今回は「週刊少年サンデー」で連載中の大人気ファンタジー「葬送のフリーレン」から、本作の主人公「フリーレン」について解説します。
フリーレンはかつて勇者ヒンメルらとともに魔王を倒した魔法使い。
永劫の時を生きるエルフ族で寿命の短い人間にはあまり関心を持たず生きてきましたが、勇者ヒンメルの死を切っ掛けに人を知りたいと考えるようになります。
強力な魔法使いでありながら、精神的に未熟でアンバランスなフリーレン。
本記事ではそんな彼女のプロフィールや強さ、勇者ヒンメルらとの関係を中心に解説してまいります。
「葬送のフリーレン」フリーレン(主人公)のプロフィール
基本プロフィール(年齢、声優など)
フリーレンは約80年前に魔王を倒した勇者一行の魔法使いであり、1000年以上の時を生きるエルフ族の女性(正確な年齢は不明)。
外見は銀髪ツインテールで小柄、非常に幼げな見た目をしています。
戦闘面においては年齢に相応しい老練さを垣間見せる一方、人付き合いが希薄だった影響か人格面は未成熟で人の感情の機微に疎いところがあります。
1000年以上前に故郷のエルフの里を魔族の襲撃によって滅ぼされており、フリーレンは里唯一の生き残り。
その後、人類の魔法の開祖フランメに魔法の手ほどきを受けるなどして力を蓄え、魔族への復讐の機会をうかがっていました。
数百年の雌伏の時を経て勇者ヒンメルたちと出会い、10年の旅の果てに魔王討伐を果たしたフリーレン。
「葬送のフリーレン」とは歴史上最も多くの魔族を殺した魔法使いとしての彼女に与えられた異名です。
アニメでの声優は種﨑敦美(種崎敦美)さん。
フリーレンの新たな旅の目的
魔王討伐の旅から50年後。
久しぶりに再会した勇者ヒンメルはすっかりお爺ちゃんになっていて、約束していたエーラ流星群を見るという旅を最後に寿命で命を落としました。
その時になって、寿命の短い人間だからと碌に彼のことを知ろうとしなかったことに気づき、後悔するフリーレン。
彼女は人を知るための新たな放浪の旅に出ます。
さらに20年以上の時を経て、かつての仲間・僧侶ハイターが育てた少女フェルン、戦士アイゼンの弟子シュタルクを仲間に加え、目指すはかつて魔王城があった地・オレオール(魂の眠る場所)。
そこでヒンメルの魂と再会することを目的とし、フリーレン達はかつて勇者一行が旅した道を辿っていきます。
「葬送のフリーレン」フリーレン(主人公)の強さ
魔王を倒した勇者一行の魔法使いというだけあって、フリーレンは作中最強クラスの魔法使いです。
長大な寿命によって獲得した魔力、魔法の知識と技術、膨大な実戦経験と、凡そ魔法使いとしてのあらゆる能力が最高水準にあります。
また、特筆すべきは普段フリーレンがその魔力を制限し、外部から認識できる魔力を”人間の熟練の魔法使い”レベルに偽装していること。
これは師匠のフランメから伝授された戦い方で、魔法に対する誇りが強く魔力を隠すという発想を持たない魔族の油断を突くためのものです。
魔力の制限を外部から見破られないようにするには常軌を逸した高い技術が必要で、そんなことをするぐらいなら他の修行に時間を費やした方が有意義と、魔力の制限に時間を費やす魔法使いは今ではほとんどいません。
戦闘面で多用しているのは、魔王軍のクヴァールが使っていた貫通魔法「ゾルトラーク(人を殺す魔法)」を独自に改良した「ゾルトラーク(魔族を殺す魔法)」。
魔族殺しに特化した、フリーレンらしい魔法です。
このように作中最強クラスの実力を持つフリーレンですが、彼女は「自分より魔力が低い相手」に過去11回も負けたことがあるそうです。
その為、彼女は自分の力を過信することがなく、強さの見極めは非常に的確。
魔族と違い、その油断を突かれることもありません。
「葬送のフリーレン」フリーレン(主人公)は魔法好き
フリーレンは魔法の収集を趣味としており、作中で多種多様な魔法を使用しています。
珍しい魔法があると聞けば普段の落ち着きをかなぐり捨てて暴走。
鑑定魔法で宝箱が9割方ミミックだと分かっていながらツッコんでミミックに食われて泣きわめいたり、無策でドラゴンに挑んだりしています。
また作中でフリーレン一行が街で足止めされる理由の大半が、珍しい魔導書を報酬に釣られること。
彼女が収集する魔法の多くは一般人からすれば実にしょうもないものばかりであり、その一部を挙げると、
・銅像の錆びを綺麗に取る魔法
・甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法
・服が透けて見える魔法
・かき氷を出す魔法(ただしシロップはない)
ちなみにフリーレンの一番のお気に入りは「綺麗な花畑を出す魔法」。
師匠のフランメが戦闘以外で唯一教えてくれた魔法で、フランメが一番好きだった魔法。
勇者ヒンメルも好きだった、フリーレンにとって思い出の魔法です。
「葬送のフリーレン」フリーレン(主人公)と勇者ヒンメル
勇者ヒンメルの死
魔王討伐の旅から50年後、フリーレンたちかつての仲間たちとエーラ(半世紀)流星群を見に行く冒険を最後に、勇者ヒンメルは老衰で命を落としました。
多くの人々に悼まれ、涙と共に送られるヒンメル。
そんな中、フリーレンは自分がほとんどヒンメルのことを知らなかった、知ろうとしなかったことに気づきます。
彼と過ごしたのは魔王討伐の旅をした、たった10年間。
彼女にとっては人生の100分の1にも満たないわずかな時間。
それまで寿命の短い人間に関わろうとしなかったフリーレンは、ヒンメルの死によって初めて人を知りたいと考えるようになります。
そしてヒンメルの死から20年以上の時を経て、フリーレンは戦士アイゼンの頼みで「魂の眠る地」に赴き、勇者ヒンメルの魂と話をするための旅に出ます。
かつての旅路を辿りながら理解するヒンメルの想い
「魂の眠る地」はかつて魔王城があった場所。
その旅路はかつての勇者一行の足取りそのものです。
旅の中で仲間たちとの思い出に触れ、そこでようやくヒンメルが自分に向けていた想いに気づいていくフリーレン。
ヒンメルは寿命の違いからかフリーレンにその想いを告げることはありませんでしたが、彼女に深い愛情を抱いていました。
彼の何気ない行動は、全て永遠の孤独を生きるフリーレンを想ってのことだったのです。
旅の中でどんどん解像度が上がっていくヒンメルの想いとカッコよさは、この作品の最大の見どころの一つですね。
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