今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、主人公ユルのツガイ「左右様」について解説します。
左右様は400年間東村の守護神として過ごしてきた男女の鬼神。
謎の武装集団により東村が襲撃された際、ユルと契約を結びツガイ使いたちの戦いに飛び込んでいきます。
ただ強力なツガイというだけでなく「昼と夜を別つ双子」の暴走を止める役割を持った特殊な存在。
本記事ではそんな左右様の概要や強さ、その役割や謎について解説してまいります。
「黄泉のツガイ」左右様のプロフィール
基本プロフィール
左右様は本作の主人公ユルと契約したツガイ。
男女の鬼神の姿をしており、一本角で凛々しい雰囲気の女性が左様、二本角で筋骨隆々の男性が右様です。
第一話でユルと契約を結ぶこととなりますが、それ以前は400年間にわたり狛犬の姿で山奥の東村を守護神として見守っていました。
性格はどちらも豪快で好戦的な自由人。
一見すると右様の方が粗暴な印象を受けますが、実は右様の方が周囲に気配りができ、普段寡黙な左様の方が嬉々として戦いに飛び込んでいきます。
山奥に400年間引きこもっていたため現代社会に詳しくなく、車やお店など珍しいものを見ると目を輝かせるかわいらしい一面も持ち合わせています。
主ユルとの関係は放任主義で良好
第一話で何の知識もなく突然左右様と契約することになったユルですが、左右様との相性は極めて良好です。
普通のツガイは主を最優先で守るものですが、ユルは守護神だった左右様に命令することを良しとせず、いきなり好きにやってくれと自由行動を許可。
左右様はそんなユルの放任主義を気に入り、主従関係というより仲間として信頼を築いています。
危ない場面で戦いをユルに任せて左右様たちは隠れてしまうなど、一般的なツガイ使いからすれば眉を顰めるような行動も目立ちますが、それもユルを信頼していればこそ。
本当に危ない場面ではユルを優先し、ツガイとしてユルの頼みには喜んで従っています。
「黄泉のツガイ」左右様の強さ
ツガイの中でも最上位の怪力と頑丈さ
左右様は作中でも最上位の戦闘力を有する神様レベルのツガイです。
見た目通り凄まじい怪力の持ち主で、元が岩なのでその肉体は並の銃器では傷一つつかないほどに頑丈。
手足を切り裂かれても接着剤でくっつければ元通りという不死性まで持ち合わせています。
また血の匂いでユルとアサが血縁であることを見抜くなど嗅覚が鋭く、遠隔地にいるツガイの存在を察知するなど戦闘以外でも優秀。
正しく主人公が契約するに相応しいツガイですが、上位のツガイ相手だと普通に苦戦もしますし、与謝野イワンには手足を切り裂かれるなど、決して無敵の存在というわけではありません。
解と封を相殺する力
空間を操ったり変身したり、特殊な能力を備えていることが多いツガイですが、その例に漏れず左右様もそうした特殊能力を保有しています。
左右様の特殊能力はユルとアサ、即ち「昼と夜を別つ双子」が持つ「解」と「封」を相殺する力です。
「解」と「封」は数多のツガイ使いたちが血眼になって手に入れようとしている強力な代物で、「解」は「世のあらゆる物を強制的に解く力」、「封」は「世のあらゆる物を強制的に封印にする力」。
物質的なものから目に見えないものまで何にでも干渉することができます。
右様は「解」、左様は「封」をそれぞれ相殺することができ、作中では右様がアサの放った「解」の力を口から衝撃派を放って相殺していました。
「黄泉のツガイ」左右様の役割
前述した「解」と「封」を相殺する力を持つことからも分かるように、左右様は「昼と夜を別つ双子」が暴走した際、それを止める役割を担っています。
左様はユル、右様はアサにとっての天敵で、「解」の力に目覚めているアサは本能的にそのことを察していました。
この左右様の役割は関係者にとっては周知の事実のようで、東村関係者だけでなく与謝野イワンら西ノ村の人間にも知れ渡っています。
恐らくは400年前、あるいはそれ以前に「昼と夜を別つ双子」が現れた際には、左右様がそれと戦ったこともあるのでしょう。
「黄泉のツガイ」左右様の謎
左右様の存在には根本的な謎があります。
それはユルやアサの暴走を止める役割を担っているのに、ユルと契約するのはおかしくないか、というもの。
そのことは作中でも複数の人間が指摘しており、本来左右様はユルと契約する予定ではなかったことが分かります。
元々左右様と契約するための首飾りはデラが持っており、デラが契約する予定だったとも考えられますが、番小者(=雑用係)に過ぎないデラにそんな大事な役割を任せるのは不自然。
村長あたりが契約しておけば良かったのにとも思ってしまいます。
ここから先は推測が混じりますが、ユルとアサが力に目覚めた時、その二人を操り従わせるには左右様の力が不可欠。
そのため関係者の間ではユルとアサの身柄だけでなく、左右様との契約も狙われており、契約方法を隠すため敢えて普段は東村にいないデラに首飾りを託していたのではないか……
東村の人間もデラがわざわざユルと左右様を契約させるのは予想外だったのではないでしょうか。
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