「ブルーピリオド」佐伯昌子(佐伯先生)~八虎を美術の道に誘った恩師、その謎や名言、絵画教室での再登場~

 今回は山口つばさ先生が「アフタヌーン」で連載中の青春アートストーリー「ブルーピリオド」から、八虎を美術の道へ誘った恩師「佐伯 昌子(さえき まさこ)」について解説します。

 佐伯昌子は主人公の八虎が通う高校の美術教師であり美術部の顧問。

 人をその気にさせる天才で、八虎の本質を一番最初に見抜き、アートの道に誘った人物です。

 的確な指導と数々の名言で八虎たちの心を揺さぶった佐伯先生。

 本記事ではそんな彼女のプロフィールや、作中での活躍を中心に深掘りしてまいります。

「ブルーピリオド」佐伯昌子(佐伯先生)のプロフィール

基本プロフィール(誕生日、年齢、身長、声優など)

誕生日6月7日
年齢不明
身長165cm
所属高校美術教師兼美術部顧問(嘱託)
さえき絵画教室
声優平野文

 佐伯昌子(以下、佐伯先生)は主人公の矢口八虎が通う高校の美術教師であり美術部の顧問です。

 見た目は穏やかな雰囲気の初老の女性。

 見た目通り優しく飄々としていますが、掴みどころがなくにっこり笑いながら物事の本質を突く油断のならない人物でもあります。

 作中では2、3言葉をかわしただけの八虎の根の真面目さや素直さを見抜き、さらりと美大、アートの道を提案していました。

 人をその気にさせる天才で、森先輩の天使の絵など他にも切っ掛けはあったにせよ、八虎がアートの道へ進むことを決めたのは、間違いなく佐伯先生の言葉があったからでしょう。

 実は高校教師は嘱託で、本業は絵画教室の経営者。

 八虎の大学1年目の春休み(コミックス11巻)には、八虎のバイト先の雇用主として再登場することになります。

4つの内、ウソが1つだけある

 謎が多く、様々な噂が飛び交い、美術部の部員たちからもミステリアスだと評される佐伯先生。

 そんな彼女が一度だけ自分について語ったことがあります(コミックスカバー裏)。

「では問題です」
「次のうちウソが1つだけあります」

①国際結婚
②相手は20歳年下
③相手は大企業の社長
④プロポーズに島をもらった

 この話を聞いた八虎と龍二は「3つは本当なのか」と畏怖していました。

 とりあえず③と④のどちらかは本当なので、物凄い資産家であることは間違いありません。

 個人的には②20歳年下じゃなく30歳年下、あるいは④もらったのは島じゃなくもっと広範囲のリゾート施設だとか、斜め上方向のウソじゃないかと期待してます。


「ブルーピリオド」佐伯昌子(佐伯先生)の指導

絵の基本練習:デッサン・スクラップブック・写真

 美術部で八虎に最初に絵の基礎技術を教えたのが佐伯先生。

 その指導は美大受験にも通じる実戦的なものでした。

 その一例として、夏休みに八虎たちに出した課題が、

・デッサン7枚
・水彩3枚
・スクラップブック
・1日1枚写真
・作品1点

 特にデッサンでは描写力、観察力を身に着け、スクラップブックの製作でアイデアを増やし、写真で構図力や視点を探る。

 実は後に八虎たちが予備校でやっていることと本質的には同じなんです。

 八虎が短期間で大きく成長したのは佐伯先生のこうした指導があってこそでしょう。

作品作り:F100号

 高校3年生になってからは、受験を意識し美術部から予備校へその主な学びの場を移した八虎。

 ある時、予備校で伸び悩んでいた八虎に、佐伯先生はF100号(縦1620ミリ、横1303ミリ)の作品作りを提案します。

 F100号というと八虎が絵を描く切っ掛けになった森先輩の天使の絵と同じサイズですから、かなりの大作ですね。

 佐伯先生が八虎にこれを提案した理由は、八虎に「作品作り」を意識させること。

 八虎は技術こそ飛躍的に向上しましたが、作品の「よさ」とは「技術」ではありません。

 佐伯先生は八虎に言いたいこと、伝えたいことを作品で表現させることが必要だと考えたのです。

 八虎はその期待に応え「縁」をテーマに見事に自分の作品を描き切り、成長の切っ掛けを掴みました(……まあ、その後すぐにまた失敗して凹むんですけど)。


「ブルーピリオド」佐伯昌子(佐伯先生)・絵画教室編

 佐伯先生は八虎の大学1年生の春休みに絵画教室の先生として再登場します。

 バイト先を探していた八虎が、母親からもらったバイト募集のチラシを切っ掛けに連絡した相手が、偶然にも佐伯先生。

 そこで佐伯先生は、主に小学生の子供たちを相手に1から絵の楽しさを教えていました。

 八虎だけでなく子供の絵に興味のあった橋田も一緒に働き始め、そこで八虎は様々な刺激を受けることになります。

 子供だけでなく、その親御さんの考え方や家庭環境など、複雑な事情と向き合う佐伯先生たち。

 その姿に、八虎は初めて「成果を目的とせず」絵と子供たちに夢中になって接するようになります。

 それは受験、藝大と楽しむ間もなく絵に取り組んできた彼にとって、今一番必要な経験でした。

 そして橋田も、子供たちに教えるという経験を経て、それまでにない熱のある表情を見せるように。

 そんな彼らの成長に目を細める佐伯先生は、根っからの教育者だなと感じましたね。

「ブルーピリオド」佐伯昌子(佐伯先生)の名言

 それでは最後に、佐伯先生の名言、印象的なシーンを紹介してシメとさせていただきます。

「私はね」
「世間的な価値じゃなく」
「君にとって価値のあるものが」
「知りたいんです」

「美術は面白いですよ」
「自分に素直な人ほど強い」
「文字じゃない言語だから」

 偶然美術部を訪れた八虎に、佐伯先生がかけた言葉。

 これこそが八虎が美術に興味を持つ最初のっきっかけでした。

 そして美術の道を進むべきかどうか悩む八虎に、佐伯先生はこう告げます。

「『好きなことは趣味でいい』」
「これは大人の発想だと」
「思いますよ」

「頑張れない子は」
「好きなことがない子でしたよ」

「好きなことに人生の」
「一番大きなウエイトを置くのって」
「普通のことじゃないでしょうか?」

 自分は美大に入れるかと問う八虎。

「わかりません!」
「でも好きなことをする努力家はね」
「最強なんですよ!」

 

 八虎にF100号の作品作りを提案した佐伯先生。

 戸惑い動き出せない八虎に、佐伯先生はこう告げます。

「芸術に失敗は」
「存在しないんですよ」

 自分はよく失敗すると戸惑う八虎に、それは評価が低かったということか、それとも自分の納得がいかなかったということかと佐伯先生は続けます。

 芸術の本質は伝えようとすること。

「矢口さんの言いたいことを」
「教えてください」
「芸術は文字じゃない」
「言語なんですから」

【まとめ】「ブルーピリオド」キャラクター一覧

 



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