今回は「となりのヤングジャンプ」で連載中の山岳ガールズコメディ「つばめアルペン」について解説します。
「つばめアルペン」は友達を作ろうと張り切り高校デビューに失敗した主人公が、山岳部の活動を通じて成長していく青春コメディ。
昨今、いわゆる「山ガール」をテーマにした作品は珍しくありませんが、山岳競技でインハイを目指すというのはあまり見たことがないように思いますね。
本記事では「つばめアルペン」のあらすじや主な登場人物の解説も踏まえつつ、その魅力を深掘りしてまいります。
「つばめアルペン」あらすじ
この作品の主人公は、北海道札幌の女子高に入学した少女・藤井つばめ。
父親が転勤族だったため、転校続きでこれまで親しい友人が作れなかったつばめは、高校入学を期に両親の下を離れ、祖母の家がある北海道の高校に通うことを決めました。
しかし友達を作ろうと張り切りすぎ、空回りしたつばめは初日の自己紹介で一発ギャクでダダスベリし、いきなりボッチ気味に。
そんな時、つばめは校庭に設置された山岳部のテントに興味を惹かれ近づいたところ、部長の鴨原響子に強引に体験登山に誘われることになります。
戸惑うつばめでしたが、これも友達づくりの良い機会と同じクラスのボッチ・青瀬夜を誘い一緒に体験登山に参加することに。
体験登山には部長の響子の他に一年学年主席の栗山杏果も参加しており、つばめたちは響子に連れられ初めての登山に挑戦。
トラブル続きでしたが無事に登頂に成功し、山頂での登山飯など登山の魅力に取りつかれたつばめたちは登山部に入部。
部長の響子に率いられ、山岳競技のインハイを目指してトレーニングや登山用具の準備などを進めていくことになります。
お調子者でちょっとズレているけれどムードメーカーのつばめ。
ネガティブで頭は悪いけれど運動神経抜群の夜。
汗っかきで運動音痴だけど知識豊富な杏果。
ちびっこだけど情熱にあふれ経験豊富な部長の響子。
小さなトラブルを乗り越えながら、少しずついいチームになっていく四人でしたが、部長の響子は医学部進学のための受験勉強のため、このインハイを最後に山岳部を辞める予定であることを告白します。
つばめたちは部長をインハイに連れて行くんだと想いを新たにして、山岳競技の北海道予選に臨むことになります。
「つばめアルペン」主な登場人物
藤井つばめ(ふじいつばめ)
本作の主人公で緑葉女子高等学校1年生。
父親が転勤族だったため、幼い頃から転校続きで高校に入るまで親しい友人が作れなかった。
その為、高校は三年間同じ高校に通おうと東京の両親の下を離れて北海道の祖母の家から通える高校に入学する。
性格は元気で明るいお調子者。
入学直後の自己紹介では突如一発ギャクを披露し、周囲をドン引きさせボッチとなってしまう。
運動能力、学力共にやや不安があるが、とにかく頑張り屋で周囲をよく見ているタイプ。
青瀬夜(あおせよる)
つばめのクラスメイト。
ネガティブな性格でこれまでずっとボッチだった。
放課後教室で一人泣いているところをつばめに声をかけられ、一緒に山岳部に入ることになる。
見た目はクール系で頭が良さそうに見えるが、高校に最下位で入学したアホの子。
ただし運動神経は抜群で体力もある。
褒められると調子に乗りやすく、時折突飛な言動をする。
その根底には父子家庭で仕事の忙しい父親に構って欲しいという欲求がある模様。
栗山杏果(くりやまももか)
つばめの同級生で特進クラス所属の学年主席。
元々登山経験があり、自発的に山岳部の体験登山に参加し入部する。
おっとりしたお嬢様でありゆるふわ系。
自然が好きで父親に連れられよく登山に来ていた。
運動音痴で体力がなく汗っかき。
本人がイメージしていたのんびりした楽しい登山と山岳競技のギャップに苦しむことになるが、つばめたちに励まされ徐々に自分の居場所を見いだしていくことになる。
鴨原響子(かもはらきょうこ)
緑葉女子高等学校2年生で山岳部の部長。
見た目は年上には見えないちびっ子で、性格も見た目通り子供っぽい。
しっかり者の先輩と駄々っ子の二つの顔を持つ女。
経験豊富で面倒見が良く、能力も高いが、ゆるい後輩たちとの接し方に色々苦慮し、空回りすることになる。
鴨原記念病院という地元の大病院の跡取り娘。
両親ともに同大出身の医者で、響子も2年の高校総体が終わったら部活を引退し、受験勉強に専念することになっている。
「つばめアルペン」感想&評価
山岳部・登山競技をテーマにしたゆるめの青春コメディ
第一印象はよくある「かわいい少女4人組」の今どき流行りの「登山」をテーマにしたゆるふわ系の話か、というもの。
話も絵も読みやすく、当初はまぁ悪くないな、といった程度の印象だったのですが、その潮目が変わってきたのが「山岳競技」に話が及んでから。
山岳競技はただ単に楽しんで登山をするのではなく、順位をつけるためにペースを上げたり、登山の途中で読図などのテストがあったり独特。
先導する人がわざと脱落者がでるようなペースで進むところとか、作中でも「てかこれ登山!?」とツッコミが入っていたほどです。
山の中に審査員が隠れていて、アピールのために余裕そうな笑顔を作って見せるシーンとか意味不明でしたね。
ゆるふわ系のコメディであることに変わりはないのですが、山岳競技というアクセントが加わってからは、「こんな世界(競技)があるの?」とグッと引き込まれる作品になった印象です。
こんな人におススメ
基本的にはゆるめの話が好きな方におススメです。
というより、最近の本格的な登山漫画と比べれば、登山周りの描写はリアリティがないわけではありませんがざっくりした印象。
登山飯とかが凄く美味しそうというわけでもなく、あくまで女の子たちの青春に主眼が置かれています。
本格的な登山モノが好きな方には、ちょっとイメージと違うかもしれませんね。
ただ登山競技という変わり種の世界に興味がある方にはおススメ。
もし登山競技経験をお持ちの方なんかがいたら、あるあるネタで楽しめるのかもしれません。
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