今回は山口つばさ先生が「アフタヌーン」で連載中の青春アートストーリー「ブルーピリオド」から、八虎が絵を描くきっかけになった憧れの女性「森 まる(もり まる)」について解説します。
森まるは主人公の矢口八虎が通う高校の先輩であり美術部の部長。
普段は大人しく頼りない雰囲気を漂わせていますが、絵に関しては並々ならぬ信念と集中力を見せるギャップ系お姉さんです。
物語のキーマンではあるものの、八虎とは学年も大学も違うため登場頻度は多くない森先輩。
本記事ではそんな彼女のプロフィールや進学先、作中での名言を中心に解説してまいります。
「ブルーピリオド」森まる(森先輩)のプロフィール
基本プロフィール(誕生日、年齢、身長、声優など)
誕生日 | 12月31日 |
年齢 | 17歳(初登場時・八虎の1学年上) |
身長 | 147cm |
所属 | 高校美術部部長(高校名は不明) →武蔵野美術大学油絵学科 |
声優 | 青耶木まゆ |
森まる(以下、森先輩)は主人公の矢口八虎が通う高校の1学年上の先輩であり美術部の部長。
小柄でおっとりした雰囲気のかわいい女性で、背だけでなく手など全体的にパーツは小さいものの、胸部装甲だけは非常に恵まれています。
普段はどこか頼りなさげな雰囲気を漂わせていますが、いざ絵を描き始めると周囲を圧倒するほどの集中力を発揮。
上級生というだけあって、高校美術部の中では突出した画力を持っています。
後輩の鮎川龍二とは性別を超えた(?)仲良しで和菓子好き仲間。
ちなみに原作漫画では「森先輩」としか呼ばれず、アニメ製作に際して初めて「森まる」というフルネームが明かされました。
八虎が絵を描く切っ掛けになった憧れの女性
森先輩は主人公の八虎が絵を描く切っ掛けになった女性です。
八虎は偶然美術室で見かけた森先輩の天使の絵に目を引かれ、その上手さと天使の身体が緑で描かれていることに興味を覚えました。
森先輩からその絵についての話を聞いた八虎は何故か感動して、自分が見た「青い」渋谷の早朝について共感を求めてしまいます。
渋谷にあまり行かない森先輩にそれは上手く伝わらなかったものの、
「あなたが青く見えるなら」
「りんごもうさぎの体も」
「青くていいんだよ」
その言葉に勇気づけられた八虎は美術の授業で青い渋谷の絵を描くことに。
その絵はとても拙いものでしたが、確かに見る人に伝わるのものがありました。
絵で自分の感じたものを人に伝えられたことに感動を覚えた八虎は、アートの世界にどっぷり足を踏み入れていくことになります。
「ブルーピリオド」森まる(森先輩)と天使(祈り)の絵
森先輩の描く絵には一貫したテーマがあります。
それは「祈り」。
絵の起源には諸説あり、その一つが「祈り」なのだそうです。
森先輩はずっと、自分の絵に「祈り」を込めて描いていました。
そんな森先輩が、高校時代好んでモチーフにしていたのが「天使」の絵。
八虎も大好きな絵で、当時八虎の中ではこの「天使」の絵こそが森先輩の代名詞のようになっていました。
大学に入ってからの森先輩は「祈り」という伝えたいことは変えないまま、「天使」だけでなく「仏像」など他のモチーフも描くように。
この森先輩の変化は、この時「構図」など「技法」や「手段」にばかりこだわって絵で伝えたいことを見失っていた八虎にとって、大きな気づきを与えることになります。
「ブルーピリオド」森まる(森先輩)の大学は?
森先輩は八虎たちが進学した東京藝術大学ではなく、同じ五大美大の一つ武蔵野美術大学に進学しています。
大きな図書館があったり、他の美大より学科を重視しているのが特徴ですね。
武蔵野美術大学以外にも東京芸術大学、多摩美術大学を受験する予定だったようですが、武蔵野美術大学に推薦入試で合格したため、そのままそちらに進学しました。
森先輩は自分のことを「描きたいものしか描けない」と語っており、与えられたテーマに沿って絵を描く一般入試にはあまり自信がなかったそうです。
予備校の夏期講習でも下から5番目(予備校内のコンクールで順位が付けられる)でしたし。
だから絵の持ち込みができる推薦入試に力を入れていたのだとか。
自分の強みをよく理解した戦い方ですね。
「ブルーピリオド」森まる(森先輩)と高橋世田介は似てる?
森先輩はよく、八虎の予備校・大学の同級生・高橋世田介に似ていると言われています。
これは藝大の2次試験当日の朝、体調を崩し階段で動けなくなった八虎が、心配して近づいた世田介くんを森先輩と見間違えたことに端を発しています。
では実際、この二人は似ているのか?
二人の共通点は主に次の二つです。
①小柄で黒髪センター分け
②八虎のヒロイン(?)
①は見た目で、性別こそ違いますが二人とも小柄でかわいらしい雰囲気なので、パッと見の印象はよく似ています。
しかし一方で、落ち着いて包容力のある先輩と幼く攻撃的な世田介くんは性格に関しては正反対。
これだけなら若干、見た目が似ているだけ、と言えそうですが……
二人の最大の共通点は、主人公・矢口八虎のヒロイン(?)だということ。
「ブルーピリオド」には基本的に恋愛要素はなく、八虎も二人のことを異性(?)として見ているわけではないのですが、八虎はとにかく二人が関わるとテンションがおかしくなります。
森先輩に対しては「憧れ」、世田介くんに対しては「嫉妬」と向ける感情は異なりますが、八虎にとって「特別」な存在である、という点は共通しています。
二人が直接どうこうではなく、八虎から見てどうなのか、という点が森先輩と世田介くんが似ていると感じる理由のような気がしますね。
「ブルーピリオド」森まる(森先輩)の名言・名シーン
それでは最後に、印象的な森先輩の名言・名シーンを紹介してシメとさせていただきます。
「才能なんかないよ」
「絵のこと考えてる時間が」
「他の人より多いだけ」
「褒めてくれるのはうれしいけど」
「手放しに才能って言われると」
「なにもやってないって」
「言われてるみたいでちょっと」
森先輩の天使の絵を見て「才能あって羨ましいです」ともらした八虎に、淡々と返した森先輩。
八虎の発言を嗜めるような言葉でしたが、普段努力して良い成績をとっているのに周囲から「スゴイ」としか言われない八虎は素直に共感します。
「私は自分の描いた絵を持つ人が」
「良いほうへ行ってくれるよう」
「祈りを込めて描いてるんだ」
森先輩の卒業間近。
偶然美術室で八虎と出会った森先輩は、八虎に勝利の女神の絵を描き、藝大を目指す彼にエールを送ります。
これが後押しとなって、八虎は藝大受験に反対する母親と向き合うことができました。
「この絵、素敵ですね」
藝大受験編のラストシーン。
藝大合格が決まり、予備校に提出する2次試験の再現作品を美術室で描いていた八虎。
八虎が美術室を離れたタイミングで森先輩が美術室を訪れ、彼の絵を目にします。
彼女の素直な感想が、八虎が高校時代絵に向き合った成果なのでしょう。
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