今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、偽アサこと「キリ」について解説します。
キリとは東村で主人公・ユルの妹アサに成りすましていたツガイ。
当初その正体は不明とされていましたが、後にザシキワラシのツガイ・キリが擬態していたことが判明します。
本記事ではキリ(偽アサ)のプロフィールや正体、その過去や作中の動向を中心に解説してまいります。
「黄泉のツガイ」キリ(偽アサ)のプロフィール
基本プロフィール
キリ(偽アサ)は東村でユルの双子の妹に擬態していたツガイです。
偽アサとしての見た目は長い黒髪が特徴の小柄で庇護欲を誘う雰囲気の少女。
六歳から下界で逞しく育った本物のアサとは、ベースこそ同じですがかなり雰囲気が異なっています。
東村では何らかのお役目を理由に長年座敷牢に軟禁され、村でもユルたち一部の者しか面会を許されていませんでした。
しかし第一話で本物のアサが影森家の特殊部隊と共に東村を襲撃。
ユルは目の前で殺されたと思った偽アサが動き出し、長年妹だと信じてきた相手が偽物だったという事実を突きつけられることとなります。
10年間アサに擬態しユルを東村に繋ぎ止めてきた
本物のアサはユルとアサの両親に連れられ、10年前に東村から逃げ出してしまいました。
東村のヤマハおばぁは「昼と夜を別つ双子」の片割れであるユルを東村に繋ぎ止めるため、キリに命じてアサに擬態させることに。
キリ(偽アサ)が座敷牢に閉じ込められていた理由は不明ですが、恐らく村から動けない不自由な存在だとユルに印象付けることで、ユルが村から出ないよう誘導していたものと思われます。
ユルが下界から出ていった後も座敷牢に留まっていたようですが、これはキリ(偽アサ)の正体は村でも大人しか知らないので、子供たちに怪しまれないようそうしたのではないかな、と。
ちなみに一部のファンの間ではキリ(偽アサ)には何らかのお務めが本当にあったから襲撃後も座敷牢にいたのだという説が流れていましたが、姿だけ擬態した、しかも本物にさほど似ていない偽アサが必要なお務めがあるとはちょっと考えにくいですね。
「黄泉のツガイ」キリ(偽アサ)の正体
正体は男児と女児のツガイ「ザシキワラシ」
18~19話ではキリ(偽アサ)の正体が判明します。
男児と女児の二人一組のツガイで名は「ザシキワラシ」。
ツガイとしての相棒はユルの親友として育った「ダンジ」です。
ちなみに「ザシキワラシ」としての本来の姿は、彼女を憎んでいたアサが思わず胸を押さえるほどにキュート。
キリとダンジの主はダンジの母親を名乗っていたキョウカで、キリはヤマハおばぁに言われてアサに擬態し、有事の際にはヤマハおばぁを守るように命じられていました。
影を操る能力を持ち意外と強い
ツガイとしてのキリは二つの能力を持ちます。
一つはアサに化けていた変身能力。
もう一つは影を自在に操る能力です。
この影を操る能力は触手のように動かして敵を拘束したり、直接攻撃したりと意外に強力。
作中ではアサや与謝野イワンなど強敵とばかり戦っていたため目立ちませんが、決して弱くはありません。
また影は相棒と離れた場所にいる相棒と繋いで連絡を取り合うことも可能と万能です。
「黄泉のツガイ」キリ(偽アサ)の過去と目的
キリ(偽アサ)たちザシキワラシは元々、東村を本城とする周囲の集落の一つで暮らしていました。
しかし四百年前の関ヶ原の戦いで主を失い、本尊の姿に戻った彼女たちは誰もいなくなった集落で朽ち果てていくことに。
そんなザシキワラシを見つけ出したのが先代田寺家当主、田寺ロウエイでした。
ロウエイはザシキワラシの本尊を見つけると、東村で夫と子供を亡くしたばかりで気落ちし臥せっていたキョウカを慰めるためザシキワラシと契約させます。
可愛らしいザシキワラシの存在により生きる気力を取り戻したキョウカはツガイ使いとしてヤマハおばぁに仕えるように。
そして村にユルとアサが生まれ、ザシキワラシたちはキョウカとヤマハおばぁに命じられ、ずっとユルたちのことを見守ってきました。
ちなみにキリの名前の由来は村の近くに咲く「桐の花」、ダンジはそのまま「元気な男児」。
「黄泉のツガイ」キリ(偽アサ)の作中動向
キリ(偽アサ)は物語開始当初、10年に渡ってアサに擬態し、ユルを東村に繋ぎ止めてきました。
しかし本物のアサたちの襲撃によりユルは東村を脱出。
残されたキリ(偽アサ)はヤマハおばぁの下でそのまま村に留まっていました。
その後、与謝野イワンが東村を襲撃。
キリ(偽アサ)はユルをおびき寄せるための餌として村の子供アザミと共に攫われて下界に。
紆余曲折あったものの、アサやユル、左右様やデラ、影森家の協力によりキリとアザミは無事救出されました。
その後、村の裏事情を知ってしまったアザミは村に戻れば牢に入れられてしまうため、アザミを守るためキリとダンジはそのまま下界に留まることに。
ユルたちと共にハナの家に厄介になっています。
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