今回は山口つばさ先生が「アフタヌーン」で連載中の青春アートストーリー「ブルーピリオド」から、社交的な高身長おさげ男子「橋田 悠(はしだ はるか)」について解説します。
橋田悠は東京美術学院(予備校)で主人公の八虎たちと共に美大受験に取り組んだ少年。
この作品のキャラクターとしては珍しく、自分自身が絵を描くことにはそれほど熱意がなく、他人の絵を鑑賞することに情熱を燃やしていました。
藝大受験も受験生の絵を見たいがためという、変わった理由でしたね、
本記事ではそんな橋田悠のプロフィール(誕生日、身長など)や進路(大学)、作中での名言を中心に解説してまいります。
「ブルーピリオド」橋田悠のプロフィール
基本プロフィール(誕生日、年齢、身長、声優など)
誕生日 | 2月5日 |
年齢 | 17歳(初登場時・八虎と同学年) |
身長 | 189cm |
所属 | 東京美術学院(予備校、高校は不明だが美術系コース) →多摩美術大学(学生) |
声優 | 河西健吾 |
橋田悠は東京美術学院(予備校)で主人公・矢口八虎と知り合った同い年の少年。
高身長に長いおさげ髪、微妙な関西弁が特徴のいかにも変わり者といったアート系男子です。
アートが関わるとやや偏執的な一面を見せることもありますが、姉2人、妹1人に私生活で鍛えられた影響か性格は極めて社交的。
アートに関する知識が豊富で、作中では知識面で未熟な八虎の先生役を果たすことが多いですね。
自分自身が絵を描くことにはさほど熱意がなく、他人の描いた絵を鑑賞することに情熱を燃やす、この作品では珍しいタイプのキャラクター。
藝大を受験したのも、合格することが目標ではなく、受験生の絵を見たいがためという変わった理由でした。
「おさげの理由」に見る掴みどころの無さ
橋田悠は飄々とした掴みどころの無いキャラクターです。
普段はいつも俯瞰した、一歩引いた視点から八虎たちに接しており、その本心を滅多に表に出すことがありません。
そんな彼の在り方が良く表れているのが、長髪をおさげにしている理由。
初対面で八虎に「おさげはマジメの証やで」と自己紹介していた橋田。
改めて八虎からおさげの理由を尋ねられると、
「少しでもマジメに見せようと思って」
しかしその直後、桑名マキから同じ質問をされると、
「髪長いと描いてるとき邪魔やから」
さらにその様子を見ていた高橋世田介からは、
「宗教上の理由ならちゃんとそう言えよ」
とツッコまれていました。
多分、以前に高橋から質問された時はそう答えていたのでしょうね。
何となく、答える相手に合わせて相手が納得する答えを返している印象のある橋田。
何が本音で何が嘘なのか、さっぱりわかりませんね。
「ブルーピリオド」橋田悠の進学先(大学)は?
橋田悠は大学編では八虎たちが進学した東京藝術大学(藝大)ではなく、多摩美術大学に進学しています。
橋田も藝大を受験していましたが、1次試験は通ったものの2次試験で不合格となっていました。
とは言え、前述した通り橋田が藝大を受験したのは受験生たちの絵を見たいがため。
元々橋田の本命は多摩美術大学(というか、藝大は受からなくて当然という認識)でしたから、本人的には全く不満は無かったようです。
大学編では(藝大に進んだ八虎たちとは違って)楽しそうに大学生活を語る橋田の姿が描かれていました。
現在は海外で開かれるアートイベントを見に行くための費用を貯めようとしているようですね。
「ブルーピリオド」橋田悠は先生向き?
コミックス11巻では、八虎の高校時代の恩師・佐伯先生の絵画教室で、八虎とともに子供たちに絵を教える橋田の姿が描かれています。
橋田は子供の描く絵にも興味があったようですね。
元々知識豊富で人当たりが良く、人をやる気にさせるのが上手い橋田ですから、たちまち子供たちから大人気に。
そこで橋田は、小枝ちゃんという女の子と仲良くなります。
色んな習い事をしていて、でもどれも上手くいかなくて、色んなプレッシャーに圧し潰されそうになっていた小枝ちゃん。
そんな少女の叫びに心動かされ、橋田は彼女と一緒に絵を描きながら初めて剥き出しの想いを吐露します。
最終的に小枝ちゃんは絵画教室も含め習い事を全て辞めてしまいますが、最後に橋田にだけは「ありがとうございました」とあいさつに来ました。
自分は何か彼女の役に立てたのだろうか。
そんな風に子供に感情移入し過ぎる自分を「僕先生にも向いてないわ」と語る橋田。
しかし、その胸には確かに今までにない”熱”が宿っていたようで……
この出来事が橋田の将来にどんな影響を及ぼすのか、楽しみですね。
「ブルーピリオド」橋田悠の名言
それでは最後に、橋田悠の印象的な名言をいくつか紹介してシメとさせていただきます。
今までアートに触れてこなかった八虎とともに美術館を訪れた橋田。
美術館に気後れし、アートを学ぼうと気負っていた八虎の内心を見抜いて、橋田が声をかけます。
「世間的に1銭の価値がなくても」
「大事な人が作ったもんなら宝物やろ」
「芸術は正しいかより」
「自分がどう感じたのかが大事やろ」
橋田の言葉でアートに感じていた敷居の高さが少しだけ低くなった八虎。
「よくわかんない」で止まっていた思考が動き出します。
アートに関する理解が深く、しかもそれをひけらかさない橋田らしい言葉ですね。
大学に入って最初の夏休み。
大学の授業でコンセプトや意味の弱さを指摘され続け、ただ上手いだけでは意味がないとひねた考え方になっていた八虎は、橋田、高橋と美術館に。
「芸術は人によって」
「人のためにつくられたもの」
「僕はそこがどうしようもなく」
「愛しいわ」
そこでただ上手いことで歴史を変えた作家の絵を見、橋田のこの言葉を聞いた八虎は改めて絵に対して素直に向き合うようになります。
危うい様子の友人・鮎川龍二を気に掛けるも「お前は溺れてる人がいたら救命胴衣は持ってきても海に飛び込むことはしない」と突き放された八虎。
困惑する八虎でしたが、その話を聞いた橋田は笑いだします。
海に飛び込めば一緒に溺れるかもしれない。
救命胴衣を持ってくる行為は絶対的に正しい。
「でも溺れてるときの」
「息苦しさとか海の暗さは」
「溺れた人同士でしか共有できへんやん」
「その人と話したかったら」
「八虎も飛び込むしか」
「ないんやで」
本質を見ることが得意な橋田らしい言葉でしたね。
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