今回は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の大人気サッカー漫画「アオアシ」から、熱血アホの子系主人公「青井 葦人(あおい あしと)」について解説します。
青井葦人は「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームの福田監督に見いだされ、愛媛から単身上京しチームに入団した少年。
技術的には未熟で身体能力にも決して恵まれてはいませんが、持ち前の負けん気と俯瞰の視野を武器に、プロへの道を這い上がっていきます。
その過程ではFWからDFへの転向など本人にとって辛い局面も。
本記事ではそんな青井葦人のプロフィールやモデルとなった選手、DF転向の理由などを中心に語ってまいります。
「アオアシ」青井葦人(アシト)のプロフィール
基本プロフィール(誕生日・身長・体重・声優など)
誕生日 | 7月3日 |
身長 | 172cm |
体重 | 60kg |
血液型 | A型 |
声優 | 大鈴功起 |
青井葦人(以下、アシト)は「東京シティ・エスペリオンFC」ユースチームの福田監督にその才能を見いだされ、単身愛媛から上京し、セレクション経由でチームに入団した本作の主人公。
ロナウドの生まれ変わり(死んでないけど)を自称するアホの子で、非常に明るく負けん気の強い性格をしています。
ユース入団以前はワンマンな性格が災いしてまともな指導を受けたことがなく、技術や知識は周囲のユースメンバーとは比較にならないほど未熟。
しかしピッチ上の全ての選手の位置を完全に把握し、記憶できるほどの超人的な「俯瞰」の視野を武器に、プロへの階段を這い上がっていくことになります。
母・兄との3人家族、父親はどんな人?
娯楽の無い愛媛県の片田舎で育ちました。
母子家庭で家計は苦しく、母は夜は水商売、昼も別の仕事をして女手一つで2人の息子を育てる苦労人です。
兄の瞬はアシトの1歳年上ですが、既にバイトをして家計を助けています。
母はサッカーには全く詳しくありませんが、兄は小児喘息で原因でサッカーから遠ざかるまではアシトと共にサッカー漬けの少年時代を送っていました。
そんな兄が再びサッカーを始める様子はスピンオフ「アオアシ ブラザーフット」で描かれています。
アシトの父親については作中で全く触れられておらず、どんな人物だったのかは全くの不明。
離婚したのか死別したのかさえ分かっていません(養育費が支払われている気配はないので多分死別かな)。
ファンの中には「サッカー関係者だったのでは?」と噂する声もありますが、母の紀子が全くサッカーに疎いことを考えると、その可能性は低め。
アシトが父親の不在を気にした様子もなく、恐らく今後作中に父親が関わってくることはないと思われます。
「アオアシ」青井葦人(アシト)のモデルは?
アシトのモデルは愛媛県出身のサッカー選手・福田健二選手であることが、作者の小林先生によって明かされています(福田選手は福田監督のモデルでもある)。
参考としたのは福田選手の出身地や家族構成、その半生。
福田選手は母子家庭出身で、アシト以上に厳しい少年時代を過ごされたそうです。
一方、福田選手はFWで、ポジションやプレースタイルはアシトとは別物。
「俯瞰」の視野など、能力面では70話で語られていたスペイン代表MFのシャビがモデルになっているものと考えられます。
試合中の選手の位置を全て記憶しているところなんかはまさにそのままですね。
141話では同じくスペイン代表MFのイニエスタも、幼少期の環境がアシトと似通っていることが言及されていました。
プレースタイルに関しては、特定の誰というより色んな選手を参考に組み上げられているのでしょうね。
「アオアシ」青井葦人(アシト)ポジション変更の理由
FWからDF(サイドバック)にポジション変更
ユースに入団して以降、FWとして着実に成長してきたアシトでしたが、61話のラストでは福田監督からDFー左サイドバックに転向させられています。
元々福田監督はアシトをサイドバックのスペシャリストとして育てるつもりでした。
当初FWをさせていたのも、最低限の技術が身につくまでは慣れたポジションでプレーさせた方が良と考えたら。
また最初からDFとして呼んだのではアシトが東京に来ないと考えたというのもあります。
ハッキリ言えばだまし討ちですね。
福田監督が語るアシトがFWとして通用しない理由は3つ。
①足下にボールが収まらない。
②アジリティが低い。
③ショートスプリント力が低い。
①のボールキープ力は技術やフィジカルを鍛えればまだ改善するかもしれませんが、②と③はゴール前での瞬発力が求められるFWとしては致命的です。
加えてアシトの最大の武器は「俯瞰」の視野。
その能力は後ろからピッチ全体を見渡していてこそ100%活かされます。
更にアシトをサイドバックとしたのは、サイドバックが後ろと片方のサイドにほとんど敵のいない最も自由なポジションだから
視野は広いものの技術は低いアシトを最も自由なポジションに置くことで、攻守両面をカバーする「司令塔」に育てたい、というのが福田監督の思惑でした。
今後別のポジションにつくこと(FWに戻るなど)はある?
