「正反対な君と僕」感想&評価(ネタバレ注意)~ポップでリアルな恋模様を描いた期待作、あらすじ、登場人物の解説を交え紹介~


 今回は「ジャンプ+」で話題沸騰中の青春ラブコメ「正反対な君と僕」を紹介します。

 「正反対な君と僕」は明るいけれど空気を読んでばかりいる鈴木さんと、物静かなクラスメイト谷くんの付き合いたてカップルを主人公とした物語。

 交際を通じて徐々に変化していく二人の内面と周囲の人間模様が、ポップな画風と軽妙なトークで描き出されています。

 既に数々のマンガ賞で注目を浴びるこの作品。

 本記事ではそのあらすじ、登場人物の紹介を交えつつ、その魅力を深掘りしてまいります。

「正反対な君と僕」あらすじ(ネタバレ注意)

明るいけど空気を読んじゃう少女、静かだけど自分の意見はしっかり言う少年

 明るく人気者だけれど周りの目を気にし空気を読んでばかりいる少女・鈴木さんは、隣の席の谷くんに恋をしていました。

 谷くんは鈴木さんとは正反対で、物静かだけれど誰が相手でも態度を変えず自分の意見をはっきり言う少年。

 そんな谷くんに憧れる鈴木さんでしたが、周りの目を気にする彼女は谷くんに好きと言えず、ダル絡みばかりしていました。

 しかしある日、偶然谷くんと二人でいるところを目撃され、付き合っているのかといじられそうになった鈴木さんは猛否定。

 それを谷くんに聞かれ、彼に嫌な思いをさせてしまったと感じた鈴木さんは、友人たちに自分が谷くんに片思いをしていることを宣言します。

 優しい友人たちに背を押された鈴木さんはそのまま突撃し、谷くんに告白。

 谷くんからOKを貰い晴れて彼氏彼女の関係となりました。

 作中ではそんな”正反対な”二人が、交際を通じて自分自身の内面に気づき、徐々に変化していく様子が描かれていきます。

同時進行する(今のとこ)他2組の恋模様

 作中では主人公カップルとは別に、(今のところ)2組の恋模様が並行して描かれています。

 

 一つは明るく愉快なバカの山田と、人見知りで笑い上戸の西さん。

 「意外な人(=自分とキャラが遠い)の笑顔」に惹かれてしまう性質を持つ山田は、自分たちがバカやっているのを見て笑いを堪えている西さんを見て恋愛モードに突入。

 人見知りの西さんに対し、グイグイド直球で迫っていきます。

 西さんの方もそんな山田に徐々に好意を持っていくという王道展開。

 恋愛は賢者より愚者が先を行くという典型ですね。

 

 一方で展開が遅いのが、いい奴だけど卑屈な平と、大人だけど流されやすい東さん。

 平は高校デビューを果たして鈴木さんたち陽キャグループと仲良くなったものの、根が卑屈でネガティブ。

 東さんは雰囲気こそ大人ですが、男の趣味がアレで(=誠実な男に旨味を感じられない)自分の扱いが雑なため、これまでろくでもない男にばかり引っかかってきました。

 そんな二人は同じ中学出身で気安い仲。

 若干、東さんが平を舐めくさっているフシはありますが、そのやり取りからは平の人柄に対する信頼が伝わってきます。

 ただし、関係性ややり取りこそエモいものの、今のところ互いを異性として意識している様子のない平と東さん。

 二人とも考えすぎるキャラクターなので、恋愛面での進展は遅そうですね。


「正反対な君と僕」主な登場人物

鈴木みゆ

 本作の主人公の一人でありヒロイン。

 外見はピンク色お団子頭が特徴の明るい雰囲気の少女。

 周りの目を気にして自分の行動を縛ってしまう悪癖がある。

 そのため誰に対してもブレない谷くんに惹かれ、彼と付き合い始めた。

 見た目こそ馬鹿っぽい雰囲気を漂わせているが、意外と真面目で成績もそれほど悪くない。

 人気者で男友達は多いが、谷くんと付き合うまで恋愛経験はほとんどなくピュア(中学時代、周りに流されて一瞬だけ付き合った男友達はいたが、何事もなく分かれている)。

谷悠介

 本作の主人公の一人でありヒーロー。

 物静かなメガネ男子で、見た目通りの優等生。

 ただし決して気弱なわけではなく、自分の意見をしっかり持ち、誰に対しても態度を変えないマイペース過ぎる男。

 その根底には物事に対する関心の無さ、”欲”の薄さがある。

 鈴木さんと付き合う前は誰にどう思われようと気にせず、バッサリ切り捨てるような態度をとっていたが、徐々に自分の言動が周囲にどう受け取られるかを考えだし、人とのコミュニケーションを学んでいく。

