今回はワールドトリガーから、主人公たちが所属する「界境防衛機関ボーダー」について改めて整理したいと思います。
ボーダーとは三門市に拠点を置く対ネイバーを目的とした防衛機関。
未知のエネルギー「トリオン」を操る「トリガー技術」を保有する世界唯一の民間組織です。
作中ではあって当然のものであり、改めて深掘りされることの少ないこの組織。
本記事ではボーダーという組織の概要や成り立ち、その人員や指揮系統を中心に、これまでに判明している情報を整理していきます。
ワールドトリガー「ボーダー」とは?
三門市に拠点を置く対ネイバー組織
「界境防衛機関ボーダー」とは、人口約28万人の地方都市・三門市に拠点を置く防衛機関。
異世界からの侵略者「近界民(ネイバー)」からの侵攻に対抗し、「こちら側の世界」を守るために設立された民間組織です。
ボーダーが世に知られるようになったのは、人類が初めてネイバーの脅威にさらされた約4年半前の第一次近界民侵攻。
ネイバーが使うトリオン兵器・トリガーは通常の近代兵器では対抗困難であり、予めネイバーの技術を研究・開発していたボーダーがネイバーの撃退にあたりました。
民間人に多大な被害を出した第一次近界民侵攻以降、その活動が認知されたボーダーは急速に防衛体制を整備。
まずボーダーはネイバーが侵攻してくるための門(ゲート)を解析し、その門をかなりの精度で特定の地点に誘導することに成功。
本部基地周辺の警戒区域内にネイバーの出現位置を絞ることで、三門市にあって「こちらの世界」全体をネイバーから防衛しています。
また防衛任務以外にも、ネイバーが使う未知のトリオン技術、トリガーの研究開発などを行い、一部では医療分野などへの技術転用も研究されています。
ボーダーは政府からの支援を受けず、その介入を排除した民間組織。
その為、資金は主に民間のスポンサーから調達しており、トリガー技術の一般転用などは、そうしたスポンサーへの見返りの一つと考えられます。
地道な広報・営業活動の成果か、ボーダーは三門市全体と広く提携関係に。
三門市立第一高等学校、六頴館高等学校という二つの高校と、三門市立大学とも提携を結び、隊員たちは「ボーダー推薦」により優先的に進学することが可能となっています。
本部と支部の違い
ボーダーは本部と警戒区域の外縁上に存在する6つの支部から成り立っています。
支部名は「玉狛支部」「鈴鳴支部」「綿鮎支部」「弓手町支部」「早沼支部」「久摩支部」。
隊員たちが主に所属しているのは本部で、基本的に支部には他の仕事や学業などを優先し、本部ランク戦(A級隊員を目指すための交流戦)に参加しない隊員たちが所属しています。
ただ、実際には「玉狛支部」や「鈴鳴支部」はランク戦に参加しており、ランク戦への参加そのものが禁じられているわけではありません。
また、玉狛支部以外の支部は、地域の住民窓口のような役割も果たしているようです。
組織内の派閥
ボーダーという組織は決して一枚岩ではなく、組織内には三つの派閥が存在しています。
①城戸司令派
対ネイバー強硬派。
司令をトップとした最大派閥で、ネイバーに恨みを持つ多数の隊員たちがこの派閥に属しています。
また、城戸司令が近界への遠征を主導していることもあり、ネイバーへの恨みとは関係なく、遠征に興味のある隊員もここに所属しています。
②忍田本部長派
街の防衛を第一とした専守防衛派。
組織内では穏健な中立派閥で、ボーダー隊員の約3分の1が所属。
理性的で人柄が穏やかな隊員たちが多い印象です。
③玉狛支部派
旧ボーダー(後述)の流れを汲むネイバー融和派。
ネイバーにもいい奴いるから仲良くしようぜ、という異端の少数派閥です。
人数的には極めて少数ですが、組織内でも無視できない実力者が揃った玉狛支部を中心としており、城戸司令派からも警戒されています。
派閥の対立は普段はそれほど激しいものではなく、誰がどの派閥に所属している、というのも一部を除いて大体の目安に過ぎません。
また、そんなこと関係なしにボーダーライフを満喫している派閥無し・自由派の隊員たちも多数存在しています。
ワールドトリガー「ボーダー」の成り立ち(旧ボーダー)
約4年半前の第一次近界民侵攻以降、公にその存在が知られるようになったボーダーですが、実は彼らはそれ以前(少なくとも十数年以上前)から活動していました。
以前のボーダーは現在の組織と区別するため「旧ボーダー」と呼称されています。
旧ボーダーは防衛機関というより、ネイバーとの交流、近界と「こちらがわの世界」の橋渡しを目的とした組織。
現在の玉狛支部の建物に拠点を置き、ごく少数(6年前時点で19人)で活動していました。
3つの近界の国と同盟関係にありましたが、5年前に同盟国の一つ「アリステラ」が他国に攻め込まれ、ボーダーもその戦争に参加。
アリステラは滅ぼされ、旧ボーダーは隊員たちの半数以上が死亡、数名がブラックトリガーになるという大きな被害を出してしまいます。
それ以降、城戸司令を中心とした旧ボーダーメンバーがネイバー排斥へと方針転換。
彼らが主導となって、現在の防衛機関としてのボーダーを構築していきました。
そして残されたメンバーは旧ボーダーの理念を引き継ぎ、玉狛支部へと形を変えて活動を続けています。
ワールドトリガー「ボーダー」に入隊するには?
