今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、神様的ポジションの凄いツガイ「オシラサマ」について解説します。
オシラサマは首に傷跡のある馬と娘の姿をしたツガイ。
神様の類として崇められ、その筋ではレジェンドとして扱われる凄い存在です。
今のところ本筋には関わってきていないものの、カラーページなどにも意味ありげに登場しており、今後重要な役割を果たすことが予想されます。
本記事ではそんなオシラサマのプロフィールや元ネタ(伝承)を中心に解説してまいります。
「黄泉のツガイ」オシラサマのプロフィール
基本プロフィール
オシラサマは下界に降りたユルが最初に遭遇したツガイで、左右様の旧い友人です。
見た目は首に大きな傷跡のある馬と、それに跨る着物姿の女性。
ツガイの中でも神様の類とされる非常に格の高い存在で、オシラサマとの初対面時にはデラとハナも「生きてるうちに会えるとおもわんかった」「マジ生きててよかったっス」と興奮していました。
性格は馬の方は喋らないのでよくわかりませんが、女性の方は無邪気でおっとりしていてマイペース。
子供好きでとても優しい雰囲気を漂わせています。
初登場は第三話で、影森家の襲撃を受けた東村から下界に下りてきたばかりのユルたちと遭遇しました。
主は田舎に住む老婆
ツガイはどれほど強力でも人間の主がいなければ活動できず、それは神様の類とされるオシラサマでも例外ではありません。
オシラサマの主は東村近くの田舎に住む老婆。
一見おおらかで優しい雰囲気の普通の老婆ですが、ダンジを一目見てその正体がザシキワラシ(=ツガイ)だと見抜くなどただ者ではありません。
また彼女の孫娘も普通にオシラサマの存在を認知していました。
住んでいる場所などから考えると、ひょっとしたら影森家のように東村から分かれたツガイ使いの家系なのかもしれませんね。
「黄泉のツガイ」オシラサマの元ネタ(伝承)
オシラサマの元ネタは主に東北地方で信仰されている神様です。
蚕の神、農耕神、馬の神、子供や女性の神など様々な側面を持ち、秘密裏に信仰されている地域も多く、謎の多い神様でもあります。
御神体は馬と娘、男と女など二体一対で祀られることが多いため、そこからツガイとして作中に登場したと思われます。
その由来は馬が大好きな娘と馬の悲恋(?)。
ある所に馬への好意が行き過ぎてとうとう馬と結ばれてしまった娘がいたのですが、娘の父は当然怒って馬を殺してしまいます。
泣き縋る娘の前で父は馬の首をはねたところ、馬の首は娘をつれてそのまま天に上り神様になってしまったのだとか。
「黄泉のツガイ」の作中でもオシラサマは娘の方が馬に向かって「夜景がきれいねダーリン」と語り掛けるシーンがあり、オシラサマはこの伝承が元ネタになっているものと思われます。
「黄泉のツガイ」オシラサマは子供好き
オシラサマは本人も「子供大好き」と語る通り、非常に子供好きで知られるツガイです。
子供の扱いにも慣れていて、東村から攫われ見知らぬ土地にやってきて混乱する少女も、あっという間にオシラサマに懐いていました。
オシラサマが子供好きとされる詳しい由来は不明ですが、各地に子供好きでよく子供と遊んでいたというエピソードが伝わっています。
……子供と遊んでいたところを注意した大人が逆に祟られなんて話も。
「黄泉のツガイ」オシラサマと左右様
オシラサマは左右様と旧い友人です。
互いに「左右さん」「オシラサマ」と呼び合う仲で、非常に友好的。
少なくとも400年以上前、恐らくは1000年以上前からの知り合いでユルやアサたち「昼と夜を別つ双子」についてもかなり詳しそうです。
両者は互いに対等の関係として振る舞っており、格的には特に上とか下とかはない模様。
作中では東村を下りてきたダンジを口実に、わざわざ東京にいる左右様のところまで遊びに行っていました。
「黄泉のツガイ」オシラサマの能力は?(強い)
非常に凄い、神様的ポジションのツガイとされるオシラサマ。
しかし作中では今のところ具体的にオシラサマの能力や凄さが分かるエピソードはありません。
分かっていることは馬の方が車以上の速度で走行し、宙を駆けることができるというもの。
女性の方の能力は全くの不明です。
神様だからと言って必ずしも強いとは限りませんが、時折見せるオシラサマの雰囲気からすると何かとんでもない力を秘めていそうではあります。
伝承からすると養蚕を伝えた神様という側面もあるそうなので、女性の方が糸に関連した能力とかを持っている可能性が高そうですね。
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