FWを熱望し、ポジション変更を命じられた直後は酷いショックを受けていたアシト。
その後彼は、仲間たちや阿久津の指導などもあり、少しずつDFとしても成長していきます。
そして徐々に福田監督が自分にサイドバックを命じた意味を実感し、その面白さを理解していくアシト。
では、今後アシトが更に別のポジションにつくことはあり得るのでしょうか?
これについては、恐らく無いと考えられます。
その理由は、アシトがそれほど器用な方ではないから。
司令塔と言って一般的に思い浮かぶのはトップ下やボランチなどのMFですが、中盤では全方位に敵がいてアシトの技術やフィジカルでは対応できません。
作品の在り方から考えても、アシトがそんな万能選手に育つことはないでしょう。
アシトが優れているのはあくまで「俯瞰」の視野。
それ以外の能力は並以下であり、だからこそ福田監督はアシトをサイドバックのスペシャリストに育てようとしました。
アシト自身もサイドバックに自分の居場所を見出しており、今後敢えて別のポジションにつくこと、ましてやFWに戻ることはまずないと考えられます。
「アオアシ」青井葦人(アシト)司令塔として覚醒
アシトは作中において「俯瞰」の視野を以って徐々に司令塔として覚醒していきます。
最初の覚醒はまだFWとしてBチームでプレイしていた時。
成京戦で劣勢の中、俯瞰の視野でチームメイトと意識を共有、最後は自分自身をフィニッシャー位置に持っていくことで見事決勝点を決めました。
続く覚醒はDF(SB)転向後。
武蔵野蹴球団ユース戦で慣れないポジションに戸惑いながらも、アシトは試合を通じてDFとして徐々に成長。
だけでなく、攻撃にも参加して「ダイアゴナル・ラン」で敵をかき回して敵味方をコントロール。
自分自身でも得点を決め、福田監督の理想とする攻守コンプリートしたサイドバックの片鱗を垣間見せます。
その後、Aチームに昇格し、更に司令塔としての感覚を磨いていくアシト。
強敵・船橋学院戦ではそれが「突き抜けた存在」へと覚醒する感覚を掴みかけますが、船橋学院の怪物・トリポネに突き放され、覚醒に失敗。
その試合ではレッドカードを貰って退場してしまい、その後しばらくプレーに精彩を欠く結果となってしまいます。
ただこの試合でのアシトの成長には、福田監督や阿久津でさえ期待してしまうポテンシャルの大きさを感じさせました。
アシトが司令塔として完全に覚醒したのは、プレミアリーグ最終節の青森星蘭戦。
アシトと同じく俯瞰の視野を持ち、足下の技術も卓越した代表ボランチの北野蓮。
自分の理想とも言えるスキルの持ち主を目の当たりにしたことで、アシトの視野は北野蓮と同等のモノへと覚醒します。
試合では覚醒したアシト自身が中央に入っていくことでピッチ全体、攻守を完全にコントロール。
最後はいがみ合っていた阿久津とのコンビネーションで見事青森星蘭に勝利し、プレミアリーグを制したのでした。
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