山田

 鈴木さんのいつメン①。

 根明で気の良いバカ。

 見た目はヤンキーだが、不良でも何でもないただのバカ。

 鈴木さんと同じ中学出身で、意外に恋愛経験豊富。

 作中では隣のクラスの西さんに好意を持ち、グイグイ迫っていく。

渡辺

 鈴木さんのいつメン②。

 ネアカでやたらノリの良い少女。

 その場のノリで生きているフシがあり、成績も残念。

 佐藤さんと仲が良く、周囲からは「ナベサト」とセットで呼ばれることが多い。

佐藤

 鈴木さんのいつメン③。

 黒髪ショートカットのクールな雰囲気の少女。

 鈴木さんグループでは珍しい優等生系で、切れ味鋭いツッコミを得意とする。

 佐藤さんと仲が良く、鈴木さんと同じ中学出身。

東(あずま)

 鈴木さんのいつメン④。

 大人びた雰囲気の美女で、男の趣味が悪く男運も物凄く悪い。

 その根底には「ま、いいか」で流される自分に対する扱いの雑さがある。

 中学時代に痛い目を見た経験からか、意外に人と距離をとるタイプ。

 ただし同じ中学出身の平には物凄く適当に絡んでおり、傍から見ればいい感じ。

平(たいら)

 鈴木さんのいつメン⑤。

 見た目だけは爽やか系のイケメン。

 鋭くはないが律儀で丁寧なツッコミを得意とする。

 高校デビュー組で自分に自信がなく卑屈で理屈っぽいが、非常に良い奴なので、周囲からは軽視されつつも信頼されている。

 東さんとは同じ中学出身で、鈴木さんから「タイラズマ」とまとめて呼ばれている。

西

 鈴木さんたちの隣のクラスの少女。

 谷くんとは図書委員繋がりの顔見知り。

 人見知りで大人しく、人形のような可愛らしい見た目をしている。

 実は笑い上戸で鈴木さんや山田のやり取りに思わず吹き出してしまったことが切っ掛けで、山田に好意を持たれる。

 山田から強烈なアタックを受け、本人も山田への好意を自覚するようになる。


「正反対な君と僕」感想&評価

ポップでありながら人間模様が妙にリアル

 「正反対な君と僕」を読んだ第一印象は、人間模様や感情の動きが非常にリアルだな、というもの。

 正直読む前は画力もそれほど高そうではないし、少年漫画にありがちな”雑”なラブコメ漫画なのかなと思っていましたが、読んで印象がガラッと変わりました。

 まず登場人物にリアリティがある。

 変に突き抜けた登場人物はおらず、読んでいて「あ~、こんな奴いるわ」と共感してしまいます。

 バカそうな山田が実は恋愛経験豊富でしっかりしてるところなんか、学生時代バカだバカだと思っていた友人が先に大人になっていたことなんかを思い出して「あ~……」と呻いてしまいましたね。

 明るい少女。

 物静かな少年。

 そんな記号的なキャラクターではなく、その内面が丁寧に描かれてところが非常によかったです。

 画力は決して高いわけではありませんが、非常に読みやすくてポップ。

変にゴテゴテしているより、作風には合っていました。

平がツボ、”タイラズマ”推し!

 個人的にこの作品の推しは平。

 ”タイラズマ(平×東)”推しです。

 平は高校デビュー組で自分に自信がない卑屈な男ですが、本当に良い奴。

 他人の理不尽に対して怒ることのできる根の優しい男です。

 20話で平が東さんのために怒ったあのシーンは個人的に神回でしたね。

 (多分)お相手役の東さんは恋愛上級者ではあるものの、中学時代の苦い経験から人とやや距離を取りがち。

 そんな東さんが何故、平にだけは遠慮なく絡んでいけるのか、そこに無自覚な辺りがムズムズして非常に良いです。

 この二人に早く艶っぽい感情が芽生えてくれると嬉しいのですが……



コメント

タイトルとURLをコピーしました