「ケントゥリア」夜の神~ディアナと心臓を共有する山羊、魔女団(カヴン)や海の神との関係、その元ネタなど~

 今回は「ジャンプ+」で連載中のダークファンタジー「ケントゥリア」より、物語の鍵を握る超越存在の一柱「夜の神」について解説します。

 「夜の神」とは予言の子であるディアナの内に宿り、その心臓を共有する山羊の姿をした超越存在。

 魔女団(カヴン)を率いる存在であり、至高き君の勢力と対立していることが示唆されています。

 ただその目的や正体については未だ謎多き神。

 本記事ではそんな夜の神の概要と元ネタ、関係者を中心に解説してまいります。

「ケントゥリア」夜の神とは?

引用元:暗森透(X)

 「夜の神」あるいは「夜」とは度々作中「山羊」の姿で登場する超越存在。

 ユリアンが契約した「海の神」や、それと敵対する「森の神」の同類と推測されます。

 理由は不明ですが現在はディアナの中にその心臓と共に宿っている状態。

 ディアナが予言の子(=国王を殺しこの国に夜を運んでくる)とされ、命を狙われる元凶であり、その存在はこの物語最大の謎の一つとなっています。

 初登場は3話のラストで、赤ん坊のディアナが森の中にたたずむ山羊に手を伸ばす姿が描かれていました。

 13話で予言者エルストリが見せた未来の映像では、夜の神と思しき黒髪の女が成長したディアナと共に描かれており、あるいは山羊は仮初の姿なのかもしれません。

「ケントゥリア」夜の神の元ネタはヘカテー

 夜の神の元ネタはギリシャ神話の女神ヘカテーです。

 根拠は60話で魔女エリゼが夜の神について語った言葉。

「星散りぼえる天にて 青白く輝く死の月 我らが頭領 三叉路の女神」

 この「三叉路の女神」というのがヘカテーの異名です(三叉路や夜の十字路は精霊が訪れる特別な場所と考えられていた)。

 ヘカテーは月と魔術、豊穣、浄めと贖罪、出産の女神であり冥府神。

 現代では魔女の指導者としての怖い女神のイメージが強いですが、ヘシオドスの「神統記」では、望む者にあらゆる分野での成功を与える女神として描かれており、多彩な側面を持っています。


「ケントゥリア」夜の神とディアナ

引用元:暗森透(X)

 前述した通り、夜の神はその心臓と共に予言の子ディアナの中に宿っています。

 ディアナの中には本人のものと夜の神のもの、二つの心臓が絡み合って存在しており、その影響でディアナは普通の子供より成長が早くなっています。

 何故、ディアナの中に夜の神が宿っているのかは不明。

 夜の神は山羊の姿で度々ディアナの前に姿を現しており、ディアナは山羊(=夜の神)を友達と呼び親しくしていました。

 またディアナは夜の神に仕える魔女(後述)から「第一の従者」と呼ばれており、夜の神とディアナがあらゆる意味で密接に繋がっていることが示唆されています。

「ケントゥリア」夜の神と魔女団(カヴン)

引用元:林士兵

 夜の神と契約し、彼女に仕える異能者集団は魔女団(カヴン)「真夜中の貴婦人」と呼ばれています。

 組織としての全容は不明ですが現時点で四人が確認されており、いずれディアナが彼女たちを率いる存在であることが示唆されています。

 魔女たちは寿命を超越した存在で、400年前には至高き君を死の寸前まで追い詰め、王都を滅ぼしたことさえあるのだとか。

 魔女たちの異能が夜の神と直接契約して得たものなのか、あるいは血脈によって受け継がれたものなのかは不明。

 普通に考えれば前者なのでしょうが、その場合魔女たちはその超越存在のフィールドでは絶対的な力を得る「加護」を得ていることになります。

 「夜」の加護とか相当無法で強すぎるように思うので、制限か何かがあるような気がしますね。


「ケントゥリア」夜の神と至高き君

 トリウィアの国王至高き君は海の神と契約し超人的な力を得た異能者で、夜の神やその配下である魔女団と敵対関係にあります。

 400年前には実際に殺し合いをしていましたが、現在は何故か休戦状態。

 魔女たちは王宮に出入りし王の傍に侍っています。

 その理由は不明ですが、夜の神を宿したディアナの存在が鍵を握っていることは確かであり、至高き君がディアナを殺さず自分の前に連れてくるよう命じていることからも、ディアナが成長しなければ互いに戦えない理由があるのだと推察されます。

 それはつまり、エルストリの予言(=国王を殺しこの国に夜を運んでくる)の時を待っているということで、至高き君には何のメリットも無いように思えますが……?

「ケントゥリア」夜の神と海の神

 夜の神とユリアンが契約した「海の神」の関係性は複雑です。

 これまで両者が作中で直接対面したことはありませんが、海の神は夜の神の従者であるディアナのことを「愛しき娘」と呼んでおり、ユリアンと同様にディアナとも(赤ん坊の時に一方的に)契約を結んでいる可能性が示唆されています。

 しかも海の神はディアナの中に夜の神がいることを認識した上でこの発言をしています。

 つまり夜の神と海の神は友好的な関係と予想されますが、一方で夜の神は海の神と契約したとされる至高き君とは敵対しています。

 至高き君と海の神の意思は別なのか、それとも同じ海の神と呼ばれているだけで至高き君と契約したそれとユリアンが契約したそれは別の存在なのか。

 森の神が海の神と敵対している描写があったこともあり、この超越者同士の関係性というのが余計分かりにくいものとなっています。

【まとめ】「ケントゥリア」キャラクター一覧



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