今回は、川西ノブヒロ先生がウルトラジャンプで連載中の新作漫画「黄泉比良坂レジデンス」について紹介したいと思います。
この作品、公式の書評で『ポジっ娘“メイド” ×タワマン“冥土”コメディ!!!』と紹介されてますが、これだけ聞いても全く意味不明。もう少しだけ噛み砕くと、地獄に迷いこんだポジティブな少女が、現世に戻るために冥土のタワマンでメイドとして成り上がる、という話なのですが……やっぱりわかんないですよね?
この不思議な作品について、今回はもう少しだけ丁寧に、その魅力も含めて説明させていただきます。
黄泉比良坂レジデンスのあらすじ(ネタバレ注意)
あらすじ(概要)
高校の卒業旅行にやってきた仲良し女の子3人組は、何故か地獄に迷い込んでしまいます(原因不明)。
彼女たちは、閻魔大王に現世に戻れるまで地獄で働かないかと誘われ、地獄のタワマンでメイドとして働くことに。
現世に戻るためにはタワマンに住む地獄の住人たちの信頼を得て、タワマンを登る必要があると告げられた3人は、住人たちと触れ合いながら働き、稼ぎ、タワマンの最上階を目指します。
果たして彼女たちは、タワマンを登り現世へ帰ることができるのか?
そして、いったい誰が彼女たちを地獄へ招いたのか?
……若干一名、現世での就活に疲れ果て、地獄でも就職できたからこれでいいやと思っている模様。すごく、気持ちがわかるなぁ……
序盤を読んでの感想
雰囲気で言うと、「鬼灯の冷徹」が近いですが、主人公たちが女子高生ということもあって、あそこまで突き抜けた描写はありません。
どちらかと言うと、ゆるふわ系。主人公たちが持ち前のポジティブさや現世の価値観でもって、少しずつ地獄に変革をもたらしていくような内容となっています。
しかしだからと言って地獄の設定がいい加減かというと、そんなことはありません。作者の川西先生は、この作品の前に「いい百鬼夜行」というコミックを手掛けておられ、しっかりとした知識の上にこの作品を書かれていることが読み取れます。
主人公たちが何故地獄に迷い込んでしまったのか、また現世に戻るために何故タワマンを登らなければならないのか、物語の骨子となる部分にはまだ謎が多い状態。
しかしあまり深く考えなくても、ゆるゆる眺めているだけでも十分に面白い作品です。
基本的に一話完結ですので、気楽に読めるところも良かったですね。
黄泉比良坂レジデンスの登場人物
町田 ちまき(まちだ ちまき)
主人公。ポジティブで若干頭が緩い。
現世で100回就活に失敗しており、地獄とはいえメイドとして就職できたことを一人喜んでいる。
就活で数多のお祈りメールを貰った後遺症で、他人に祈られると体調をくずす。
黄瀬 理智(きせ りち)
黒髪ショートカットのクールな少女。
どんな状況でも冷静な3人のまとめ役。
野宮 エリコ(のみや えりこ)
まじめで気が強いが、少し怖がりというごく普通の少女。
数字に強く、ある意味もっとも一般的な感性の持ち主。
閻魔大王(えんまだいおう)
3人にメイドとして働くことを進めた人。
一見すると小柄な白髪の老人。3人を地獄で働かせる彼の思惑とは……
ちなみに、最新話では3人以外にも地獄に迷い込んだ少女たちの存在が明かされていますので、今後その少女たちがどのように3人に関わってくることになるの、要注目です!
黄泉比良坂レジデンスはこんな人におすすめ
基本的に、何も考えず楽しい物語が読みたいという人におすすめです。
日頃疲れていて、息抜きに少し漫画でも、という時にはピッタリの作品でしょう。
地獄の怪物も含め、ポップで可愛らしい画風ですので、大人にも子供にも受け入れられやすいと思いますが、テーマ的には若干、読者の年齢層は高めかもしれません。
もちろん、妖怪とかがお好きな方にもおすすめです。
かなり強めのアレンジが加えられていますが、世界観はしっかりしていますので、それほど抵抗なく読めるのではないでしょうか。
今後が非常に楽しみな作品ですので、みなさんぜひぜひ一度読んでみてください。
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