今回は魔物食という異色のテーマを扱う人気作「ダンジョン飯」から、この作品の舞台であり最大の謎「迷宮」について解説します。
この「ダンジョン飯」は魔物を食べながら迷宮を攻略するというコミカルな部分と、迷宮の謎というシリアスな部分の二つの軸から成り立っています。
迷宮とは誰が、何の目的で作ったものなのか。
迷宮の主とは? 悪魔や黒魔術(古代魔術)との関連は?
本記事ではそんな迷宮の正体について深堀してまいります。
「ダンジョン飯」迷宮とは?
人工迷宮と自然迷宮の二つが存在
この「ダンジョン飯」の世界には、メリニ(島)の迷宮以外にも多数の迷宮が存在し、迷宮には「人工迷宮」と「自然迷宮」の二つが存在します。
「人口迷宮」は無限の魔力が存在する異次元と扉を繋げる際に作られた建造物であり、主に古代人が作った物。
作った種族ごとに、エルフ式、ドワーフ式、ノーム式などに分けられています。
「自然迷宮」は自然に繋がった異次元との穴から漏れ出た魔力によってできたもので、「人工迷宮」に似た天然の環境のことです。
「人工迷宮」の特徴として挙げられるのは、迷宮内で死んでも傷を癒せば蘇生できる「不老不死の呪縛」がかかっているケースが多いこと(絶対ではない)。
この世界に存在する「蘇生術」はそうした呪縛がかけられた人工迷宮内でのみ有効な術となっています。
メリニ(島)の迷宮
この物語の舞台となっているメリニ(島)の迷宮は狂乱の魔術師によって作られたエルフ式の人工迷宮です。
千年以上前に繁栄したとされる黄金の国が迷宮化したもので、公式には6年前に発見されたばかりのごく新しい迷宮です(実際には70年以上前にセンシが所属していたドワーフの鉱夫団が発見していた)。
発見された当初、迷宮内は金や宝石で装飾されていたこともあり、冒険者や金剥ぎたちによってにぎわっています。
「ダンジョン飯」迷宮と迷宮の主
メリニ(島)の迷宮を含めた人工迷宮には、必ず「迷宮の主」が存在します。
迷宮の主とは後述する「悪魔」と契約し、迷宮の中を自由に設計し、規律を決める権限を持つ絶対的な存在。
人工迷宮における「核」とも呼べる存在で、迷宮の主がいなくなった迷宮は緩やかに崩壊し、ただの穴になってしまいます。
そのため迷宮を制圧するとは、迷宮の主を倒すことを意味します。
「ダンジョン飯」迷宮と悪魔
迷宮は悪魔を封じるためのもの
人工迷宮とは「迷宮の主」が「悪魔」と契約し、無限の魔力が存在する異次元と扉を繋げ、その力を引き出すためのものであり、同時に「悪魔」を封印・制御するための施設でもあります。
そもそも悪魔とは生物ではなく無限の魔力そのもの。かつて永久機関を求めた古代人がこの世界に招き入れた「魔力」と「人」を繋ぐインターフェースのようなものです。
悪魔は人の望みを叶える存在であり、それ故に人の欲望、特に複雑で強い欲望を好み、それを食らって自分の力に増幅していきます。
古代人はそうした悪魔の力を次第に恐れるようになり、悪魔が地上へと出られないよう迷宮を作り、悪魔を封じたとされています。
ただ結局、古代人は悪魔に欲望を与えすぎた結果、滅亡したとも言われており、迷宮の封印でも悪魔の全てを制御できるわけではありません。
悪魔の目的と迷宮育ち度
各地の迷宮に封じられた悪魔は根っこの部分で繋がっており、その目的は全ての人々の尽きない欲望を食らうこと。
その目的のため、迷宮に呼び寄せた人々の欲望を食らって力を蓄え、地上へ顕現することを目論んでいます。
それを防ぐために西方エルフが派遣しているのが迷宮調査隊「カナリア隊」。
カナリア隊は人の欲を食らって成長する「迷宮の成長度合い」を五段階で定義しており、
LV1:発見直後
LV2:冒険者などが増え始める
LV3:周辺地域が栄え、浅い層の財宝が枯渇
LV4:迷宮構造が変化し、浅い層に財宝が再出現
LV5:迷宮全域に強力な魔物が出現、魔物が地上に溢れ出す
なお、カブルーの故郷であるウタヤはLV5の段階で制圧され、本当にギリギリのところ。
これより段階が進めば、悪魔が地上に顕現し、人類が滅ぶ(悪魔が作った夢の世界に囚われる)こととなります。
「ダンジョン飯」迷宮と黒魔術(古代魔術)
この「ダンジョン飯」の世界ではマルシルらが使う「古代魔術」は「黒魔術」と呼ばれ、現代では関わるだけでも禁忌とされ、見つかればエルフたちによって厳罰に処されることとなっています。
ただ、それが何故禁忌なのかは一般には伝わっていません。
そもそも「古代魔術(黒魔術)」とは、無限が存在する異次元からエネルギーを引き出すことで行使される魔術の総称。
「迷宮」と同様、「悪魔」に繋がり得る危険な力だからこそ、それに触れるあらゆることをエルフたちは禁じているのです。
ちなみに迷宮調査・制圧を任務とするカナリア隊の隊員には、毒を以て毒を制すということなのか、古代魔術に関わった囚人が編成されています。
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