「シロとくじら」感想&評価(ネタバレ注意)~ニートと幼児のほっこりした日常をあらすじ付で解説~


 今回は「webコミックアパンダ」などで連載中、ニートと幼児の日常コメディ「シロとくじら」について紹介します。

 この作品は怠惰な日常を送るニートのシロとその姉の息子で幼稚園に通うくじらが、一時的な同居を切っ掛けに親しくなり、交流していくゆったりした日常コメディ。

 一見自由気ままに生きているように見える二人ですが、その裏には言語化できない何かを抱えているようで……

 とにかく「くじら」がかわいいと人気急上昇中のこの作品。

 本記事ではあらすじと登場人物の紹介を交えつつ、その魅力を解説してまいります。

「シロとくじら」あらすじ(ネタバレ注意)

 主人公のシロ(紫郎)は自宅で母親と二人暮らし、怠惰な日々を過ごす無職(ニート)の青年です。

 そんなシロの家に、ある日姉の茜が息子の”くじら”を連れてやってきます。

 くじらが幼稚園を変わることになったので、せっかくだからとこの機に実家近くに引っ越しをすることにした茜。

 茜は働いているため、くじらが新しい幼稚園に入園するまで面倒を見てもらおうと、シロと母親が住む実家に泊ることにしたのです。

 そして無職(ニート)で暇を持て余していたシロは、くじらのお世話を仰せつかることに。

 くじらの幼児特有の脈絡のない突飛な言動に振り回されるシロ。

 そして波長が合ったのかシロに懐くくじら。

 穏やかで心地良い時間が流れていきますが、その裏で二人はそれぞれ向き合わなければならない問題を抱えていました。

 シロは無職(ニート)になった理由。

 くじらは幼稚園を変わることになった理由。

 さて、この出会いによってシロとくじらはどのように変わっていくのでしょうか。


「シロとくじら」主な登場人物

シロ(紫郎)

 無職(ニート)で実家で母と二人暮らしをしている青年。

 白髪で常にダルそうな気配を漂わせている。

 ”くじら”にまとわりつかれて内心「面倒くさい」とは思っているが、それはそれとしてしっかり相手はしてやる面倒見の良い性格。

 今のところ無職(ニート)になった理由は不明。

 ただ、前職は保育士だったようで、部屋には絵本が何冊も置かれている。

 友人の”ひまり”からは子供嫌いになってしまったのではないかと心配されていたが……

くじら

 シロの甥にあたる幼稚園児。

 眼鏡をかけた可愛らしい幼児で、幼児らしい突飛で意味不明な言動が目立つ。

 人見知りするものの、シロには非常に懐いている。

 コミュニケーションをとるのが苦手で、前の幼稚園では友達を何度も”ガブ”してしまい、転園せざるを得なくなった模様。

 本人は変わっていく環境に不安を抱えているようだが、それを表に出すことなく頑張っている(周囲は察している)。

 シロの部屋に突撃して寝ている彼を起こすのが今のお気に入り。

 シロの姉でくじらの母。

 明るくサッパリした性格で、シロとも仲が良い。

 くじらの父親について作中で全く触れられておらず、恐らくシングルマザー。

母親

 シロと茜の母親でくじらの祖母。

 どっしりマイペースな雰囲気の初老の女性で、シロと二人暮らしをしている。

 無職(ニート)の息子を責める様子もなく、温かく見守っている模様。

ひまり

 シロの友人。

 長い黒髪を後ろで括っており、やや女性的な雰囲気もあるが男性。

 顔は可愛らしいが体は大きく190cmオーバー。

 明るくマイペースな性格で、くじらが新しく入る幼稚園の先生をしている。

 茜とも昔から仲が良い。

天野スミレ

 マイペースでグイグイ来るタイプの幼女。

 食べかけのアイスクリームをシロのズボンに零したことが切っ掛けで知り合った。

天野青空

 スミレの姉で中学生。

 しっかり者だが、あまり喋るのが得意でなくドジっ子で、そのくせ感情がもろに表情に出るタイプ。

 スミレがシロにアイスをぶちまけたことで知り合う。


「シロとくじら」感想&評価

ニートと幼児、共通点は無いはずなのにどこか通じ合う2人

 とにかく”くじら”がかわいい。

 この作品の第一印象はそれにつきます。

 単に見た目がかわいいとか良い子というだけじゃなく、幼児らしいリアリティのあるかわいさこそがくじらの魅力。

 子供のいる親御さんたちは勿論ですが、そうでない方であってもこの作品を読めば「あ~、子供の頃ってこんなこと言ってたな」と在りし日を思い出してしまうのではないでしょうか。

 加えてシロとくじらの関係性もほっこりしていてまた良しです。

 ニートと幼児。

 あまり共通点が無いはずのシロとくじらですが、とにかく波長があって互いに通じ合っている感じが良いですね。

 何というか、互いに癒されているような関係性、というのが近い感じです。

こんな人におすすめ

 この作品は社会に疲れた大人にこそおススメです。

 基本、可愛らしい作風で男女年齢を問わず読める作品ではあるのですが、今に疲れて悩んでいる方には一層響くのではないかな、と。

 言葉にしづらい漠然とした不安やもやもや。

 そういったものに優しく寄り添ってくれる作品だな、と感じています。

 もちろん、単純に”くじら”に癒されたいという理由で読んでも良し。

 試し読みも出来る作品ですので、まずはそちらから試してみてはいかがでしょうか。



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