今回は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の大人気サッカー漫画「アオアシ」から、東京エスペリオンユースのヘッドコーチ「伊達 望(だて のぞみ)」について解説します。
伊達望はエスペリオンユース監督・福田達也を高校時代から支える盟友。
一見すると鉄面皮で冷徹そうに見えますが、実は誰より選手たちのことを思い、選手たちからの信望を集める名指導者です。
本記事では伊達望のプロフィールや福田監督との関係性、そしてどれだけ選手たちを想い、信頼されているかを深掘りしてまいります。
「アオアシ」伊達望のプロフィール
基本プロフィール(誕生日・身長・体重・声優など)
誕生日 | 5月6日 |
身長 | 178cm |
体重 | 70kg |
血液型 | O型 |
声優 | 安元洋貴 |
伊達望(以下、望さん)は主人公のアシトが入団した「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームのヘッドコーチ兼Bチームの監督。
ユースチーム監督の福田達也と同い年の34歳で、高校時代からの無二の親友です。
外見は髪をオールバックにした厳めしい顔つきの男性で、アシトからは「鉄面皮コーチ」と評されていました。
物語序盤は選手として未熟なアシトに対し厳しく接していましたが、実は誰より選手たちへの思いやりに溢れた好人物。
作中ではアシトたち選手も望さんの人柄を理解し、彼を深く信頼していく様子が描かれています。
現役時代は福田監督と共に中盤で活躍する
望さんは現役時代、J1東京シティ・エスペリオンの中盤で活躍したプロ選手でした。
福田監督と同じ名門・東京国堂館高校からエスペリオンへ加入。
望さんの現役時代の詳しい戦績などは語られていませんが、プロとしては凡庸な選手だったようで、冨樫からは「伊達望なんてリーガーいたか?」と言われていました。
勿論、福田監督のように海外挑戦などもってのほか。
しかし選手として凡庸だったからこそ、指導者としては選手の気持ちに寄り添い、信頼される存在として花開いたとも言えるでしょう。
「アオアシ」伊達望と福田監督
高校時代から続く盟友
伊達望は高校時代からずっと天才・福田達也の傍らにあり続けた男です。
福田達也という男は間違いなく選手としても指導者としても天才。
そんな天才の隣に居続けることが、凡庸な才能しか持たない望さんの心をどれだけ削っていたかは想像に難くありません。
実際、望さんは指導者としても福田監督に劣っていると感じており、作中では福田監督につい弱音を漏らしたこともあります。
「私は、お前のように強くはないからな、福田」
ただそうした劣等感を感じながらも福田監督から離れることなく、彼を支え続けているところに望さんの強さと漢気を感じますね。
だからこそ福田監督も望さんを誰より信頼し、望さんにだけは剥き出しの想いや考えをぶつけています。
東京VANS戦では、福田監督が桐木をサポートするために誰を投入するか迷っている時、望さんは大友が最適だと進言。
「お前……すごいなあー」
選手の人間性まで深く理解しているからこそ出てきた望さんの言葉に、福田監督も目を見開き感嘆していました。
青井葦人(アシト)のDF転向を巡っては衝突も
基本的には指導者としての福田監督の眼力を信頼し、彼のサポートに徹している望さん。
しかし作中で一度だけ望さんが福田監督に強く反対したことがあります。
それが主人公・アシトのエスペリオンユース入団とDF転向。
FWとしてユースセレクションを受けたアシトに才能を見いだせなかった望さん。
福田監督はDFとしてならどうだと望さんに問いかけ、望さんは即座にその意図を理解します。
しかし、アシトがFWを希望していることを理解していた望さんはそれに反発。
「本人が望まないだろう!」
「無理やりやらせるわけには……」
最終的に福田監督に押し切られ、迷いながらもアシトを指導していく望さん。
当初アシトに厳しく接していたのも、福田監督に反骨心を煽るよう頼まれたのもありますが、いっそユースを辞めて高校でサッカーをした方がアシトのためなのでは、との想いがあったのかもしれませんね。
予想通り、DF転向を命じられた際は大きく反発したアシト。
最終的には上手く収まりましたが……福田監督のやったことって「(悪く言えば)アシトを騙して東京に連れてきて、逃げ道を塞いでから自分の手駒にしようとした」ですから、かなり悪辣。
その片棒を担がされた望さんの心労たるや……当時「鉄面皮」「冷血」なんて思ってごめんなさい。
「アオアシ」伊達望と選手たちとの信頼関係
望さんは作中で最も選手たちから信頼されている指導者の一人。
ここではその一端を紹介していきます。
橘「これがこのチームのベストオーダーだ」
Bチームで結果を出せず、完全に自信を喪失していた橘。
彼は古巣・武蔵野蹴球団ユースとの対戦を前に、望さんに「次の試合では自分を使わないでくれ」と言ってしまいます。
そんな消極的な発言をすれば、普通であれば次の試合どころかずっと試合に出してもらえなくなってもおかしくありません。
しかし望さんは、橘を叱責することも慰めることもなく、ただ武蔵野戦のオーダーに橘を組み込み、
「これがこのチームのベストオーダーだ」
と橘への信頼を示します。
それを理解した橘は、武蔵野戦の途中で覚醒。
見事に結果を出し、望さんの信頼に応えていました。
冨樫「あのオッサンを困らせたくねぇ」
ユースからのスカウト組で当初チームに反発していた冨樫。
望さんに対してもやや生意気な態度をとっていましたが、望さんはオーダー通りDFに専念している冨樫に対し、
「お前は今のままでいい」
ときちんと評価。
会社でもどこでも、こうして上の人が自分をちゃんと見て評価してくれているって嬉しいものですよね。
チームに溶け込めていなかった冨樫も、望さんの期待を裏切ることはできないと思ったのでしょう。
武蔵野戦の後半、チームメイトとのわだかまりを捨ててプレーし、望さんの信頼に応えます。
「あのオッサンを困らせたくねぇ」
黒田「厳しい意見をもらいにいく」
望さんと付き合いが長いのが昇格組の黒田。
140話でAチームについていけない自分の不甲斐なさを突き付けられた黒田は、なりふり構わず望さんにアドバイスを求めにいきました。
「僕の良し悪しを分かって」
「厳しく言ってくれるのは」
「望コーチだ」
選手たちは上手くいっている時はともかく、そうでない時はとかく指導者に「分かってもらえない」と不満を抱きやすいもの。
選手たちから迷いなくこう言って貰える指導者はそうはいません。
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