今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、死後株が上がり続ける最高にかっこいい勇者「ヒンメル」について解説します。
ヒンメルはかつてフリーレンらと共に魔王を倒した勇者。
物語の第一話で老衰により命を落としていますが、物語が進むにつれてその偉業や人柄が明らかとなり、存在感が増し続けている物語のキーパーソンです。
本記事では勇者ヒンメルのプロフィールや強さ、数々の名言とフリーレンへの想いを中心に解説してまいります。
「葬送のフリーレン」ヒンメルのプロフィール
基本プロフィール(年齢、声優など)
ヒンメルとは、かつて魔法使いフリーレン、僧侶ハイター、戦士アイゼンと共に魔王を討伐した勇者。
彼らはヒンメルが16歳の時に魔王討伐のために旅立ち、10年かけてそれを成し遂げました。
旅を終えた一行は離れ離れとなり、50年後に約束していたエーラ(半世紀)流星群を見るために再会。
50年ぶりの冒険を最後に、ヒンメルは享年76歳、老衰で命を落としています。
若かりし頃は左目の下の泣きボクロが特徴のイケメン。
ただし物凄いお調子者のナルシストで、旅立ちの日に王様にタメ口をきいて処刑されそうになったり、自身の石像を作った時にはポーズに18時間も悩んだり5回もリテイクを出して職人をキレさせた残念な男です。
同時に慈悲深く心優しい人物で、困っている人がいると放っておけず、魔王討伐の旅の中でも地味な仕事やささやかな人助けを好んでいました。
またダンジョンは一つの階層をすべて踏破してから次に進むというゲーマー的なこだわりを持っており、誰より旅を楽しんでいたようです。
寄り道が大好きだったみたいですね。
なお、作中での時間経過は「勇者ヒンメルの死から〇〇年後」と彼を中心に表記されています。
声優は岡本信彦さんが担当。
実は勇者の剣を抜けなかった普通の人間
実際に魔王討伐を成し遂げた勇者ヒンメルですが、実は彼は勇者の証である「勇者の剣」には選ばれていません。
ヒンメルが使っていた剣は子供の頃、助けた行商人からお礼にもらった”偽物の勇者の剣”。
元々彼が勇者を目指して旅立ったのは、幼馴染のハイターに「偽物の剣じゃ偽物の勇者にしかなれない」とからかわれ、なら自分は魔王を倒して本物の勇者になってやると思ったのが切っ掛けです。
しかし剣の里に眠る勇者の剣を、ヒンメルは抜くことが出来ませんでした。
ある意味、お前は勇者ではないと突き付けられたようなもの。
けれどヒンメルは、
「いいじゃないか」
「偽者の勇者で」
「僕は魔王を倒して」
「世界の平和を取り戻す」
「そうすれば偽者だろうが」
「本物だろうが関係ない」
そう言って、実際に彼は勇者の剣などなくとも魔王を倒して世界を救って見せたのです。
「葬送のフリーレン」ヒンメルの強さ
勇者ヒンメルの強さはフリーレンたち当時を知る者の回想シーンで語られるのみですが、その強さは勇者の名に恥じぬ圧倒的なものだったようです。
その戦闘スタイルは高いスピードと攻撃力を併せ持つ剣士。
魔法の発動を許さぬほどの圧倒的なスピードは、魔法使いにとっては天敵のような存在だったようです。
魔族の間でも特に恐れられており、魔王直属の幹部「七崩賢」断頭台のアウラはヒンメルが寿命で死ぬまで身を隠し、活動を控えていました。
その高い戦闘力は幼少期の頃から健在で、大人五人がかりでようやく倒せる魔物をナイフ一本で倒したこともあるそうです。
「葬送のフリーレン」ヒンメルの名言
勇者ヒンメルと言えばその旅の中で残したいくつもの名言。
ここではそのいくつかを抜粋して紹介します。
何故人助けをするのかと尋ねるフリーレンに、ヒンメルは自分のことを覚えていて欲しいからだと答えます。
さらに自分のことを覚えてもらうにはどうしたらいいのか尋ねるフリーレンに、
「ほんの少しでいい」
「誰かの人生を変えてあげればいい」
「きっとそれだけで十分なんだ」
きっとそれは、ヒンメルがフリーレンに対して抱いていた想いなのでしょう。
無駄とも思える徹底したヒンメルのダンジョン探索に呆れる仲間たち。
それでもヒンメルは気にした様子もなく、
「最後まで楽しむよ」
「楽しく冒険して迷宮に潜って」
「魔物を倒して宝を探して」
「気が付いたら」
「世界を救っていたような」
「そんな旅がしたいんだ」
きっと彼は、誰よりフリーレンたちとの旅を楽しみたいと願っていたのでしょう。
いつも好んで自分の像を作ってもらっていたヒンメル。
そのナルシストぶりに呆れるフリーレンでしたが、ヒンメルの本当の望みは孤独な永遠の時を生きるフリーレンを想ってのものでした。
「君が未来で」
「1人ぼっちにならないように」
「するためかな」
フリーレンがヒンメルの言葉に秘められた本当の想いに気づくのは、彼の死後50年以上経ってからのことになります。
「葬送のフリーレン」ヒンメルとフリーレン
幼い頃からずっとフリーレンのことが好きだった?
作中で明言こそされていませんが、ヒンメルはフリーレンにずっと片思いしていました。
ヒンメルとフリーレンの出会いは、ヒンメルが幼かった頃。
ヒンメルは迷子になっていたところをフリーレンを助けられたことがあり、ヒンメルはずっとそのことを覚えていました。
その数年後、魔王討伐の仲間としてフリーレンを誘ったヒンメル。
その理由は彼女が強力な魔法使いだったからではなく、単に初恋の人と一緒に旅をしたかっただけなのかもしれませんね。
しかし人間とエルフ、生きる時間が違うためか、ヒンメルはその想いをフリーレンに告げてはいません。
ただ子供がいたずらでフリーレンのスカートをめくった時には、
「ぶっ殺す!」
「ボクも見たかったのに!」
とガチギレしており、思わず本音がこぼれ出たことも。
幼馴染のハイター辺りにはそうした感情が見抜かれていた気がしますね。
鏡蓮華の花言葉と指輪
ヒンメルの切ない恋心が見え隠れしているいるのが30話。
かつてフリーレンは、ヒンメルから討伐依頼を頑張ったお礼に好きなものを買ってあげると言われたことがありました。
何でもいいやと「鏡蓮華」の花の意匠が入った指輪を選ぶフリーレン。
その指輪を見たヒンメルは複雑そうな表情を浮かべます。
実は「鏡蓮華」の花言葉は「久遠の愛情」。
想いを告げるつもりの無かったヒンメルでしたが、フリーレンが気づいていないならと、彼女の前に傅き、恋人のようにその手に指輪を嵌めました。
当時のフリーレンはその花言葉を知らず、ヒンメルも知らなかったに違いないと口にしていましたが……
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