今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、図書館の迷惑利用者の一人、通称「タコ足の人」について解説します。
タコ足の人は図書館で限度を超えた充電を繰り返していた大学生。
税金を払っているんだから元を取りたい、損をしたくないとやり過ぎな充電を繰り返していました。
そんな彼も作中では石平くんとの会話でハタと我に返ることに。
本記事ではいかにも「税金で買った本」らしい結末を迎えたタコ足の人のプロフィールや登場話を中心に解説してまいります。
「税金で買った本」タコ足の人のプロフィール
引用元:ずいの 公式Twitter
基本プロフィール
”タコ足の人”は主人公の石平くんが働く図書館の常連利用者。
本名は不明で”タコ足の人”とはタコ足コンセントなどを使って図書館で過剰な充電を繰り返していたことにちなんでつけられた通称です。
近くの大学に通う学生で、外見はごく普通の青年。
迷惑行為を繰り返してはいましたが結構小心者で、根は比較的まともな話の通じる青年です。
図書館で充電を繰り返す迷惑利用者
前述した通り”タコ足の人”は図書館のコンセントでスマホなど過剰な充電を行う迷惑利用者です。
舞台となる市立図書館の閲覧室ではコンセントが一部利用者向けに開放され、勉強や研究目的でPCやスマホを使うために充電してよいことになっています。
しかし”タコ足の人”は図書館をただ充電をするためだけに利用し、PCやスマホ、タブレット、モバイルバッテリー、携帯ゲーム機までいつもフル充電していました。
図書館の本来の趣旨とは違いますし、席を使いたい人にとっても迷惑ですよね。
こうした充電の問題は図書館だけでなく、カフェやファーストフード店などでもしばしば話題となっている問題。
本作ではこの問題に、ただ「迷惑だ」ではなく、別の斬新な切り口からアプローチしています。
「税金で買った本」タコ足の人の登場話(何話)
「エコ節電の教科書(4話)」
”タコ足の人”の人が登場したのは第4話「エコ節電の教科書」。
図書館アルバイトの島本さんが、早瀬丸さんに「また例のタコ足の人来てます」と報告したところから物語は始まります。
その”タコ足の人”に興味を持ったのが石平くん。
話を聞くと、その”タコ足の人”は図書館で過剰な充電を繰り返す迷惑利用者で、以前から早瀬丸さんたちも困っていたのだそうです。
注意するとサッと移動し、また別の場所で充電を繰り返す”タコ足の人”。
石平くんは迷惑だと思うより先に「なんでだろ…」と彼の行動を疑問に思います。
図書館で充電するのはお得なの?
気になった石平くんは”タコ足の人”に「なんでここでいつも充電すんのかだけ知りたい」と直接尋ねます。
”タコ足の人”は困惑しながらも、税金払ってるんだから損したくないし、最大限利用して元を取りたくてやってるんだと回答。
しかし石平くんはそこで更に疑問が湧きます。
「どのくらいの得なのそれ」
「具体的に何円?」
改めて”タコ足の人”がスマホで充電できた電気代を調べてみると、全部フル充電しても1日約5円程度。
あまりに少ない金額です。
それでも”タコ足の人”は1か月やればジュース1本分だと強がりますが、石平くんは「ジュース1本分のために毎日怒られてんの馬鹿みてぇじゃん」と笑います。
注意されるかもしれないとビクビク怯えながら充電しながらゲームして、罪悪感や我慢、労力に見合った金額だったか、と”タコ足の人”は我に返り、迷惑行為をやめることに。
しかしこのお話は、ただ迷惑利用者が改心したという話ではありません。
「税金で買った本」タコ足の人と石平くん
石平くんにはそもそも”タコ足の人”への敵意や、その行為を非難する気持ちは全くありませんでした。
彼は本当に、なぜ”タコ足の人”が充電するのか知りたかっただけ。
だからこそ”タコ足の人”も素直に石平くんに自分の気持ちを語ったのだと思います。
そして石平くんは”タコ足の人”の充電が一か月粘ってジュース1本分にしかならないと聞いた時も、だから駄目だとは言っていません。
ただ純粋に、自分は本を借りて図書館を楽しんでいるが元を取れているだろうかと考え、”タコ足の人”も充電している間楽しければ得か、と勝手に納得。
こうした他意のない言葉だからこそ”タコ足の人”の人の胸にグサッと刺さった形です。
「税金で買った本」タコ足の人のその後にほっこり
タコ足の人はその後図書館に来るのを止めたかというとそうではなく、充電ではなく普通に本や映画のDVDなどを借りるために通うようになっています。
切っ掛けは今まで充電のために損してきた気持ちや時間を図書館から取り戻したい、というものでしたが、今では普通に読書を楽しんでいる模様。
充電による迷惑行為を繰り返してきた図書館だけに、職員さんの目が気になるようですが、職員さんからは気づかれた様子もなく”タコ足の人”はホッとした顔です。
ただ早瀬丸さんは利用者が”タコ足の人”であることに気づいており、彼が気にしないようにと敢えて気づかないフリをしていました。
過去問題があっても、ちゃんとルールを守って図書館を利用してくれるならそれが一番。
いかにも「税金で買った本」らしいほっこりする結末でした。
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