今回は「正反対な君と僕」の作者・阿賀沢紅茶先生の話題作「氷の城壁」について解説します。
「氷の城壁」は元々LINE漫画で縦スクロール漫画として連載され、完結済みの作品。
大変人気となったため、その後コマ割りを横読みに直して書籍化されています。
人間味のある登場人物と混線っぷりが話題の青春恋愛ストーリー。
本記事では「氷の城壁」あらすじや主な登場人物の解説を踏まえ、その魅力を語ってみようと思います。
「氷の城壁」あらすじ（ネタバレ注意）
この作品の主人公は人付き合いが苦手でその愛想の無さから「女王」と呼ばれている少女、氷川小雪。
小雪は中学時代の人間関係のトラウマから高校では人との間に壁を作っていました。
そんな小雪の唯一の友人が、幼馴染兼親友の安曇美姫。
小雪とは逆に社交的な美姫は、周囲からアイドル扱いされる人気者です。
ただ美姫は美姫で高校では中々素が出せず、ズボラでガサツな本当の自分と周囲のイメージの溝に悩んでいました。
そんな小雪たちの間にぐいぐい入ってきたのが、距離感ゼロの陽キャイケメン・雨宮湊（ミナト）。
そしてミナトの友人・日野陽太です。
トラウマのある元カレに似た雰囲気のミナトに苦手意識を持つ小雪でしたが、美姫が中学時代ミナトと陽太と同じ塾に通っていて友人だったこともあり、次第に親しくなっていきます。
ただ小雪はミナトへの苦手意識が収まらず、一度は酷い言葉を投げかけ彼を突き放してしまうことに。
その後ミナトと和解し、その出来事が切っ掛けでミナトに向き合っていくようになる小雪。
ミナトは小雪に興味を持ち、好意を持っていくことになるのですが、その想いは小雪には伝わらず、小雪は親友の美姫がミナトを好きなのだと勘違いしてしまいます。
さらに陽太は昔から美姫が好きだったのですが、当人には全く伝わっておらず、美姫は小雪と陽太が両思いでお似合いのカップルだと応援しだす始末。
友情と恋が混線する四人の恋模様の行く末は……？
「氷の城壁」主な登場人物
氷川小雪（ひかわこゆき）／こゆん
本作の主人公。
明天高校1年2組所属の女子生徒。
小柄な不愛想な目つきながら、街中でナンパされていたことなどから普通に美少女と思われる。
2月2日生まれのAB型、身長は150cm台でまだ成長中。
元々人付き合いが得意でなく、中学時代嫌がらせを受けたトラウマなどで一人が好き。
中学時代、周囲の圧力に負ける形で苦手な五十嵐という男と付き合うが、そのこともまた強烈なトラウマとなっている。
服屋も美容院もなるべく話しかけてほしくないタイプで、前髪はセルフカット。
安曇美姫（あずみみき）
小雪の幼馴染兼親友。
明天高校1年5組所属の女子生徒。
6月6日生まれのO型、身長は163cm（中学2年で止まった）。
ショートカットの明るい雰囲気の美少女で、その容姿と社交的な性格からアイドル扱いされている。
ただしこれは美姫が高校では人に合わせようと作り上げたイメージが独り歩きしたものであり、素の彼女はガサツでズボラでお調子者のおバカキャラ。
当人は自分をアイドル扱いする周囲とのギャップに悩んでいる。
中学時代、美姫が自分の言葉のせいで五十嵐と付き合ってしまったと後悔している。
雨宮湊（あまみやみなと）／ミナト
明天高校1年6組所属の男子生徒。
典型的な陽キャイケメンで、距離感を無視してグイグイ来るタイプ。
美姫とは中学時代同じ塾で仲良くなった。
9月29日生まれのB型、身長は170cm台で現在も成長中。
サッカー部に所属している。
明るく見えるが彼は彼でトラウマがあり、その影響で他人に本音を打ち明けず、自分がしゃべることで他人を喜ばせ、満たされようとするクセがある。
誰とも喋らない小雪に興味を持ち、徐々に好意を持つようになるが、距離感が壊れているため小雪には物凄くひかれる。
日野陽太（ひのようた）／ヨータ
明天高校1年6組所属の男子生徒。
穏やかで優しい性格で、ミナトの友人。
美姫とは中学時代同じ塾で仲良くなり、その頃から好意を抱いている。
4月4日生まれのO型、身長は180cm台で現在も成長中。
バスケ部に所属している。
すごくいい奴ではあるのだが、それ故に色々と溜め込むことになる。
「氷の城壁」感想＆評価
キレイなだけじゃない人間味のある登場人物が魅力
この作品を読んだ第一印象は、メインキャラがとにかく人間臭くてリアルだな、というもの。
小雪が人付き合いを煩わしいと考えるところとか、逆に社交性高そうなミナトがその人間関係の中で承認欲求を満たそうとしてるところとか、ものすごくリアル。
そんな登場人物が矛盾する思考に戸惑って徐々に変化していく部分にはグッと感情移入してしまいます。
恋愛要素はあるんですが、どちらかというと登場人物のトラウマやそこからの脱却、変化を描いた作品かな、という印象ですね。
こんな人におススメ
この作品は元々LINE漫画で連載されていた縦スクロール漫画ですが、その後横読みにコマ割りを修正し「ジャンプ＋」などでも掲載されています。
雰囲気的には少女漫画なのですが、同作者が連載している「正反対な君と僕」同様に男も読める恋愛漫画。
いちゃいちゃというより、わちゃわちゃした多感な高校生の青春漫画なので、基本的には男女年齢問わずおススメできる作品です。
ただメインキャラ、特に序盤のミナトについては人によって好き嫌いが分かれると思うので、序盤で無理と離脱する人は一定数いると思います。
ある程度読み進めればイメージも変わってくると思うのですが……
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