすい作品ですので、男女年齢問わず楽しめるのではないかな、と思われます。
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