今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、作中で登場する図書館のモデル(ロケ地・聖地)について解説します。
「税金で買った本」は図書館勤務経験のある原作者ずいの先生の実体験に加え、数多くの実際の図書館を取材した上で描かれています。
本記事ではその中でも、特に印象深い場所やモデル、その登場話について紹介してまいります。
「税金で買った本」市立所沢図書館
石平くんたちが働く図書館のモデル?
「税金で買った本」で石平くんたちが働く市立図書館のモデルと言われているのが「埼玉県所沢市立所沢図書館」。
取材協力で名前が載っていました。
この作品は原作者のずいの先生が自らの図書館勤務経験を元に作られた作品ですが、先生は静岡県三島市出身・在住。
ずいの先生の元職場とかではなさそうです。
より作品のイメージに合った立地の図書館が所沢図書館だったということなのか、あるいは作画の系山冏先生が取材に行きやすい場所を選んだ結果なのか……
雰囲気や立地など共通点多数
所沢図書館は石平くんたちが働く市立図書館と雰囲気や立地などが似通っており、モデルにされていると思われる部分が多く存在します。
所沢市は東京都に隣接する埼玉県南部の市で、決して田舎ではないものの比較的自然が多く残された都市。
タヌキが図書館に紛れ込んできた図書館のイメージとも合致します。
実際の図書館内も展示やビブリオバトルなどイベント関係も参考にしているのか、訪れてみると「あっ、やっぱりそうなんだ~」と思わせる部分が多数。
特別何がある訳ではないですが、機会があれば一度訪れてみるのもいいかもしれませんね。
「税金で買った本」鶴見大学図書館
大学編のロケ地
石平くんの大学編のロケ地として取り上げられたのが「鶴見大学図書館」。
鶴見大学は神奈川県横浜市にある、歯学部、文学部、短期大学部と少し変わった学部構成の私大で鶴見女子短期大学がその原型。
周辺市民に生涯学習セミナーを行うなど開かれた大学を目指していて、図書館をテーマにしたこの作品に登場するには相応しい大学と言えるでしょう。
鶴見大学図書館ではロケ地となったことを記念してミニ企画展なども開かれていました。

登場話「大学図書館利用案内(123~124話)」
鶴見大学がモデルとなった石平くんの大学生活が描かれているのが123~124話の「大学図書館利用案内」。
自動貸出機とか二階建てになっている席(静寂スペース)とか、その魅力を石平くんが作中で力説しています。
館内施設だけでなくキャンパス周辺も多く作中に登場しており、関係者が何度も大学を訪れるなどかなり力の入った内容に。
今のところ大学編はこの2話だけですが(2025年5月現在)、乙田とか司書の渡谷さんとか、大学図書館とともに深掘りしていって欲しいですね。
「税金で買った本」移動図書館「そよかぜ号」
町田市立さるびあ図書館「そよかぜ号」を取材
書籍を積んだ自動車と職員が地域を回る移動図書館。
作中で登場した移動図書館「ほーん号」のモデルとなったのが東京都町田市立さるびあ図書館が運行する「そよかぜ号」です。
5トントラックシャーシから製造したセミバス型の車で、東西に長く図書館のない地域が多い町田市をカバー。
現在は「そよかぜ号」2号車と3号車の二台が稼働中です。
その詳しい取材の様子はファンブック「図書館ともっと仲良くなれる本」で描かれています。
登場話「はたらくくるま(41~43話)」
「そよかぜ号」が元になった「ほーん号」が作中で最初に登場するのが41~43話「はたらくくるま」。
移動図書館はその後も53~54話「季節のオーナメント」などでも登場しており、一日のスケジュールや巡回場所、配架、カゴを使った陳列など、様々な部分で「そよかぜ号」が参考にされています。
移動図書館は普段なかなか触れることのないサービスですが、実は全国各地で運営されていますので、興味のある方はまず地元の移動図書館を探してみるのも良いかもしれません。
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