今回は「マンガクロス」で連載中の「はるかリセット」について解説します。
この作品は小説家(売文稼業)の春河童先生こと天野はるかが、膨大な仕事の合間に行き詰った自分を初期化(リセット)するため、様々な息抜きに興じる様を描いた日常コメディ。
最初はちょっとしたプチ休みのお話でしたが、徐々に取材名目で日本全国を飛び回ったり、一風変わった気分転換が描かれるようになったり、あの手この手で読者を楽しませてくれる作品です。
本記事では「はるかリセット」のあらすじ(概要)や主な登場人物の解説を踏まえ、その魅力を語ってまいります。
「はるかリセット」あらすじ(概要)
売文稼業「春河童」先生の息抜き術
本作の主人公はエッセイ、小説、依頼があれば何でも執筆する売文稼業の作家「春河童」先生こと天野はるか。
彼女は膨大な量の仕事をこなし、日々締め切りに追われています。
当然、しょっちゅう行き詰って何も書けなくなってしまうのですが、その度に彼女は自分を初期化(リセット)するため息抜きを敢行。
銭湯に入ったり、風呂上がりに一杯飲んだり、美味しい物を食べたり、あてもなく散歩をしたり。
そしてしっかり休養をとったら再起動(リブート)。
スッキリした頭で一気に仕事を仕上げてしまうのです。
はるかのリセット術は実に多彩で、ただ休むだけでなく時に掃除などの家事に没頭したり、人によっては余計に疲れてしまいそうなことも多々。
なお、作中では自身の息抜き(リセット)術について執筆を求められ、そのエッセイは「はるかリセット」というタイトルで刊行されている、という設定です。
聖地巡礼箇所が多すぎる
「はるかリセット」の特徴は、はるかが日本全国の実在する場所にお出かけしているため、聖地巡礼の対象となる場所が非常に多いこと。
最初ははるかが住んでいる東京周辺が中心だったのですが、徐々に取材旅行や作家仲間からの誘いで日本全国を飛び回ることが多くなり、本当に色んな観光地を巡るようになっていきます。
東京近郊の人はもちろんですが、その他の地方在住者もちょっと足を伸ばせば聖地巡礼ができるというのはこの作品の魅力の一つですね。
「はるかリセット」主な登場人物
天野はるか/春河童
本作の主人公で垂れ目で胸の大きな女性作家。
注文があればどんなテーマでも躊躇わないスタイルで、作中では編集者に「たくさんの仕事をこなす秘訣は?」と問われ「初期化(リセット)と再起動(リブート)」と答えたことが切っ掛けで息抜き(リセット)術のエッセイを執筆するようになる。
元々は会社員として働いていたが、その時の後遺症(トラウマ)でキーボードが打てず、執筆は全て手書き。
酒、食事、散歩、旅行、家事と何でも楽しんで息抜きに変えることができるタイプ。
まりこ
はるかの友人であり秘書役。
キーボードが打てないはるかに変わって現行の入力作業などを行っている。
既婚者で旦那さんがいる。
大山
はるかの担当編集者。
しっかりした雰囲気の女性で、はるかが息抜き(リセット)術のエッセイ「はるかリセット」を書くきっかけを作った。
作中では他の人物とのつなぎ役となることも多い。
月ノ瀬観音
はるかの息抜きの師匠であり、仕事先の一つでもあるキツネ目の女性。
一人称「僕」ではるかを色んな所に連れまわしてくれ、登場回数もサブキャラの中では非常に多い。
黒田夏美
はるかの友人で会社員とゲーム制作の二足の草鞋を履きながら子育てをするしっかり者の女性。
黒田如水
夏実の息子で女役もこなせるレベルの美少年(10歳)。
宮武慶子
夏実の紹介ではるかと知り合った女性自衛官で、はるかの時々息抜きに付き合うようになる。
美少年の如水を溺愛している。
芳倉篤美
香川県在住で広告代理店のデザイナーをしている女性。
見た目も口調も優雅なお嬢様風で、観音の紹介ではるかたちと知り合い、香川の魅力を案内してくれる。
ユイ・阿羅本
クラフトビール小説を書く作家兼イラストレーターの女性で、ビール絡みの話にちょいちょい登場する。
モデルは作家の阿羅本景さん。
「はるかリセット」感想&評価
一話完結で読みやすい日常コメディ
「はるかリセット」は基本一話完結(地方旅行などではエピソードを分割)の読みやすい日常コメディです。
通して読んでいけば色々と見えてくるものもありますが、途中から該当のエピソードだけを読んでも違和感なくスッと入っていける作品です。
テーマが非常に共感しやすく、日常のちょっとしたことを全力で満喫している様子を見ると、読んでいるだけでこちらも疲れが吹き飛んでいくような気がしますね。
現代社会に生きているとどうしても休むことに怖さや罪悪感を感じてしまいますが、はるかは休むことに真摯で全力。
よく働くためによく休むことの大切さを教えてくれる作品です。
こんな人におススメ
息抜き、お休み、基本的には仕事の合間にリセット術についての話なので、テーマ的には社会人向け。
学生さんが楽だとかそんな話ではなく、息抜きの方法もどちらかと言えば落ち着いた大人向けのものが多いので、社会人の方が共感しやすく刺さる作品ではと思われます。
リセットの方法も話が進むにつれて本当に手を変え品を変えて色んなテーマを取り扱っていますので、エピソードの中で自分に刺さるリセット方法を探すというのも面白いのではないでしょうか。
お仕事に疲れた方の息抜きに、是非どうぞ。
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