採用基準(一般公募・スカウト)
ボーダー隊員になるにはどうしたらいいのか?
その方法には主に「一般公募」と「スカウト」の二つがあります。
まず「一般公募」ですが、ボーダーは共にネイバーと戦ってくれる仲間を常に募集しており、採用にあたっては簡単な試験が設けられています。
受験にあたっての応募資格、年齢制限などは特に無し。
表向きの試験内容は以下の三つ。
・基礎学力試験
・基礎体力試験
・面接
ただ、上記の試験で落とされることはほとんどなく、実際に試験官が見ているのは「犯罪歴の有無」と「トリオン量」。
特に重要視されているのが「トリオン量(=トリガーを扱う才能)」で、試験中に特殊な機械でその才能を測定し、合否判定を下しています。
また、トリオンを扱う「トリオン器官」は年齢が若い程成長が見込めるため、特に若い隊員の採用を重視している傾向があります。
なお、学力などが相応にあってトリオン量で落とされた人間は、戦闘員ではなくエンジニアやオペレーターとしての入隊を勧められることもあるようです。
もう一つの採用方法が「スカウト」。
ボーダーは優秀な才能を持つ人材を積極的にスカウトしており、この場合、学力試験などは免除され、配属先に関しても希望を出すことが出来ます。
三門市周辺だけでなく、A級隊員たちが県外に赴いてスカウト活動を行うこともあります。
ちなみにこれ以外にも、一般公募に落ち、ペンチを使ってボーダー本部に侵入し上層部に入隊を直談判しようとした挙句、トリオン兵に襲われて死にかけ、最後はコネでボーダーに入隊したメガネや、そのメガネがゴリ押しして部隊に加入させたネイバーの捕虜などといった例外も一部存在します。
入隊時期
ボーダーの隊員募集は常時行われていますが、実際の入隊時期は年3回。
毎年1月、5月、9月に行われています。
入隊試験(あるいはスカウト)後、この正式入隊までの期間は仮入隊。
訓練用のトリガーを一種類だけ支給され、訓練生(C級)扱いで訓練を行うことが可能です。
なお、近界遠征が公表されて以降は入隊希望者が激増したため、止むを得ず毎月入隊式を行っています。
ワールドトリガー「ボーダー」隊員について
隊員たちのランクと給料
ボーダーの隊員(エンジニアなどは除く)は主にA級、B級、C級の3つのランクに区分されています(ブラックトリガー使いを表わすS級は例外)。
B級以上が正式なトリガーを与えられ、防衛任務に参加する正隊員。
C級は緊急脱出機能がなく、トリガーチップが一種類のみセットされた訓練用トリガーを与えられた訓練生です。
C級はまずこの訓練用トリガーに設定されたポイント(初期は基本1000点)を個人ランク戦や合同訓練を通じて4000点まで上げることでB級隊員に昇格することができます。
B級隊員は部隊を組み、B級ランク戦で2位以上に入りA級昇格試験に合格することで、精鋭隊員であるA級への昇格が認められます(昔はもっと厳しかったようです)。
隊員たちの給料体系は次の通り。
・A級……固定給+出来高
・B級……出来高
・C級……無給
この他、A級隊員には多数の特権が認められており、それらの詳細については「A級隊員(部隊)の解説記事」をご覧ください。
人員数・指揮系統
ボーダーには500名以上の隊員が所属しています。
・A級……約30名
・B級……約100名
・C級……約400名以上
この他にもエンジニアや本部オペレーター、営業・広報など各署のスタッフを含めれば、具体的な人員数は不明ですが少なくとも1000名以上の人間がボーダーに所属しているものと考えられます。
ボーダーでは命令の重複を避けるため、指揮系統において直属の上司のみが部下に命令を下すことができるという特徴があります。
つまり、司令であっても直接命令を下せるのは指令直属の一部隊員だけ。
そうでない隊員に命令を下そうと思えば、本部長や支部長などを通じて命令を行う必要があります。
通常時はわざわざそうした迂遠な命令が行われることはなく、あくまで形式的なものですが、派閥間で意思の食い違いがある場合などで問題となることがあります。
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