今回は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の大人気サッカー漫画「アオアシ」から、ユースらしい選手の象徴「黒田 勘平(くろだ かんぺい)」について解説します。
黒田勘平は「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームに所属するアシトの同期。
アシトと異なりジュニアユースからの昇格組というサッカーエリートです。
小柄で人当たりは良いものの、実はプライドが高く執念深い二面性の持ち主。
本記事ではそのプライドが良い方にも悪い方にも作用した黒田の活躍と成長、名言などを中心に語ってまいります。
「アオアシ」黒田勘平のプロフィール
基本プロフィール(誕生日・身長・体重・声優など)
誕生日 | 12月2日 |
身長 | 161cm |
体重 | 55kg |
血液型 | A型 |
声優 | 堀江瞬 |
黒田勘平は主人公のアシトと同期で「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームに所属する少年。
セレクション上がりのアシトらと異なり、ジュニアユースから昇格したサッカーエリートです。
見た目は小柄な糸目の少年で、普段は人当たりの良い笑顔を浮かべています。
昇格組の中で、最初にセレクション組のアシトたちと和やかな雰囲気でコミュニケーションをとったのも黒田でしたね。
しかしその本質は非常にプライドが高く執念深い、エリート意識を具現化したような少年。
性格が悪いわけではなく、アシトたちと仲良くやりたいというのも本音なのですが、無意識の内に未熟なアシトたちを下に見る悪癖がありました。
小柄ながら技術に長けたMF
黒田は小柄ながら足元の技術に長けたMF。
ジュニアユース上がりということもあって基礎的な技術や戦術理解能力は高く、何事もそつなくこなしている印象があります。
作中では怪我でAチームから一時的にBチームに入った選手の代わりに、浅利らとともに一時的にAチームに昇格するなど、ユース昇格組の中でもその実力は上位(そのあとすぐB落ちしてましたけど)。
東京武蔵野蹴球団ユースとの試合後はアシトらとともに正式にAチームに定着しています。
これといった強みはないものの、アシトが連携を取りやすい選手として試合の重要局面で投入されることが多いです。
「アオアシ」黒田勘平はもっともユースらしい選手
ファンの間で「うざい」「嫌い」「いい奴」「かっこいい」と評価が分かれる黒田。
特に彼が嫌われる理由は、伊達コーチにも指摘された彼の「ユースらしい」プライドに起因しています。
ヤンキー冨樫との仲は険悪
そのプライドが分かりやすく悪い方に出たのが、スカウト組のヤンキー・冨樫との関係。
冨樫は小学生の時にエスペリオンのジュニアの練習に参加したことがあり、黒田らとはその時からの顔見知り。
しかし冨樫は黒田たちが「怪我をしない」「プロになる」ことを優先し「試合に勝つ」ことを軽視しているその態度に激怒し、以来その関係は険悪なものとなっています。
黒田はこの時、
「プロになることを優先して」
「サッカーをしてるとして」
「何が悪いの?」
「人生を賭けてる」
「僕らは背負ってるものが」
「違うんだ……!」
と冨樫と真っ向から対立。
どちらの意見もわからないでもありませんが、少なくとも黒田のそれはあまり読者受けする発言でなかったことは確かですね。
セレクション上がりのアシトを無意識に下に見ていた
加えて黒田はセレクション上がりで、技術も知識も未熟なアシトを無意識に見下していました。
とは言え、これに関しては実際アシトが物凄く下手だったので仕方ない部分もあります。
見下していたとは言え、黒田がアシトに対して特別嫌な態度をとったこともないですし、アシトが良いプレーをした時は素直に賞賛もしています。
ただ、黒田は比較的早い段階でセオリーに縛られていないアシトから学ぶことは多そうだと口にはしていたものの、実際にそれで自分を省みようとはしませんでした。
理屈ではそう理解していたものの、格下に学ぶことなどないと、無意識のプライドが黒田の成長を邪魔していたのです。
「アオアシ」黒田勘平の活躍と成長
黒田はユース入団直後のアシトと連携が取れず、バラバラでした。
それは傍目には感情的なシコリからくるものに見えていましたが、問題があったのはサッカーの基本「トライアングル」の概念すら理解していなかったアシト。
成京戦でようやくそれをアシトが理解して以降、黒田たちの合理的なプレーはアシトのサッカー脳を大きく成長させることになります。
アシトとの関係も改善し、Bチームの主力として期待されるようになった黒田。
残された問題は冨樫との確執でした。
アシトと異なり、感情的になって試合中も碌にコミュニケーションさえ取れない黒田と冨樫。
それが最悪の形で失点へと繋がった東京武蔵野蹴球団ユース戦では、しかし黒田がプライドをバネに頭に怪我を負いながら勝利のために奮闘。
その姿に冨樫も過去のこだわりを捨てて前を向き、黒田たちとコミュニケーションをとる様になります。
そして試合後、アシトや冨樫、大友らとともにAチームに昇格した黒田。
当初はAチーム主力との実力差に圧倒されていましたが、伊達コーチの指摘によりプライドを捨て、なりふり構わずサッカーに取り組むようになり、徐々にAチームにも定着していきます。
「アオアシ」黒田勘平の名言・名シーン
それでは最後に黒田の印象的な名言、名シーンを紹介してシメとさせていただきます。
東京武蔵野蹴球団ユース戦前半、自分のミスから失点し、それを取り返そうと無理をして頭部に怪我を負った黒田。
ハーフタイム、怪我を押して普段は冷静な黒田が伊達コーチに後半出場を直訴します。
「我慢ならない……!」
「僕の責任でチームが負ける」
「なんてことは」
「死んでも嫌だ……!」
「僕のプライドが許さない……!」
その在り方は、黒田を嫌っていた冨樫の意識さえ変えることになります。
Aチーム昇格後、レギュラーとサブの実力差に圧倒される黒田たち。
福田監督の口から「レギュラーとサブの実力差が大きいことに責任を感じている」と言わせてしまったことに、プライドの高い黒田は歯噛みします。
「情けない……!」
「福田監督にあんな言葉を」
「言わせてしまうなんて……」
そして自分に何が足りないのかを知るために伊達コーチに話を聞きに行った黒田。
そこで伊達は、アシトがユースメンバーに化学反応を起こすことを期待して入団させた選手であることを告げ、黒田はそれを理解していながらアシトを下に見て変わろうとしなかった自分に気づきます。
「間違いなく」
「青井君を下に見ていた」
「僕の邪魔をしていたのは」
「くだらないエリート意識」
「だったのか……!」
その後、アシトたちとの夜練にも参加するようになった黒田。
オーバーワークは逆効果と断っていた以前からすると大きな変化ですね。
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